【元日経新聞記者】宮崎信行の国会傍聴記

政治ジャーナリスト宮崎信行、50代はドンドン書いていきます。

岡田克也さん「小沢一郎さんなら1人区全部で野党候補の調整できるかも」「国民の間で安倍内閣への怒りは強く、野党がまとまれば風が吹く」

2019年01月29日 22時42分48秒 | 岡田克也、旅の途中

 岡田克也さんは、きょう、平成31年2019年1月29日(火)、BS11(ビーエスイレブン)の「インサイドアウト」に出演しました。

 10年前、岡田さんは政権交代が確実だった、2009年8月4日のこの番組で、「米国債は売らない」と断定し、新政権への市場の懸念を払しょくしました。


[写真]政権交代直前の、民主党の岡田克也幹事長、2009年8月4日、BS11インサイドアウト、宮崎信行撮影。


[写真]きょうの岡田克也・衆議院議員、2019年1月29日、BS11インサイドアウト、宮崎信行撮影。

 10年経って、コンタクトレンズをメガネに戻した以外は、あまり変わらないといった印象です。この番組は、10年前は毎日新聞の松田記者だったのですが、今は元よみうりテレビの岩田さん、ということで、我々政治記者界隈の地位はこの10年でやや下がったか、いろいろありましたからね。

 きのう安倍首相の施政方針演説について、岩田さんの問いに答えて、岡田さんは「平成の次の時代をきりひらく、と同じフレーズを繰り返した。それは良い。しかし、国民に対して責任を持てというよりも、リーダーとしてどうすべきかを語らなければならない」としました。バラマキを明言したことについては「参院選対策だ」と一刀両断。「国民に責任を持て、というのに冗談じゃない」と語調を荒げました。

 きょうの番組の特集は、「平成政治をどう総括?目指す政治改革は?」。

 岡田さんよりも10歳以上年上の戦中生まれ、小沢一郎さんが、国民民主党の玉木雄一郎さんと合流することで合意し、報道では「小沢一郎・国民民主党幹事長論」が浮上しています(玉木代表、平野博文同党幹事長らは否定)。

 岡田さんは、公の場の発言ではひさしぶりに「小沢さん」の名に言及。岡田さんは、半年後の参院選1人区について「小沢さんなら一人区で統一候補をつくれるかもしれませんね」と期待を示しました。ニュアンスとしては岩田さんの質問に対して、否定はしない、くらいのニュアンスです。岡田代表は3年前に野党完全統一を完成させてましたが、直後に、なぜか都知事選の不振で突き上げられ、都知事選投票日前に辞任してしまいました。なので、今回は、主導権をとるつもりはありません、当たり前ですね。

 岡田さんは「小沢先生にとっては、国民民主党の党本部の100億円、職員、県連スタッフがあると、自らの力を発揮させる力を持てる」との分析を示しました。司会の岩田さんや、同席した川上和久・元明治学院大学教授が、小沢さんの過去の経緯に触れたことについてはうなづきながらも、岡田さんは「野党が結束すればいい」と前向きな姿勢を隠しませんでした。

 7月21日投開票の参院選について「国民の間に、安倍政権のおごりへの怒りがあるのは間違いない」とし、野党が候補者調整できれば、「野党がまとまれば風が吹く」との認識を示しました。

 岡田さんは現在、政党を代表する立場にありませんので、志位委員長や連合への言及は一切ありませんでした。なお、最後の今日のニュースで「細野豪志さんが自民党二階派入りへ」については、岩田さんが景気のニュースを岡田さんにふったので、何もコメントはありませんでした。

 で、岡田さんは参院選で「立憲、国民、無所属の人を人物本位で応援に行くというフリーハンドを維持したい」と語りました。1時間近い番組ですので、「フリーハンド」というところにちょっと、岡田さん個人の本音が出てしまったかもしれません。

 BS11の話はこの辺で。
 


 昨年末異例のことがありました。衆議院第一議員会館内で、先の臨時国会中、岡田さんは、オンレコの定例記者懇談会、というものを開いていたのですが、そこで、上の「井村屋のえいようかん」というものが配布されました。岡田事務所がなんか配るのは異例ですが、このようかん5本入りの1箱は、帰宅して調べたら、アマゾンで税込で総額432円のものでした。岡田さんは名指しを避けながらも、民進党から希望の党への合流を持ち掛けたその当時の前原誠司代表を激しく批判しました。



 で、岡田さんがつくりぶち壊された、旧民進党のキャラクターが「ミンシン」くん=おととし2017年3月9日、党本部内で、宮崎信行撮影=。このミンシン君の角の部分と、井村屋のロゴが似ているとの指摘が出て、枝野幸男幹事長(当時)からの依頼で、三重県連の岡田克也代表(当時)が井村屋さんに電話して、了承を得ました。

 このミンシンに似た、井村屋のようかんには、「5年保存」ということで、非常食になるようです。岡田さんが平成の終わりに「5年保存」を記者に配った理由は分かりません。朝日新聞記者から「立憲民主党・無所属フォーラムになっても、この懇談会を続けてほしい」との依頼を受けた岡田さんは、枝野幸男代表との「ワンボイス」にしたいと、今年以降の開催を拒みました。 

 私・宮崎信行としては、面と向かって言えませんが、岡田先生も、応援演説に行ったら、陣中見舞いとして、こちらの井村屋さんの「えいようかん」100箱(500本)だといくらなんでも重いですから、同等の、陣中見舞い5万円くらいは持っていって、収支報告書に書くくらいのことはやったらどうだい、と思います。亡き仙谷由人さんから初出馬の前に30万円振り込んでもらった、という話を、葬儀告別式に前後してかなり聞きましたので。で、まあ、面と向かって言えと言われるかもしれませんが、そんなこと言えるわけないですね。私としては、今後、井村屋さんの「えいようかん5年保存」については、今後、自費でアマゾンで買って、まず亡父の仏壇に供えて、その後、非常用の防災食にしていきたいと思います。おいしかったですよ。

 最後にもう一度BS11の番組に戻って、岡田さんは衆議院での政権交代後の枝野幸男首相について、「当然ですね。第一党の党首なんですから」と断言しました。

 10年前のBS11インサイドアウトを全文引用して、この記事は終わります。

[2009年8月付の当ブログ内記事から全文引用はじめ]



◎岡田幹事長が「米国債は売らない」と断言

2009年08月05日 00時38分26秒 | 第45回衆院選(2009年8月)政権交代



 民主党幹事長の岡田克也さんは4日放送のBS11「インサイドアウト」に出演しました。このなかで、

 「米国債を売るという選択は当面ない」と断言。

 「ずっと持ち続けるという前提」だと話しました。

 「当面」と付け加えたのは政策判断の手足を縛られないためであって、事実上100%ないという意味合いにとっていい、と僕は思いました。

 米国債について、
 「含み損もある(から売れないという側面もある)が、」としながら、それも含めて、内外金利差による運用益も期待できるとの認識を示しました。

 外為特会(外貨準備高)はおよそ100兆円で、その8割以上が米国債とみられます

 財務省所管の外為特会(外国為替資金特別会計)と財投特会(財政投融資特別会計)は「毎年コンスタントに運用益が出ている」とし、“埋蔵金”として、子ども手当などの財源に活用する考えを示しました。財投特会は運用利殖金収入というのが4兆2500億円ありますが、僕は財投特会に関しては不勉強です。

 外為特会の運用益3兆3000億円は、ストックではなく、フローのお金ですから、毎年、必ず出てきます。外貨準備高を取り崩さなくても、毎年、毎年、3兆3000億円がドンドン出てきます(^_^)v

 平成21年度特別会計書の171ページ~173ページによると、財務省は今年度3兆3000億円近くの運用益(利子収入)を見込んでいます。外為特会すなわち外準の8割以上はドル建て米国債だとされています。

 ちなみに、この米国債のほとんどは市場で流通している30年物とは違い、アメリカ財務省と日本財務省間の帳簿上のやりとりだけで、証券は存在しないようなんです。自民党54年長期政権が伏魔殿に隠した、ベールに包まれた存在です。

 とはいえ、外準取り崩し、すなわち米国債大量売却は金融市場を混乱させます。また、日本とアメリカは同盟国でありながらも、対等な関係ではなく、米国が上、日本が下の立場であることも現実として認めるべきでしょう。

 外為特会の予算書を見ると、歳入(収入)が3兆4197億円ありながら、歳出(支出)は1兆6431億円しか計上されていません。

 実に人を馬鹿にした“帳簿”です。民間企業がこんな申告をしたら、同じ財務省敷地内にある国税庁が飛んできます。この外為特会の歳入と歳出の差額(1兆7000億円)はどこに消えているのでしょう? 仮に政権交代したら、民主党大臣が乗り込んで、金庫を開け、情報の把握につとめないといけません。

 ◇

 岡田さんは同番組で、全国10カ所で開いているマニフェスト説明会での意見について、「謙虚に耳を傾けて」、最終版マニフェスト(8月18日公示日以降に配布可能)に反映させる考えを示しました。が、マニフェストが大きく変化することはないとしました。

 ◇

 岡田さんは「官僚はけしからんが、族議員はもっとけしからん」、「大臣よりも族議員の方が影響力があり、中には元首相もいる」と述べ、脱官僚よりも族議員を退治する必要性も指摘しました。鳩山政権の政権構想の原則2「政府と与党を使い分ける二元体制から、内閣の下の政策決定に一元化へ」です。族議員の退治で、「官僚はホッとするんじゃないですか」としました。小沢一郎さんらがスローガンとして訴えている“霞が関解体”について、民主党幹部の一人として、霞が関操縦のバランスをとった発言でしょう。

 岡田さんは最近の例として、石破農相が減反選択制を主張しながら話が消えたのは、農林族議員のせいだと指摘しました。麻生首相が「幼保一元化」を唱えたのに頓挫したのも文教族の影響力があるとの認識を示しました。

 麻生首相は文教族議員ですが、文教族のドンは森喜朗元首相(石川2区)です。自民党政治は、首相よりえらい族議員が決めていると批判したのだと、僕は感じました。




[2009年8月付の当ブログ内記事から全文引用おわり]

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異例の参議院決算質疑から国会論戦スタート、統計で新しい話は無し、第198回通常国会

2019年01月29日 17時34分32秒 | 第198回通常国会2019年1月、改元、参院選へ激闘

[写真]参議院本会議場の速記者の出入り口、おととし、宮崎信行撮影。

 施政方針演説は、質問通告日として1日明けることが多いのですが、今年は異例のはこびで、参議院で、平成29年度決算の全般質疑2時間コースから始まりました。

【参議院本会議 平成31年2019年1月29日(火)】

 「平成29年度決算」が、麻生太郎財務大臣から説明されました。

 これに対する代表質問がありました。自民党では熊本で改選を迎える、馬場成志さん(岸田派)が、「厚労省の政務官を経験した者として遺憾だ」とし「全世代型社会保障への展開が大事だ」「熊本地震の復興が大事だ」としました。根本匠・厚労相は、きょうは、平謝りの姿勢を、各質問者に通しました。前参議院議院運営委員長である、山本順三防災相は地震の復興に関して話しました。

 広島で改選を迎える、森本真治さんは、日本が核兵器禁止条約に署名しなかった理由について問いました。厚労省の問題では「ギリシャ危機は統計の問題から始まった」と指摘。風間直樹さんは、新潟選挙区不出馬を表明していますが、風間さんは「統計の問題は、違法行為だ」と指摘。会計検査院OBOGの天下りについて、人事院総裁が7年ぶりに本会議壇上に上がりましたが、明快な答弁はありませんでした。

 その後の質疑で、厚労相は「地方自治体のヒアリングもする」「私が先頭に立ち、組織を挙げて信頼回復につとめる」などと答弁しました。

 きょう、なにか新しいことがでてきた、ということは無いと思います。こういうの、新部記者時代に「とくに何も無かった」と報告して有ったら、デスクから罵声を浴びていましたから、トラウマであまり言わないのですが、今は自由な立場ですから、統計問題で、新しい話は出てきませんでした。散会。

【参議院決算委員会 同日】

 石井みどり委員長(竹下派)は、今夏不出馬で、日本歯科医師会の凋落を感じます。しかし、麻生派がやむなく人数が減り、竹下派が再び自民党第二派閥に。田中角栄さんの流れを汲む、竹下派・二階派が合併すると、細田派を凌駕する最大派閥ですから、新元号のもと、新世紀で初めて竹下派の時代が来るかもしれません。

 「平成29年度決算」について、麻生財務大臣が説明。柳麻里・会計検査院長らが就任のあいさつをしました。検査報告で、柳院長は、エネルギー特別会計から独立行政法人JOGMEC機構への拠出金が毎年執行残が出ており、資源開発会社へのリスクマネー供給にあたり、JOGMECはよく見積もるべきだとする検査結果などを報告しました。散会。


【衆議院 同日】

 ありませんでした。

【議案課 前日】

 政府から提出された「第2次補正予算案関連の地方交付税総額特例法案」は議案番号が、「198閣法1号」となりました。法案の正式なタイトルは、総務省のホームページ、両院のホームページなどで、確認してください。

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1月28日(月)のつぶやき その2

2019年01月29日 01時50分52秒 | 第198回通常国会2019年1月、改元、参院選へ激闘

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2019年01月29日 01時50分51秒 | 第198回通常国会2019年1月、改元、参院選へ激闘