【元日経新聞記者】宮崎信行の国会傍聴記

政治ジャーナリスト宮崎信行、50代はドンドン書いていきます。

平成28年度税制改正法案、平成32年度までの特例公債法案採決近づき与党が質問放棄

2016年02月26日 18時43分39秒 | 第190回通常国会(2016年前半)

 平成28年度予算案、平成28年度税制改正法案、平成28年度から32年度までの特例公債法案はいよいよ来週採決を迎えます。与党・自民党・公明党国対は、その準備を前週金曜日に備えました。

【平成28年2016年2月26日(金)衆議院財務金融委員会】

 歳入法案は必ず参考人質疑をしなければなりません。午前9時開会とともに、あけて月曜日に参考人質疑をすることを全会一致で決めました。

 平成28年度から平成32年度までの特例公債法案(190閣法7号)と平成28年度税制改正法案(190閣法16号)の同時審議は5日目。

 民主党の前原誠司さんが租税特別措置についてトヨタ自動車の実名を出し、攻めました。おおさか維新の会の丸山穂高さんは引き続き、新聞への軽減税率導入について、食い下がり続けました。

 自民党の質疑は後回しになりましたが、自民党2期生の助田重義さん、中山展宏さんは、与えられた質問時間を残した段階で、質問時間を放棄し、委員会を早く終了させ、麻生大臣をG20に送り出しました。この手法は自民党国対はよくとるのですが、民主党政権時にはされませんでした。与党若手議員のあるべき姿だと思います。 

【同日 衆議院総務委員会】 

 平成28年度地方税法改正法案(190閣法21号)、地方交付税法改正法案(190閣法22号)の審議は2日目。

 二大政党国対委員長が「重要広範議案」指定にしているため、午後の部は、総理入り質疑となりました。この後の質疑では、公明党のベテラン議員が質問時間を5分残したところで、質問を放棄し、採決の環境をととのえました。

【同日 衆議院環境委員会】

 丸川珠代環境大臣は、昨年、COP21パリ協定条約について、報告と質疑を閉会中審査で受けています。

 きょうは、新委員長があいさつし、丸川大臣の所信表明がありました。COP21パリ協定条約のみならず、「G7環境大臣会合が5月15日、16日富山市で開かれる」と地球環境イヤーであることを強調しました。原子力防災については僅かに触れただけでした。

 この後、富越公害等調整委員会委員長が報告。同委員長の報告は、経済産業委と環境委の両方で行われています。そのまま散会しました。

【同日 衆議院内閣委員会】

 一般質疑がありました。参から法案が回ってきていますが、審議入りせず、散会しました。

 質疑の中で、自民党の平将明さんが「野党時代のシャドウキャビネットで行革大臣だった河野太郎さんが入閣した」としました。それから「民主党時代の行政事業レビューシートを書かせることを義務付けたのは良かった」と語りました。そして、平さんは前副大臣として「アウトカム(成果)を書かせるなかで、(予算書は歳出の上限を定めているだけなのに、)予算をちゃんと100%使ったかどうかを書かせる項目があり、『(与党時の民主党は)分かっていないな』と感じた面もある」として河野大臣に「質の改善が必要だ」とし、行政事業レビューシートを継続しながら、自民党政権が改良する必要があると指摘しました。

【同日 参議院】

 審議はありませんでした。

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(C)宮崎信行 Nobuyuki Miyazaki 
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民主党代表と維新の党代表「政権交代可能な政治を実現することは多くの国民の願い」【追記有】

2016年02月26日 18時25分44秒 | 政権交代ある二大政党政治の完成をめざして

[写真]新党確認文書をとりかわす、左から、今井雅人、松野頼久、岡田克也、枝野幸男各衆議院議員、2016年2月26日(金)、国会内常任委員長室、筆者・宮崎信行撮影。

 今週急転直下で動いた、民維新党。金曜日に調印にこぎつけました。

  「政権交代可能な政治を実現することは、多くの国民の共通の願いである」ーー

 このように書き込んだ、「確認事項文書」を、岡田克也さん、松野頼久さんらが、平成28年2016年2月26日(金)午後2時過ぎに署名し、取り交わしました。

 「民主党と維新の党は遅くとも3月中に新党結成をめざす」として、岡田さん、松野さん、枝野幸男さん、今井雅人さんの4名による「新党協議会」を設置しました。

 この下に、党名チームと、綱領・政策チームを設置。新党の名称は「新たな党名を客観的な手法による最終決定する」とし、議員・党員らの投票ではなく、世論調査方式で決める意向を岡田代表は、この後の記者会見で示唆しました。

 新党協議会でえられた結論は、五月雨式に、両党が党議決定することになりました。岡田さん、松野さんはここ数年、代表・幹事長として党内がまとまらない苦労を続けてきましたが、ここから先は、党の仲間を信じ切る覚悟ができたようです。

 代表は岡田克也さんが務め、7月の第24回参院選後に代表選を行うことにしていますが、参院選に勝てば、岡田代表・ネクスト首相が無投票で続投し、第48回衆院選(2018年12月までのいずれかに施行)で政権交代に挑戦します。

 確認事項文書には「理念・政策の一致を前提に、その他の政党・会派等に対し、幅広く結集を呼びかける」とありました。この後の記者会見で問われた岡田代表の発言によると、衆議院に限れば、今国会中は、民維2党までということになりそうです。

 とはいえ、民共維生社の5党幹事長・書記局長による、「5野党連携協議会」は、「車の両輪」(岡田代表)と位置づけ、国会対策や候補者調整で、連携を続けていくことになります。

 調印式後の記者団とのやりとりでは、最優先する政策について、松野代表が「行政改革」と語ったのに対して、岡田代表がすぐさま「共生社会」と発言するなどしましたが、岡田さんは「野合の何が悪い」と開き直り、政権交代可能な二大政党政治のために結集することが最優先である考えを示しました。

【追記 2016年2月27日】

 調印式後の記者団とのやりとりで、岡田さんは次のように語りました。

 本日を日本の政治の流れを変える歴史的な日にしたい。安倍政治に不安や不満を持つ人の受け皿になります。今回のこの新党を最後にして、必ず政権交代可能な新党になる。私にとりましても、25年の政治生活の集大成にしたい。そのためには、参院選に勝って、政権交代にチャレンジしたい。

【追記終わり】

 きょうは、2・26事件から80年。岡田内閣が倒れてから80年。


[画像]2・26事件を伝える、1936年2月27日付の朝日新聞号外。


 [写真]雪降る官邸、左側の首相公邸は、80年前は首相官邸だった=2014年2月14日、筆者・宮崎信行撮影。

 2・26事件の当日は雪でした。 上の写真は違う日の雪の官邸です。

 きょうの調印式直後、午後2時45分の国会。


[写真]国会議事堂、2016年2月26日午後2時45分、筆者・宮崎信行撮影。

 80年後の2・26は、乾いた高い青空が広がっていました。

 2・26事件の本質は、陸軍省の職員が起こした反乱を、首相(海軍省出身)、秘書官(大蔵省など出身)、警察官(警視庁)が収めきれず、陸軍省幹部(石原課長ら)が鎮圧したことによって、陸軍省主導政治がそれから9年間続いたことにあります。

 与党だろうと、野党だろうと、国民の代表である国会議員主導の政治が必要であり、政権交代可能な政党は2つないと、日本国の持続可能性は生まれません。

 青空の2・26ですが、よく見ると、中空に雨雲があります。

 潤いのある野党運営は、代表だけでなく、有権者にも求められています。

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民主党の岡田克也代表と維新の党の松野頼久代表、新党結成確認文書に調印

2016年02月26日 14時42分05秒 | 第190回通常国会(2016年前半)
民主党の岡田克也代表と維新の党の松野頼久代表は2016年2月26日(金)、遅くとも3月中に新党結成をめざすとした、7項目の確認文書に調印し、取り交わしました。
午後2時過ぎ、国会内常任委員長室で、枝野幸男、今井正人両幹事長が同席しました。 2党による新党協議会の検討チームの結論は、順次両党が党議決定。
2党の新党協議会と、民共維生社の5党幹事長連携協議会は、「車の両輪だ」と岡田代表は記者団の問いかけに答えました。
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