ニュースサイト宮崎信行の国会傍聴記

元日本経済新聞記者の政治ジャーナリスト宮崎信行が衆参両院と提出予定法案を網羅して書いています。業界内で圧倒的ナンバー1。

【今日の国会】衆・農水委では大串博志さんの修正案で野党足並みそろう、消費増税先送り観測がでる中、子ども子育て支援法改正案が参・内閣委で実質審議入り

2019年04月18日 15時24分18秒 | 第198回通常国会2019年1月、改元、参院選へ激闘

 一つ前のエントリーに書いた通り、首相側近から消費税先送り観測気球が上がりました。国会は残り63日間。参議院では消費増税とのバーターが明文化されている幼保無償化法案が委員会審議入り。野党第一党と第二党の賛否割れへの異論が出ていますが、衆議院農林水産委員会では、無所属フォーラム所属の大串博志さん提出の農地バンク法の修正案と政府原案で、立憲・国民・共産の足並みがしっかりそろいました。

【衆議院農林水産委員会 平成31年2019年4月18日(木)】

 「農地バンク法など改正案」(198閣法23号)。立憲民主党・無所属フォーラムの大串博志さんが筆頭発議者となっており修正案を近藤和也さん(国民、石川3区比例)が説明。立国共と、自公維の賛否がそろい、政府原案が賛成多数で可決すべきだと決まりました。今国会では文部科学委員会で、国民が単独で修正案を出し、国民しか賛成しなかったこともあり、先週のきょう、岡田克也さんが「なるべく賛否は合わせるべきだ」と国会内で記者団に発言しました。

 当選してしばらくすると付け上がる先生は9割がたですが、大串先生など岡田系は、仰ぎ見るところが政権交代なので、謙虚です。

 立憲の佐々木隆博さんは、規制改革会議が方針を出し、その後に農林水産省が呼び戻すような感じで法案を提出するプロセスを見直すよう求めました。 

【参議院内閣委員会 同日】

 先週金曜日の本会議で代表質問があった、今国会重要広範議案の「子ども子育て支援法改正案」(198閣法15号)。実質審議が始まりました。

 私はきょう初めてこの「改正法案」をていねいに読みましたが、必ずしも今次改正法案の中で「消費増税の見返りだぞ」というようなおどしの条文は入っていないです。今月中学校に進まれた親王殿下が6年前にご卒園なすったお茶の水女子大学付属幼稚園が明治9年にでき、女工哀史の繊維工場の企業内保育所が相次いでできて以来の、幼保の対立ですが、「2兆円の政策パッケージ」という経済対策を突破口として、利用しやすい仕組みがようやくできてきました。

【衆議院地方創生に関する特別委員会 同日】

 「第9次地方分権一括法案」(198閣法37号)が審議され、来週25日に次回の審議をすることになりました。細かい条文が中心ですが、立憲が修正案を用意しているようで、細かいのにご苦労なことだなと気がします。

【衆議院総務委員会 同日】

 「電波法改正案」(198閣法18号)が採決され、賛成多数で可決すべきだと決まりました。

 「電気通信事業法改正案」(198閣法35号)も別途、採決され、全会一致で可決すべきだと決まりました。

【参議院法務委員会 同日】

 「裁判所職員定員法改正案」(198閣法19号)が賛成多数で可決すべきだと決まりました。

【参議院農林水産委員会 同日】

 「ため池管理保全法案」(198閣法29号)が可決すべきだと決まりました。

【参議院国土交通委員会 同日】

 「アイヌ新法案」(198閣法24号)が可決すべきだと決まりました。

【参議院外交防衛委員会 同日】

 「防衛省設置法改正案」(198閣法14号)の質疑終局が宣言されました。

●参議院総務、財政金融、文教科学、厚生労働、経済産業、環境委員会はありませんでした。

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消費増税先送りの判断、7月1日発表(4日参院選公示)の日銀短観で決定を示唆、自民党メーンストリーム萩生田光一幹事長代行

2019年04月18日 12時50分21秒 | 第25回参院選(2019年7月)

[画像]「DHCテレビ」のインターネット番組「虎ノ門ニュース」通信画面をスクリーンショット。

 自民党幹事長代行で、安倍晋三さんのもと、総裁特別補佐・内閣官房副長官を歴任したメーンストリーム、萩生田光一さんが、7月1日(月)発表の日銀短観で、消費増税を先送りする公算を示唆しました。

 これは、さきほど、2019年4月18日(木)の保守系インターネットニュース番組「【DHC】2019/4/18(木) 有本香×萩生田光一×居島一平【虎ノ門ニュース】」で語ったものです。この番組の出演者は先週の桜を見る会で、安倍首相との気の置けない交流で話題になりました。

 萩生田さんは、ネットウヨからも、消費増税に懸念が出ているという趣旨の質問に答えて、

 「私、今党の幹部なので、本心を言えと言われても、困る。ただし、そこは我が党のバランスの良さで、(番組の前半で触れた)さきほどの6月の数字をよく見て、本当にこの先、危ないぞ、というところが見えてきたら、崖に向かってみんなをつれていくわけにはいかないので、違う展開はある」

 と語りました。

 7月1日(月)に短観、短期経済観測調査が発表されますが、7月4日(木)に参議院選挙が公示されます。参院選公示直前に消費増税が先送り発表される公算が高まりました。

 私は長年、短観を目を皿のようにして読んできましたが、直近の3月短観では、素材産業(鉄鋼だけ除く)、生産用機械の経営者の景況感が暴落しました。内閣府の統計用語ならば景気先行指標とされる数字が軒並み落ちており、先行きは確実に落ちます。もちろん、不動産セクターなど景気に遅れる指標は堅調であり、すぐに街の商店がだめになるという趣旨の不況ではありません。但し、中国関連の輸出の儲けが一気に減り、こういう会社は財務基盤が盤石ですが、そこと取引がある中堅企業に意外な展開が起こりうる地合いとなっています。

 2014年には、内閣府のGDPを見て、消費増税先送りという「新しい判断」(安倍首相)をしました。今回は日銀短観で、消費よりも生産に目を向けた格好で、「言い訳」をつくることになりそうです。

 会期末が6月19日なので、7月1日発表の数字に目を向けさせて、衆参同日選を避けようという観測もあるのかもしれません。

【DHC】2019/4/18(木) 有本香×萩生田光一×居島一平【虎ノ門ニュース】

 このエントリー記事の本文は以上です。

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