ラグビーボールのように、どこに転がるか分からない展開となりそうです。
国会で初めて、「毎勤」が議題になりました。連日大量に報道されていますが、マスコミは「不適切統計」、野党は合同ヒアリングを「第1回~4回勤労統計問題ヒアリング」を、おととい「第5回賃金偽装問題ヒアリング」に改称で、やや先走り。野党筆頭理事は「消えた給付金」という言い方もしました。衆での質疑は4時間コースの予定が、4時間55分前後とさっそく「炎上」。ただし、その「炎上」が昨年来の報道を受けて年頭の大臣会見で調査を指示して、おとといまとまった、「特別監察委員会の最終報告書」の記述に関するものでした。「統計」に行くのか「給付金」に行くのか「アベノミクス偽装」に展開していくのか分かりませんが、当面炎上が続きます。
【衆議院厚生労働委員会 平成31年2019年1月24日(木)】
与野党国対委員長が年頭に合意した、「厚生労働関係の基本施策に関する件とくに毎月勤労統計調査について」の閉会中審査が4時間コースでありました。
まず、根本匠大臣が政府報告を5分弱やり、「誠に遺憾」「お詫びします」と語りました。
与党は厚労副大臣経験者ばかりで、与党ながら政府を激しく批判しました。橋本岳さんはお父さんの橋本龍太郎首相が親子2代にわたる厚生大臣経験者で首相として労働省と合併させた張本人ですが、それにはふれず、批判。公明党の桝屋敬悟さんは「副大臣を2回やった」として謝罪を交えて質問しました。
野党筆頭理事の西村ちなみさんは、「相談窓口に電話した人が数人いるが、後日該当者に郵送で知らせる、と答えているようで、意味がない」とし、「消えた給付金ともいえるのではないか」と指摘しました。
立憲民主党・無所属フォーラムの大串博志さんの質疑で、閉会中審査では異例の、45分前後と長時間の中断がありました。大串さんは「昨日問い合わせて決裁がないと情報提供されなかった」とし、特別監察委員会がヒアリングした人数が違うのではないかと指摘。厚労省の答弁では、委員がヒアリングした局長らと、大臣官房職員がヒアリングした課長らがあり、委員の指示で職員がヒアリングして報告書に追加した事例もあるとのこと。根本大臣が「39人」としたのに、官房長が「37人」と訂正しました。大臣は東大経済学部、官房長は東大法学部卒の労働省採用ですが、政策決定者に数学が強い人が少ない、という昔からの傾向が表れているようにも思います。今月設置した委員会のおとといの集計でこれだけ中断するのですから。今後、野党が事前に丁寧に調べたうえで、委員会当日に、大臣らが数字で混乱する展開がありそうです。
国民民主党の大西健介さんは「2018年9月12日付の西日本新聞が、22年5か月ぶりに高い伸びを示したとする政府の発表に疑義を示した」と発端を紹介し、認めるまでの経緯をただしました。山井和則さんは「消費税を10月に上げるときも、賃金が上がっているのか、下がっているのかで政策判断が違う」とし、アベノミクスをめぐる統計の違和感を今後も追及していくことをうかがわせました。
【参議院厚生労働委員会 同日】
閉会中審査「社会保障及び労働問題等に関する調査、とくに毎月勤労統計に関する件」。
参考人として、特別監察委員会の委員長の樋口美雄教授を呼ぼうとして与党が拒んだと、東徹さんが質疑の中で明らかにしました。
立憲の石橋通宏さん、国民の川合孝典さんらは、質疑の途中から答弁の再確認を求めるケースが増え、質問通告以外の問い合わせに、大臣、官僚らが混乱する姿が垣間見えました。午後6時2分頃に散会しました。
【参議院法務委員会 同日】
前日の衆・委員会に続き、閉会中審査がありました。
改正入管難民法を中心とした一般質疑。
きょう現在の会派順で、自民、公明、立憲、国民の順番で質疑し、統一会派「日本維新の会・希望の党」は2人質問しました。
昨年末のような対決色は薄らぎ、立憲の有田芳生さんが「ベトナム語の医療通訳のアプリがあるが、アプリでは不十分ではないか」と具体例にもとづく質疑が中心となりました。
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