[写真]左から安倍晋三首相(2019年7月)、枝野幸男代表(同年9月)、玉木雄一郎代表(同年10月)、背景は衆議院本会議場(2017年5月=パノラマ撮影のため両端が歪んで見えます)、すべて宮崎信行撮影。
「桜を見る会」をめぐって、内閣府官房人事課長が更迭され、歴代課長が処分されました。同府の官房長は財務省転出組も多いのですが、官房人事課長は旧経済企画庁、旧総務庁などの採用者が多いようです。なので、旧総理府系にとっては超主要ポストと思われますが、官僚がクビを切られたことで、政権への忠誠心が変わるかも。
安倍晋三首相はNHK国会中継で、「民主党政権で中止されたが名簿をは完成していた」とし「行政文書として管理簿に登録していなかった」ので、課長らを処分したとばっさり。
【衆議院本会議 令和2年2020年1月22日(水)】
第201回通常国会は3日目で、残り会期147日となります。
代表質問がありました。野党トップバッターの、枝野幸男・立憲民主党代表は「桜を見る会をめぐる隠蔽体質」を問題視し「高級ホテルでの前夜祭は安倍晋三後援会が主催した」とし、政治資金規正法に違反している疑いがあると切り出しました。続いて、「秋元司・前IR担当副大臣が逮捕された」ことを取り上げ、自民党議員とIRカジノの癒着をあぶりだしました。枝野さんは、質問以外にも「会派、友党、有権者のみなさんとの政権ビジョン」を演説。「アベノミクスは国内でお金が回らない」とし、「内需を中心に確実に成長する経済」を提案しました。私見ですが、私はまったく立場を異にしています。内需拡大は、消費税収がほしい財務省の深層心理であり、我が国に必要なのは供給サプライサイドから引き上げプルする製造業主導の経済だと考えます。
ここで、首相の答弁を先に書くと、首相は反社会的勢力については時勢によって定義が変わるという不誠実な答弁。上述の通り、「民主党政権の桜を見る会では中止されたのに名簿は完成していた。平成23年度(2011年度)から行政文書として管理簿に登録されていなかった」ために、歴代の内閣府官房人事課長を処分したと押し付けました。
枝野さんの質問演説に戻ります。枝野さんは生殖補助医療への保険適用を求めました。自衛隊の中東派遣の根拠を問いました。その後、先の臨時国会で、大学入学試験への英語民間試験の導入と記述式拡大と民間採点委託を先送りに追い込んだことについて、「多くの高校生が大学入試制度をめぐって動けば変わることを実感した」とアピールしました。これは私も、希望の光に感じました。枝野さんは、やや久しぶりに「右でもない左でもない前へ。あなたの力が必要です」の結党の言葉を述べて、質問を結びました。中東派遣について首相は、防衛省設置法の調査研究のためであり、必要ならば同法の海上警備行動も発令するので、特措法は要らないと明言しました。
次に、自民党の二階俊博幹事長が登壇。国土強靭化を強調しました。答弁には、首相のほか、二階派の武田良太防災相、同じく二階派の衛藤晟一国務相が立ちました。
国民民主党の玉木雄一郎代表。「まず聞かなければならないのは、昨年末IRカジノ施設にからんで、自民党国会議員が逮捕されたことだ」と語り「IRの凍結とIR基本方針の月内策定を見送るよう」迫りました。きのうのブログで「基本方針」が先送りになったと伝えましたが、確定はしていないようです。玉木さんは、75歳以上高齢者(後期高齢者)の窓口負担を余裕のある人だけ1割から2割に引き上げる構想について「理解できる」としつつ、「具体的な所得区分を教えてほしい」としました。これについて首相は「昨年末まとめた全世代型社会保障国民会議の中間報告」の中に、2割負担の構想が入っているとしながらも「今後、その方向性をもとに具体的に検討する」として言及は避けました。この政策課題は今国会での法案提出は見送られ政治日程としても6月から秋に先送りになります。
玉木さんは、性犯罪について、実父が実娘に対する性暴力の疑いに関して実娘が抵抗していないからという理由で無罪になった判例を念頭に置きつつ「法律に不備がある」と話しました。首相は、強制性交罪を新設した平成29年改正刑法の附則の施行後3年後見直し規定に基づき、行政が調査をしており「適切に対処する」と明言しました。改正の中身には言及しませんでした。玉木さんが最近主張しだした、20代に所得税を課税しない「若者免税」について首相は取り合いませんでした。
自民党3回生で、福田赳夫、福田康夫両元首相の後継者である福田達夫さんが発声で動議を出して、残りの質疑は、あす23日(木)午後2時から行うことになりました。
【参議院 同日】
とくにありません。
【衆議院議院運営委員会 同日】
開かれました。
【あすの予定】
上述の内容と合わせて、午前10時から参議院本会議、午後2時から衆議院本会議で代表質問が行われます。
[写真]上から安倍晋三首相(2019年7月)、枝野幸男代表(同年9月)、玉木雄一郎代表(同年10月)、背景は衆議院本会議場(2017年5月=パノラマ撮影のため両端が歪んで見えます)、すべて宮崎信行撮影。
きょうは以上です。