【元日経新聞記者】宮崎信行の国会傍聴記

政治ジャーナリスト宮崎信行、50代はドンドン書いていきます。

平成31年度当初予算案は組み替えて閣議決定、来週18日にも、2000万人に支給直しへ、毎勤(勤労統計)による雇用・労災保険給付金減額で【追記有】

2019年01月11日 08時29分44秒 | 第198回通常国会2019年1月、改元、参院選へ激闘

[写真]日比谷公園からみる、美しい厚生労働省、今月2019年1月2日、宮崎信行撮影。

 政府は「平成31年度当初予算案」について、来週にも、組み替えた新しい予算案を閣議決定することにしたようです。

 組み替えとは、撤回のうえ、編成替えをする、ことを言います。

 政府・自民党としては、不幸中の幸いとして、国会提出前でした。

 労働保険特会には、保険料を原資にした予備費が毎年総額1000億円以上認められていますが、それは使わずに、一般会計から労働保険特会へのしっかりと税金を財源とした一本道を紐づける、君子は本を務む、正道の修正をやるようです。
 
 厚労省は、「毎勤(毎月勤労統計)の2004年からの意図的組織的な不正」についての調査を、この後、きょう午前中の閣議後定例記者会見で発表するようです。

 雇用保険・労働災害保険の給付金は、2000万人に対して、数百億円以上少なかったようです。政府自ら計算しなおして、遡って、支給するようです。2000万人に数百億円となると、1人3000円程度になります。

 卑近な例ですが、私・宮崎信行は1997年4月から2005年9月まで労働保険料(雇用保険料・労働災害補償保険料)を払っており、その後、2005年10月から2006年8月までの10か月間雇用保険失業給付を受給していました。自宅内を探しても書類はまだ見つけてませんが、銀行振り込みですから、おそらく10か月間で総額170万ないし180万円受け取りました。まあ、それまでに納めた(天引きされた)保険料は相対的には高かったわけですが。なので、私も自分からは確認・申請しなくても、2000円前後の支給されるかもしれません。

【追記 同日13時】

 根本匠大臣は、正午前後から記者会見を開き、説明しました。

 厚生労働省は、雇用・労働災害・船員保険で追加給付となる2000万人のうち、1000万人以上は、「受給者からの連絡が必要だ」と発表しました。

 ●厚生労働省は「2000万人のうち1000万人は申し出が必要」「これからシステム改修」「システム改修後から受け付け」と発表。

 厚労省は「住所データがない受給者の方(推計延べ1,000万人以上)及び転居等で住所が不明となった受給者の方が多数おられます。こうした方々については、記者発表やホームページ等を通じて、追加給付の可能性がある給付の種類や受給時期等をお示しし、国民の皆様にお申し出いただくようご協力を呼びかけ、受給者の方からお申し出をいただき、受給実績やご本人であることの確認、追加給付額の計算を行った上で、追加給付を行うという流れを想定しています」としています。また「正確な給付のため、対象者の特定、追加給付額の計算のためのシステム改修や、旧システム時代のオフライン管理データを現行システムに戻す作業等に相当の期間が必要となります」とし、「お申し出の呼びかけや追加給付の開始はシステム対応後となる」としました。

【追記終わり】

 このように、第1次安倍政権の2007年に、「消えた年金」で夏の第21回参院選で安倍晋三首相は(名目は体調不良のため)退陣しました。2019年の、「消えた雇用・労災保険給付金」は第198回通常国会召集前の初期消火にどうやら成功しそうです。

 とはいえ、他の政府統計の信ぴょう性も疑われます。

 それと昨日は、私は初めての経験をしました。朝9時30分過ぎに、財務省に取材の電話を入れ、コールバックを約束されたのに、コールバックがありませんでした。先入観なく、財務省に限って、コールバックが無かったことは、過去の取材経験で無いことです。もちろん、電話した時点で、大臣官房文書課か、主計局か、どちらも答えにくい「予算を組み替えるって本当ですか?」という質問でした。私は、財務省2階への通行証がありませんので、廊下から様子をうかがうことはできませんでした。財務省の劣化(老化)というものについて、昨年時点では、本省主計局・国税庁以外には広がっていないとの認識でしたので、「やはり」というか「ついに」というか、財務省本省の各階にも巡り巡ってきている、と感じつつある一日でした。

 野党も今回は「消えた!消えた!」と騒ぐよりも、骨太な議論を期待したいです。選挙に絶対はありませんが、会期末後の第25回参院選は、制度上さすがに野党は議席は増えますから。

このエントリーの本文記事は以上です。

[お知らせはじめ]

宮崎信行の今後の政治日程(有料版)を発行しています。国会傍聴取材支援基金の創設とご協力のお願いをご一読ください。 

このブログは以下のウェブサイトを活用しエントリー(記事)を作成しています。

衆議院インターネット審議中継(衆議院TV) 参議院インターネット審議中継 国会会議録検索システム(国立国会図書館) 衆議院議案(衆議院事務局) 今国会情報(参議院事務局) 各省庁の国会提出法案(閣法、各府省庁リンク) 政党インターネット資料収集保存事業 「WARP」(国立国会図書館) 予算書・決算書データベース(財務省ウェブサイト) インターネット版官報

[お知らせおわり]

tags 

(C)2019年、宮崎信行 Miyazaki Nobuyuki 2019