【平成28年2016年2月16日(火)衆議院本会議】
まず、議員辞職の件。自民党の宮崎謙介さん(京都3区)が「一身上の都合」で提出した辞職願が全会一致で認められました。
続いて、
「平成28年度税制改法案(所得税改正法案)」(190閣法16号)が審議入りしました。重要広範議案。
麻生財務相は「この法案は国税について所要の改正を一体で行うものです」と語り、(1)法人税率の引き下げと研究開発費の控除の見直し(2)消費税の軽減税率の新設(3)3世代住宅などの住宅貸付金の所得税の控除の新設(4)企業から自治体への寄付金の法人税控除の新設(5)国税のクレジットカードでの納付制度の新設ーーなどを法案に盛り込んだと趣旨説明しました。
私は(5)の国税のクレジットカード払いは知らなかったのですが、平成29年2017年からインターネット経由で納付手続きができるようになる、という意味合いのようです。詳しくは、平成29年以降、国税庁のウェブサイトでご確認ください。
ちょっと感動したのですが、参議院の議案のページに、法案全文が一つのウェブサイトに載っていました。参議院議案のページはこちらから。このページのおかげで、上記内容を検索したり、コピーアンドペーストができるようになりました。毎通常国会最大の恒久法案の民主的な議論に資することになりそうです。
質疑の中では、今次改正法案で、新聞に軽減税率(8%)が適用されながら、水・電気・ガスが通常の税率が適用されることについて、「EUではすべて軽減税率だ」として、新聞を特別扱いすることへの政府自民党の説得力が乏しいことが浮き彫りになりました。
【同日 衆議院財務金融委員会】
本会議で趣旨説明と代表質問があった「特例公債法案」と「税制改正法案」を同時に審議入りさせたい与党・自民党と、別々に審議すべしとする民主党の古川元久理事らが対立。午後3時設定。午後3時20分開会。民主・維新・無所属クラブの出席を要請することになり、休憩。
3時23分に再開。
「平成28年度から32年度までの特例公債法案(東日本大震災からの復興のための施策を実施するために必要な財源の確保に関する特別措置法及び財政運営に必要な財源の確保を図るための公債の発行の特例に関する法律の一部を改正する法律案)」(190閣法7号)と、
「平成28年度税制改正法案(所得税等改正法案)」(190閣法16号)
が麻生財務相から趣旨説明されました。
宮下一郎委員長は「次回は公報をもってお知らせします。本日はこれにて散会します」と宣言しました。手元の時計で午後3時28分。
もう少し、民主・維新・無所属クラブの出席を待つことはできなかったのでしょうか。
【同日 衆議院予算委員会】
平成28年度予算案の、合計9日目、一般的質疑3回目が午前中の3時間コースで行われました。質疑後、中央公聴会を24日(水)に開くことを全会一致で議決しました。
質疑では、民主党の大串博志さんが「充実した審議を求める」と念を押しました。URと甘利前大臣をめぐる口利き事件では、秘書が高級車を要求していたことなど、今後も広がりそうな展開になりました。
奥野総一郎さんは、前回同様、放送法4条の解釈について、新しい政府統一見解について、高市総務相をただしました。
長島昭久さんは、徴用について質疑。私は徴用というと日露戦争の「敵艦見ゆ」の信濃丸(三菱系日本郵船から帝国海軍が徴用)をイメージするのですが、太平洋戦争では6万人が徴用船で戦死したそうです。わが民族の世界史上の快事に心を捕らわれて、太平洋戦争の海の男たちのことを知りませんでした。中谷防衛大臣は、予備自衛官の充実で対応するので徴用はない、という趣旨の答弁を繰り返しました。
維新の党の柿沢未途さんは、一票の格差は「住所地による差別だ」とし、「これが男性と女性の票数が違うということだったら憲法第14条法の下の平等に反するのはあきらかだ」と主張しました。私もその通りだと思います。必要なのは定数削減でも選挙制度改革でもなく、定数是正を徹底した速やかな区割り変更です。
落合貴之さんは、会計検査院を念頭に置かないのは秘密保護法の「欠陥だ」と指摘し、岩城法相に問いましたが、岩城法相は今回も要領を得ない答弁を繰り返しました。
共産党の宮本徹さんは思いやり予算の増額についてただし、現在の中期防のスキームをはみ出していると指摘しました。
【同日 衆議院議院運営委員会】
理事会で、甘利明さんが向こう1カ月間、療養が必要だ、とする診断書が与党・自民党から提示されたそうです。
【同日 参議院】
審議はありませんでした。
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