[画像]民主党の古川元久税調会長、2016年2月12日、衆議院インターネット審議中継からスクリーンショット。
【平成28年2016年2月12日(金)衆議院財務金融委員会】
大臣の所信表明に対する一般質疑が行われました。本会議では特例公債法案が審議されましたが、きょうの委員会は、一般質疑(5時間半コース)だけで終わりました。いわゆる「店開き」になります。
委員長の宮下一郎さんは世襲議員の財務副大臣経験者ですが、質問ごとに、「麻生財務大臣」「麻生金融担当大臣」と言い換えていて、こういうところは、自民党の世襲議員が優秀である割合が高いのは間違いありません。
まず、自民党の野次将軍、山田賢司さんが「国の借金は1000兆円と言われるが、金額の問題ではない。毎年の歳出が(公債を除いた)歳入を上回っている。ことが問題だ」と独自の理論を展開。政党公認である以上、自民党60年のツケを返す責任を山田さんは共有していると私は認識しております。
続いて、自民党の井林辰憲さんが、「この委員会に配属されて1年経ち、初めての質問となります」と切り出しました。
そして、「法人税改革と租税特別措置の改正」について質問すると、自民党の坂井学財務副大臣が「委員はすでに良くご理解されている法人税の改正ですが、課税ベースを拡大して、利率を下げています」と答弁。税制改正法案は1週間前に提出されたばかりなのに、昨年11月の「税調」は自民党であって、国会ではありません。このことは、今後とも引き続きしつこく、こだわり続けてまいります。
民主党の古川元久税調会長は日本銀行の金融政策変更について、「今は開放経済だから、為替、株価、債券などてマーケットは混乱し、不安定になっている」と指摘。麻生さんも「上がるにしても下がるにしても急激な変化は好ましくない」と同調しました。
古川さんは「アベノミクスの好循環が逆回転しだした」としました。これまでも多くの人が心に引っかかっていた、「なぜ、2013年4月4日の金融政策決定会合で、付利を取らなかったのか」との質問。黒田さんは「付利については、国債の買い入れをスムーズにするために導入した制度であり、2013年4月4日の金融政策決定会合では、大量の国債を買うために、付利を維持した。一定の成果があった」と語りました。私は、黒田答弁、ちょっと合点がいかないです。
まあ、民主党岡田克也内閣の下の金融危機(債券危機)では、古川元久・財務・金融・経財大臣で決まり、と私は思っています。
この後、鈴木克昌さんは「今のやり取りを聞いていたが、黒田総裁は少し元気がないのではないか。私は71歳だが、元気いっぱいだ」と切り出すと、黒田さんも「私も71歳だか、オプティミスト(楽天主義者)だ」と語りました。
維新の党の落合貴之さんは「マイナス金利の銀行の利ザヤが下がっているので、地域金融機関の経営に影響があるのではないか」と問うと、麻生金融相は「メガバンクもそうだ」と付け加えました。
この辺の感覚というのは、与野党、財務省、金融庁、日銀とも一定の共有があるような感じでした。
委員長は質疑の終局を宣言しましたが、法案の趣旨説明はなく、「次回は公報でお知らせします」と語り、散会しました。
【同日 参議院】
本会議や委員会はありませんでした。
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