(このエントリーの初投稿日時は10日午前7時で、それから2016年2月9日付にバックデートしました)
[写真]総務省、2015年秋、筆者・宮崎信行撮影。
政府は、2016年2月9日(火)、「平成28年度税制改正法案」(190閣法21号)を提出しました。
法人事業税(府県税)の外形標準化をすすめるため、付加価値割を今年度の0・72%を、28年度は1・2%に増税し、資本割を0・3%から0・5%に引き上げます。逆に、所得割は6・0%から3・6%に減税します。
これにより、県庁の財政が安定します。ただ、7年前のリーマンショックでこしらえた企業の繰延税金資産がつきそうなところで所得割を減税することで企業有利の税制が続きます。また、私としては、総務省作成の資料で「法人税改革」と、国税(財務省所管)用語である「法人税」を使っていることが気になりました。法人関係税制には、国税として法人税、府県税として法人事業税、県および市税としての法人住民税(法人県民税、法人市民税)がありますが、これらの総称としての一般名詞として「法人税」と呼ぶのは違和感があります。
このほか、農地集約のため、固定資産税の強化と軽減を盛り込みました。遊休地は増税、農地バンク(県農地中間管理機構)に貸し出すと減税になります。このような複雑な税制を政策誘導に使うのは、私としては、総論反対です。昨年11月の関連エントリー(農地の固定資産税「耕作放棄地は増税」「農地バンクは減税」検討、平成28年度地方税改正法案)もご参照ください。
車体課税では、平成29年度から自動車取得税を廃止します。
企業版ふるさと納税が新設されます。私に言わせれば、「企業から自治体への寄付金を税額控除できる制度」であり、「税額控除」であり、「納税」ではありません。言葉をシンプルにすべし。
なお、これとは別に、「地方交付税法改正法案」(190閣法22号)も提出されました。総額を書き込むほか、特別交付金(特交)を現状維持します。これも、「交付税」とは「交付金」のことであって税ではありませんから、「地方交付金」に名称を変える透明性の確保が必要です。
シンプル・イズ・ベスト。
両案は、地方財政計画と3案一体で審議され、国税の改正法案とともに、年度内に成立する見通し。
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(C)宮崎信行 Nobuyuki Miyazaki
(http://miyazakinobuyuki.net/)
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