ニュースサイト宮崎信行の国会傍聴記

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岡田克也さん、不仲の石破茂さん「健闘」と言及し、「その前提となる候補者調整・ 擁立作業は遅れています」と警鐘

2018年09月21日 18時12分00秒 | 岡田克也、旅の途中

[写真]岡田克也さん、2016年2月26日撮影、背景は当時党首をつとめていた政党のマークの一部。

 岡田克也さんは、きのうの自民党総裁選について、「自民党総裁選挙で、安倍さんが3選されました。結果は予想されていたとおりでしたが、党員票では55.3%対44.7%と、安倍さんが7割との強気の見通しもあったなかで、石破さんが健闘しました」

 と語り、安倍晋三首相に対するマッチレースで、石破茂・元自民党幹事長の党員票の45%は獲得したことは「健闘」だと評価しました。

 きょう、平成30年2018年9月21日の「岡田かつやトークアバウト」など各種SNS媒体で発信しました。

 石破さんは岡田さんの1期先輩、安倍さんは岡田さんの1期後輩になります。

 石破さんは、1993年にかけて、「政治改革を実現する若手議員の会」の座長をつとめており、武村正義さん鳩山由紀夫さん三原朝彦さんらの「ユートピアの会」と、岡田克也さん岩屋毅さんらの「比較政治制度研究会(CP研)」の両組織や、民間政治臨調、「シリウス」など、社公民の若手ら、「政治改革派」を束ねていました。その後、石破さんは新生党に途中から入党。当選2回の岡田克也さんは政務次官を拒み、連立各党の若手2議員ずつを選抜して「いしづえの会」を結成し、自ら事務局長に就任。さきがけの裏切りで、政権がピンチになった際には、岡田さんと石破さんが2人で首相官邸の総理室で、日付変更線を超えて話し合いました。その後、石破さんは突然自民党に帰りました。2011年の赤字特例公債3党合意を、岡田与党幹事長と石破野党政調会長の立場でまとめたことはありますが、おおむね不仲の二十年を過ごしながら、ともに、日本を代表する政治家となり、まもなく平成を終えます。

 新元号最初の来年7月の参院選に向けて、野党の調整への期待が増していますが、岡田さんは「自民党員の中にも安倍さんのやり方に不安と不満がある」と指摘しながらも「その前提となる候補者調整・擁立作業は遅れています。参議院選挙やその前にある国会審議で、野党が結束できないときの国民の失望は極めて大きいと思います。私も含め、野党各党の責任は重大です」としました。

 岡田さんは2年前の参院選での1人区32選挙区完全調整成功の実績を踏まえて、野党調整に前向きですが、2年前の「岡田克也・志位和夫コンビ」のように各県連や連合の妨害をはねのけながらも、選挙後にはしごを外されてしまいました。代表を務める「無所属の会」は参議院議員がおらず、来夏の参院選は、三重選挙区(1人区)重視の姿勢にとどまりそうです。

[かつやNEWS全文引用はじめ]

○自民党総裁選―党員票は石破さん健闘


自民党総裁選挙で、安倍さんが3選されました。結果は予想されていたと

おりでしたが、党員票では55.3%対44.7%と、安倍さんが7割と

の強気の見通しもあったなかで、石破さんが健闘しました。

 

国会議員票で81.8%の支持に対し、党員票は55.3%と、大きなギ

ャップが目立ちます。自民党員の中にも安倍さんのやり方に不安と不満が

あることが示されたとともに、自民党国会議員の意識と民意とのズレが明

確になりました。

 

当選後、安倍さんは、憲法の改正を声高に訴えていました。現職総理大臣

であるにもかかわらず、自民党員の44.7%が安倍さんを支持しないと

いうのが選挙結果で示された民意です。これを無視して、あくまで突っ走

るつもりでしょうか。自民党員以外の国民の間には、更に強い批判の声が

あることにも謙虚に向き合うべきです。

 

安倍政治の暴走にしっかりとブレーキをかけるために、来年の参議院選挙

がいよいよ重要になってきました。しかし、その前提となる候補者調整・

擁立作業は遅れています。参議院選挙やその前にある国会審議で、野党が

結束できないときの国民の失望は極めて大きいと思います。私も含め、野

党各党の責任は重大です。


[かつやNEWS全文引用おわり]


このエントリーの本文記事は以上です。

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枝野立憲「19議席増」大躍進の予想も、安倍自民続投は確実か、週刊現代の第25回参院選予測

2018年09月21日 05時48分48秒 | 第25回参院選(2019年7月)

[写真]安倍晋三自民党総裁(首相)と枝野幸男・立憲民主党代表、きょねん2017年秋に、宮崎信行が撮影。

 新元号元年の第25回参議院議員通常選挙は、立憲民主党が大躍進しそうです。

 現職2人が1議席を争う長野選挙区では、国民公認の羽田雄一郎元国土交通大臣が、吉田博美・参議院自民党幹事長(未公認)をかわすのではないか、との予想が載っています。

 週刊現代は、きょう発売した「2018年10月6日号」で、どこよりも早く、2019年7月開票の第25回参院選の予想を載せました。

 選出議員の任期は2019年7月から2025年7月まで。このうち、2019年7月から2022年7月までは参議院全体の定数は「245」となり、過半数は123に増えます。これは6増0減法が成立し、そのうち改選の3が増えるからです。

 週刊現代は、自民党の議席を、18議席減って、108議席と予測し、3年弱ぶりの過半数割れ。公明党の議席は2増の27議席となります。自公では135議席で過半数を12上回りますので、さらに自民側から見て悲観的シナリオとなっても、自公過半数は確保。

 参議院本会議の過半数で「安倍首相問責決議」ということにはなりそうもなく、安倍晋三内閣の続投は9割以上確実といえそうです。ところが、いわゆる「改憲3党」が補完勢力も含めて3分の2を割ることも逆に確実で、自民党としては、2019年6月までに改憲発議をしなければ、改憲もまた絶望的となります。改憲失敗で安倍さんの地位が流動化することもありそうです。

 立憲民主党は19議席増やして、42議席と予想し、参議院第2会派に躍進。国民民主党は6議席増やして30議席と予想。

 これにより、1998年以来の「自民党と新緑風会」の参議院二大政党体制は終焉すると思われます。

 予想通りならば、立憲の議席占有率は衆12%参16%になりますので、法案の審議未了廃案日程闘争が、2019年から次期衆院選にかけて、かなり期待できることになりそうです。

 共産党は比例で伸びずに1議席減の13議席、自由党は4を維持、社民党は1議席に半減、その他が4議席、無所属が3議席と予想しています。

 前原誠司さんによる取り返しのつかない失策で、大きく政党の構成は変わりましたが、来年の選挙で、参議院のいわゆる「交渉会派」などの構成は変化しない見通し。枝野代表が、本気で衆で政権交代をする気持ちがあるのかどうかが、新元号の政治をうらなうことになりそう。

 6増0減法により、自民党内で、4つの県連で、2人を2つの合区から当選させ、比例の特定枠で2人を上位当選させようともくろんでいますが、この、自民党内の立法事実は成功し、4県連とも参議院に代表を送れそうです。

 立憲は、比例で13議席を獲得すると予想。ただし、現状はまったく候補者が足りません。筆者が「2019年7月から2025年7月までの間に、枝野連立内閣へ政権交代する可能性があるが、参議院の比例の下の方で変な人が当選してしまい、与党で足を引っ張るのではないか」との懸念に、同党副幹事長(兼)県連会長は「統一地方選や参議院選挙区の候補者が見つからず、実は、その懸念は代表周辺で上がっているが、とてもそこまで考えられない」と答えています。

 比例では、国民民主党は4議席で変わらずとの予想で、3産別と1団体が当選するということでしょうが、変動も考えられます。

 選挙区では、例えば茨城選挙区(改選定数2)で、国民民主党の現職ではなく、立憲公認の新人(未擁立)が善戦するのではないかとの予測も出ています。1人区でも、青森、岩手、宮城、秋田、山形、福島、滋賀、三重、佐賀、大分、宮崎の11選挙区で、立憲民主党と国民民主党の統一新人が擁立されれば、自民党現職よりも優勢だ、という予想がされています。

 今回初めて、選挙区別の一覧表を見ても、非常に無風だという感じがします。とにもかくにも、立憲が候補者を擁立できるか、が最大のカギとなりそうです。

 

 上記が、週刊現代の議席予想。

 選挙区別一覧表も載っていますから、そちらは直接見てください。比例一覧表は今号の週刊現代には載っていません。

このエントリーの本文記事は以上です。

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