[写真]手前から首相官邸、内閣府、文部科学省、奥の右が会計検査院、先月、宮崎信行撮影。
安倍晋三首相は長期政権の飽きを払しょくするために「スタートする」と施政方針演説し、安住淳国対委員長率いる野党は午前9時に「IRカジノ整備法及び理念法を廃止する法律案」(201衆法 号)を提出しました。対決法案がないなか、方向感は定まりませんが、緊張感ある第201回通常国会の始まりです。
第201回通常国会の会期は、6月17日(水)までの150日間。
【衆議院・議案 きょう令和2年2020年1月20日(月)】
内閣は、「平成31年度第2次補正予算案」と「令和2年当初予算案」を提出しました。法律案は「平成31年度補正予算案のための地方交付税法改正法案」(201閣法1号)と「平成31年度剰余金の処理に関する財政法第6条第1項特例法案」(201閣法2号)が提出されました。
上述の通り、安住淳国対委員長率いる野党は「IRカジノ整備法及び理念法を廃止する法律案」(201衆法たぶん1号)を提出しました(法案全文のpdf)。
閣法とは内閣提出法案のことです。法律案のタイトルは、このブログの筆者・宮崎信行が名付けたもので、正式な名称でありません。これまでのこのやり方で、とくに異論や不都合はありませんので、今後もこのスタイルでやります。但し、国会中継で、委員長が採決時に読み上げるときに分かりやすいよう、正式名称の冒頭の数文字分はなるべく一致させるようにしています。
2013年参院選以降は、野党提出の衆議院議員立法(衆法、いわゆる対案)が成立する公算が極めて少なかったので、あまり書いてきませんでしたが、今国会は私個人の事情もあり、逆に、野党の法案は大きく取り扱おうと考えています。
●野党は対案「カジノ廃止法案」に意欲
「IRカジノ整備法と、IRカジノ実施法を廃止する法案」について付け加えますが、私、今回初めて知ったんですが、刑法185条の賭博罪の特例については昨年公布の実施法の第39条で「適用しない」と書いてあるだけなんですね。刑法にはその旨が書いてありません。マージャン賭博を現行犯逮捕した若いおまわりさんが意気盛ん過ぎると上司からたしなめられたことがあるという都市伝説はありますが、この条文を知らないおまわりさんが意気盛んだととんでもない目にあうことになります。刑法の特例をこんなに簡単に許さず、まずはカジノ法を廃止したほうがいいでしょう。
[写真]安住淳国会対策委員長、きょねん2019年、宮崎信行撮影。
【衆議院本会議 同日】
地方創生特別委員会の設置について採決され、賛成多数で設置されました。他の特別委員会は全会一致で設置されました。
この後、政府4演説。
●首相「人類は4年ごとに夢を見る」「きょうここからスタート」
安倍晋三首相の施政方針演説は、長期政権の自民党内外の飽きを意識したものでした。首相はまず2020年東京五輪から切り出しました。「日本はもう成長できないというあきらめの壁に7年前、3本の矢を放った」と政権当初の常套句を持ち出し、「あきらめの壁を完全に打ち破ることができた」と自画自賛しました。そのうえで「人類は4年ごとに夢を見る」との記録映画の言葉を抜粋し、「新しい時代の日本をつくるため、きょうここからみなさんとともにスタートを切ろうではありませんか」とスタートに力を込めました。
野党が設定した3点セットのうち「中東での自衛隊の情報収集」には言及しましたが、桜を見る会、カジノはふれませんでした。
●首相、施政方針演説で「私たち国会議員」の1人称で憲法改正を強調
憲法改正については「未来に向かって、どのような国をつくるのか案を示すのは私たち国会議員の責任だ」とし「私たち国会議員という1人称の構図」を打ち出しました。
[写真]安倍首相、3年前の2017年、宮崎信行撮影。
麻生太郎財務大臣の財政演説では、先月12月5日の閣議決定「安心と成長の未来を拓く総合経済対策」にもとづき、補正予算案と当初予算案を策定したとしました。
「次の次」をねらう茂木敏充さんの政府四演説登壇は3年連続で、ことしは外交演説。同じく西村康稔・経財相は着物姿で経済演説にのぞみ、景況に限らず就職氷河期対策など意気込みました。
【衆議院災害対策特別委員会 同日】
●故望月前委員長に黙とう、山本幸三新委員長
自民党の山本幸三元大臣が特別委員長に就任。亡くなった望月義夫前委員長に黙とうをささげました。
【衆議院各特別委員会 同日】
上述の災害特に加えて、全特別委員会が開かれ、委員長が決まりました。
【参議院本会議 同日】
「地方創生及び消費者問題特別委員会の設置」について議運で異論があり、本会議で採決し、賛成多数で設置することになりました。他の特別委員会は議長の提案通り全会一致で設置されました。衆参とも常任委員長は全員続投です。
【参議院特別委員会 同日】
全特別委員会が開かれ、委員長が決まりました。上述の「地方創生・消費者」は衆では2つの委員会ですが、参では1つ。特区の法案やジャパンライフの問題などが集中する局面があるかもしれないし、ないかもしれません。衆にある「原子力問題調査」は参では廃止されており、衆に8年前からある「科学技術・イノベーション」は参では設置されたことがありません。「政府開発援助ODA特別委員会」は参議院独自です。このため、衆院での9つに対し、参院の特別委は7つとスリム化されています。
【あす以降の予定】
21日(火)あすは衆参ともありません。十数年前は「質問通告日」という表現があったように思いますが、最近の霞が関・永田町はどうでしょう。
22日(水)23日(木)24日(金)に衆参両院の本会議で政府4演説に対する代表質問がありますので、前日から当然全省庁国会待機です。当然すぎる話です。
補正予算案の審議は27日(月)からか。今週金曜日に提案理由説明はあるかもしれません。今月中に、衆議院、参議院の両方で、本会議と予算委員会が中継されることになります。昨夏初当選の参議院1期生の登場はあるのでしょうか。
以上です。