【元日経新聞記者】宮崎信行の国会傍聴記

政治ジャーナリスト宮崎信行、50代はドンドン書いていきます。

政府、「武器ローン」「兵器リボ」とも報じられる「防衛調達の国庫財務負担行為の特別措置法の5年延長法案」提出、3月31日までに成立させてほしい日切れ指定で

2019年01月23日 23時51分26秒 | 第198回通常国会2019年1月、改元、参院選へ激闘

 政府は、第198回通常国会に「特定防衛調達に係る国庫債務負担行為により支出すべき年限に関する特別措置法の一部を改正する法律案」(198閣法 号)を提出します。

 きょう2019年1月23日の衆議院議院運営委員会理事会で、内閣官房の西村康稔副長官が明示しました。

 現行法(平成27年4月30日法律16号)の、附則第2条に「この法律は、平成三十一年三月三十一日限り、その効力を失う。」とありました。私も正直、見落としていました。この有効期限・サンセット規定を、5年間延長したい、法律の効力を5年間延長させたいとする「一部を改正する法律案」です。

 防衛省は、「予算と同じく3月31日(日)までに衆参で可決・成立させてほしい」ことを意味する「※こめじるし法案、日切れ法案」だとしています。

 但し、東京新聞など各紙が、「兵器リボ払い」「武器ローン」などと批判する記事を集中させており、第198回国会前哨戦で与野党が対決する公算があります。

 私・宮崎信行が書いている当ブログでは、2014年1月17日付記事などで、国庫債務負担行為による防衛調達について、圧倒的な迅速さ、正確さで書き続けてきました。他のジャーナリストの人から「驚愕した」とメールをもらい、会ったこともあります。

 長年「5年以内」だったものが、特措法で「10年以内」となっています。但し実際に10年になったケースはまだないと思いますが、今年度予算では、航空機修理費として310億円を6年間(今年度含む)払い続けることを約束しています。つまり、2022年度まで必ず一般会計予算に計上しないと、国が約束を破ったことになってしまいます。

 この5年ではなく、防衛大臣が財務大臣にかけあって、特別に6年以上で設定した国庫債務負担行為の根拠法が、4月以降も必要だ、とのことになります。ただし、3月31日までに法案が成立しなくて、影響額は0・1億円程度に過ぎないとは思います。

 分かりやすくするための「兵器リボ払い」「武器ローン」はいいのですが、国が利息を負担するわけではなく、むしろ節約になります。但し、昨秋の臨時国会では、トイレットペーパーのポケットマネーでの購入を強いられている駐屯地があるとの話が、予算委員会総理入り質疑で出るなど、装備にめぐる不満は増えているようです。

 衆議院安全保障委員会に付託された場合は、同委員会では珍しい「※法案」となります。また、参議院外交防衛委員会は、外交官の給与に関する法律案も審議することから、年度内成立に向けた「渋滞」が起こる可能性もあります。昨年末の「中期防衛力整備計画(中期防)」についても絡めた質疑が出そうです。

 私見ですが、私は安倍内閣の防衛政策を全く評価しませんが、この法案に関しては必ずしも目くじらを立てる必要は無いと考えますが、立体的な国会審議を期待したいところです。

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「ため池の管理及び保全に関する法律案」2月中旬国会へ、防災工事命令も

2019年01月23日 23時10分41秒 | 第198回通常国会2019年1月、改元、参院選へ激闘

[写真]日本で最初にため池をつくったとされる、空海(弘法大師)の像、都内で宮崎信行撮影、背景を一部修正。

 「農業用ため池の管理及び保全に関する法律案」(仮称)が来月2019年2月中旬に国会に提出されます。

 法案の内容は(1)防災上重要な農業用ため池を指定する(2)必要な防災工事の施行を命令することができるーー権限を知事に与える内容。提出の目的について、農林水産省は、(1)農業用水を確保する(2)農業用ため池の決壊による水害から国民の生命・財産を保護するーーためだとしています。

 ため池は、香川県で空海がつくったのが最初とされ、香川県など四国や、西日本などに集中している傾向があります。ため池の保全については、国民民主党の玉木雄一郎代表(衆・香川2区)、自民党の二階俊博幹事長(衆・和歌山3区)などが推し進めてきました。世論喚起のために、ため池決壊のことを、「内陸津波」とワーディングすることもありました。

 今回は、知事に、ため池回収の権限を与えることによって、私有地であることが多いため池への公費投入を正当化する考えもあるのかもしれません。法案成立後に、補助金や政策減税などの「あんこ」を入れていく法令改正作業がなされるかもしれません。

 第198回通常国会は来週召集されますが、農地バンクの推進など、私有地である農地・ため池などと、規模の拡大や農業生産法人の拡大など財産権に関する新しい考え方がさらに具体化していくことなりそうです。

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【士業の使命】「司法書士の使命」「土地家屋調査士の使命」を法律に明記、法案、国会に提出へ

2019年01月23日 22時47分42秒 | 第198回通常国会2019年1月、改元、参院選へ激闘

 「司法書士の使命」、「土地家屋調査士の使命」が、法律化されることになりました。

 「司法書士法」(昭和二十五年法律第百九十七号)は、その第1条と第2条で、目的と職責を定めています。

[司法書士法から抜粋引用はじめ]

(目的)
第一条 この法律は、司法書士の制度を定め、その業務の適正を図ることにより、登記、供託及び訴訟等に関する手続の適正かつ円滑な実施に資し、もつて国民の権利の保護に寄与することを目的とする。
(職責)
第二条 司法書士は、常に品位を保持し、業務に関する法令及び実務に精通して、公正かつ誠実にその業務を行わなければならない。

[司法書士法から抜粋引用おわり]

 ここに、「使命」を法律で書き込むことにして、政府が2019年3月中旬に法案を国会に提出することになりました。

 「土地家屋調査士法」(昭和二十五年法律第二百二十八号)は、次のようになっています。

[土地家屋調査士法から抜粋引用はじめ]

(目的)

第一条 この法律は、土地家屋調査士の制度を定め、その業務の適正を図ることにより、不動産の表示に関する登記手続の円滑な実施に資し、もつて不動産に係る国民の権利の明確化に寄与することを目的とする。
(職責)
第二条 土地家屋調査士(以下「調査士」という。)は、常に品位を保持し、業務に関する法令及び実務に精通して、公正かつ誠実にその業務を行わなければならない。

[土地家屋調査士法から抜粋引用おわり]

 ここにも「使命」が追加されます。

 また、懲戒権者を「法務局長」から「法務大臣」に格上げ。
 一人でも、「司法書士法人」「土地家屋調査士法人」を立ち上げることもできるようになります。

 この改正法案は、一本に束ねた一法案として、国会に提出されます。

 半生をかけて、資格試験を受けているのだから、束ねて改正することに違和感がありますが、改正法が成立すれば、今の法律に「溶け込む」ことになります。

 法案審議がずれ込んで、成立が夏以降に持ち越される可能性もあります。


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改正入管法で閉会中審査で実質的に通常国会が幕開け、衆議院法務委員会、見て見ぬふりをしてほしくない

2019年01月23日 22時05分40秒 | 第197回臨時国会2018年12月までの「定例日無視延長なしのひどい国会」」

 ことし初めての国会となりました。

 先の国会で、大島理森・衆議院議長が「補充的な質疑をすべきだ」とあっせんした、入管難民法・外国人技能実習生問題で、山下貴史法務大臣に対する閉会中審査質疑がありました。

【平成31年2019年1月23日(水)衆議院法務委員会】

 成立した法律の政省令がパブリックコメントにかかっているようです。私はてっきり大臣の政府報告があるのかと思いましたが、あくまでも一般質疑としての4時間コースでの質疑でした。

 それでも、自民党の赤澤亮正さんは、「一般質疑だが、外国人技能実習生をめぐる質疑だと理解している」とし、「我が国への外国人の入国に関する法事項は、マクリーン裁判などからして、我が国の国家主権の自由裁量だ」と問い、法相は認めました。赤澤さんは法相よりも先輩の石破派所属議員ですが閣僚経験はなく安倍晋三首相の自民党内「分断工作」にあった一人です。

 公明党の浜地雅一さんは、入管難民法以外に、「きょうの議院運営委員会理事会で、司法書士法の改正案が今国会に提出されることが報告された」とし、「私は実は弁護士になる1年前に司法書士をやっていた」と語りました。浜地さんは「党内での審査は厳しくやっていくのでよろしくお願いしたい」と語りました。これは、衆参とも自民党単独過半数なので、「党内」すなわち自民党と公明党のプロジェクトチームでの事前審査で頑張りたい、との意向を示したものといえます。国会が空洞化している証左ですが、夏まででしょう。

 なお、午後1時33分頃に山下大臣がトイレに立っていたようで、同45分からの野党の質問スタートの前にトイレに行こうということですが、緊張感もあって、開会33分でトイレに行ったのかもしれません。

 現地視察を繰り返している、立憲民主党の松田功さんは、「立憲民主党・無所属フォーラムの松田功です」と自己紹介し、「インフルエンザが流行っているので大臣も気を付けてほしい」とねぎらいました。省令である「基本方針」について、実習生から特定技能1号に移る条件について質問。既に新規にできることが法定化された「出入国在留管理庁」の出先機関の体制などについて質問しました。

 とにかく「ひどい国会」だったとしか言いようがない、昨年末の臨時国会でしたが、見て見ぬふりをしがちなテーマにスポットライトが当たったのは、あたたかく感じました。それでも日本はまだまだ余裕がありますから、持続可能な共生について、今年も議論していってほしいものです。

【衆議院議院運営委員会理事会 同日】

 西村康稔・内閣官房副長官から、「政府提出予定法律案件名・要旨調べ」について報告がありました。政府特別補佐人について話がありました。その後、政府4演説に対する代表質問の日程などについて議題にのりましたが、結論は出ず、次回の理事会に持ち越しました。

【参議院 同日】

 ありませんでした。

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司法取引的な「独占禁止法改正案」、公正取引委員会、1年前の自民党事前審査で潰されて以来、2019年通常国会提出にこぎつける

2019年01月23日 21時29分31秒 | 第198回通常国会2019年1月、改元、参院選へ激闘

[写真]公正取引委員会、今月2019年1月、宮崎信行撮影。

 談合を摘発し課徴金などを課す「経済警察」である公正取引委員会の根拠法である、「独占禁止法の改正案」(198閣法 号)が第198回通常国会に提出されることになりました。

 提出時期は3月上旬。

 同委員会は、昨年の通常国会に提出しようとした「独占禁止法改正案」について、大企業の支援が強いとされる、与党・自民党の政務調査会部会の事前審査で、唯一、提出そのものをつぶされました。3年前の研究会でまとめた、事件解明のために資料を提出した当事者の課徴金を安くしたり、検査妨害をした企業の罰金を引き上げるなど、「司法取引」を検査にもちこむという内容です。公取が昨年自民党に提示した原案とは、手直ししている部分があるかもしれません。

 現在の公取委の委員長は、財務省出身者ですが、GAFA(グーグル、アップル、フェイスブック、アマゾン)の国内規制などをめぐる議論で、法律を改正しないで対応する道をさぐるなどの苦労をしてきました。1年前に出せなかった法案の提出にこぎつけたのは、GAFA規制をめぐる条件の変化があるのかもしれません。国会審議では、提出された法案のみならず、GAFA規制なども議員から質問されることも予想されます。

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国民民主党総務会が自由党との統一会派・合併交渉を玉木雄一郎代表に一任、参議院での統一会派野党第1会派は確実な情勢

2019年01月23日 17時21分13秒 | 第198回通常国会2019年1月、改元、参院選へ激闘

   自由党との合併が提案された、国民民主党の総務会は、2時間以上紛糾。午後3時に始まりましたが、午後5時20分過ぎも継続。デジャブ現象のようです。この記事には、とくにオチも続報もありません。

【追記 同日午後10時】

●統一会派・政党合併とも代表一人、電力総連小林総務会長「野党の大きな塊大事だ」

 国民民主党はきょう平成31年1月23日(水)党本部で「第34回総務会」を開きました。3時間15分間にわたって、玉木雄一郎代表が提案した「自由党との合併」を話し合い、全会一致で「代表一任」となりました。玉木代表は、小林正夫総務会長(参比例3期)とともに記者ブリーフィング=写真・宮崎信行撮影=。衆議院会派、参議院会派とも、「現場で」来週月曜日第198回通常国会召集日よりも前の統一会派を結成するとしました。また、政党の合併については、すぐに小沢一郎・自由党代表と再会談し、細かいところを詰めることになりました。なお一部報道の「小沢一郎国民民主党幹事長論」については現段階では否定しました。



[写真]国民民主党の小林正夫総務会長と、玉木雄一郎代表、2019年1月23日、国民民主党本部内で宮崎信行撮影。

 原発ゼロを掲げる自由党と、電力総連・電機連合が応援する国民民主党が政策面で折り合わないのではないかとの観測を、きょう一日だけで、私はいろいろな人から聞きました。

 総務会長の立場で記者ブリーフィングにのぞんだ、電力総連組織内議員で最もベテランである3期生の、小林正夫さんは「エネルギー原子力政策については、各党いろいろな答えがある。代表がおっしゃったとおり、野党の大きなかたまりをつくることは大事だ。我々が(昨年)5月7日の結党大会で採択した基本政策をベースにして、他党との話し合いが進められると考えている」とし、懸念は示しつつも、代表の交渉に期待をにじませました。

【追記終わり】


【再追記 23時20分】

 国民民主党公式のYouTube動画が公開されました。

 8分6秒から10分6秒まで、「電力総連と自由党の原発ゼロ」について質問しています。相変わらずこもり声で聞きづらいですが、重要なやり取りだと思います。

国民民主党玉木雄一郎代表総務会後ブリーフィング 2019年1月23日

 また、この記事のタイトルを変更しました。

【再追記終わり】

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