[画像]今年度(平成30年度)の特別会計の予算参照書の紙の253ページ、PDF256ページ。
昨年12月28日以降報道されている、毎月勤労統計の不正な調査と、それによる労災・雇用保険料給付額の下押しについて、「税金泥棒」との批判が、SNSで日に数件以上でてきています。
「東京労働局」などの出先機関につとめる、労働基準監督署とハローワークの職員、それをまとめる本省の審議官と課長5人は、税金泥棒ではありません。
というと、擁護しているように聞こえるでしょうが、そういうわけでもありません。
例えば今年度(平成30年度)の当初予算の特別会計の予算書(予算参照書)を見てみましょう。
労働保険特別会計は、1年間の出入りでいえば、2・5兆円もの保険料が(国側から見れば)入ってきています。そのうち、失業給付で1・2兆円、労災給付で0・9兆円ほど(国側から見れば)出ていきます。
予算定員及び俸給額表では、本省では、「審議官」1人と課長5人ら。そして、労基署で2800人、ハローワークで5300人の職員の給与が出ています。
つまり、本省の審議官と課長5人、そして出先の8100人は、保険料から給料をもらっています。ですから「税金泥棒」ではなく「保険料泥棒」ですが、後者の言い方は聞いたことがありません。
2・5兆円の労働保険料ですが、実際には、年金保険料と合わせて徴収しています。なのでこの事務は、日本年金機構などがしていることになります。
ですから、労基署とハローワークの職員は仕事を迅速にすればするほど、自分たちの「財布」はどんどん減ることになります。
このような組織は、官民とも他にありません。国税庁の徴収、公正取引委員会の課徴金、特許庁の特許料などとは違います。
8000人を超える職員も、このことに気付いている人はいないでしょう。例えば「違反企業の実名を公表する」という手ぬるい発想も、ここから生じていますが、そのことには、本省の審議官も気づいていないでしょう。
働けば働くほど財布が減る、労働保険特別会計の見直しは急務。
だいたい給与総額も年300億円程度のようですので、一般会計の税金から8000人に給与が払われるしくみに替えることが第一歩でしょう。
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