【元日経新聞記者】宮崎信行の国会傍聴記

政治ジャーナリスト宮崎信行、50代はドンドン書いていきます。

羽田次郎さん、改革の時計は止まらない、尊敬県「信州」の力とともに

2021年04月08日 20時45分52秒 | 素晴らしき新生党保存会
 「改革の時計はあの日のままで止まったままだ」ーー羽田孜元首相の日経新聞の宮本明彦記者が書いた評伝に、羽田綏子さん、羽田次郎さん親子は涙しました。しかし、私に言わせれば、政権交代の機運は続いており、時計の針は動き続けています。

 政治道楽29年。一向に身を滅ぼさない47歳の私は、信州・上田に行きました。時は移ろい、羽田姓で最も仲の良い人は、羽田次郎さん。

 今回初めてネット通販で「為書」をつくったのですが、一部で「長野市」が選挙事務所だとする情報もありましたが、上田市の選挙事務所まで持参しました。

 千曲会の若林会長の演説で「孜さんの普通の言葉が伝わる政治」というフレーズがあり、およそ20年ぶりに「普通の言葉が伝わる政治」という言葉を鮮明に思い出しました。あまり政権交代、政権交代、二大政党、二大政党というと反発をえます。とくに「二大政党」という言葉は2009年も実際に幹部議員は誰も使っていなかったのですが、二大勢力と言うべきでしょう。





 竹下派の落ち武者のようでありながらも、軸がしっかりしているから、「羽田次郎さんとともに」というお手製のプラカードをかかげる市民。

 で、実は次郎さんにはそのことを話していないのですが、先月、篠原長野県連代表の会館事務所を訪れたら、篠原さんから宮崎さんの人物感で、次郎さんのことを教えてと言われました。私は「次郎さんは、羽田内閣当時、アメリカ留学中で、短波ラジオをかき分けて聞こえた日本語のラジオ放送で、羽田内閣が倒れるかもしれないと聞いて、あわてて電話。お母さんの綏子さんに、日本に帰ろうと思うと伝えたら、お父さん兼総理大臣の孜さんから、お前が帰ってきても何にもならないから勉強を続けなさいと言われた。そのため、羽田家で唯一首相公邸に入った経験がなく、いずれ第二次羽田孜内閣や、羽田雄一郎内閣が出来たら入りたかったけど、取り壊されてしまった。それでも、枝野内閣など政権交代したら新公邸に入れるかもしれない。そういう当たり前のことを当たり前に言える人だ」と話しました。篠原さんも世襲などの批判があるけれども、「例えば岸信介は東大卒だけど血が通わない。安倍晋三は三代目で、エレベーターで成蹊大学出だけど、血が通っているから、政権は長くなった」とし、次郎さんにはそういう要素がある、といかにも信州人らしい筋の通った話を、次郎さんとの期間としては短い同盟関係の中から感じた、という風に聞きました。

 長野県連会館詰め政策秘書(他県出身)からPCR検査を首からぶら下げた方がいいかもしれないとのことでしたが、私の地元の日経新聞専売店ながら朝日・毎日・東京・日本農業新聞も販売するやり手社長がサイドビジネスで、PCR検査を始めたので、受けたら、陰性(診断がないため表現は低リスク)のお墨付き。今朝の体温は36・5度ということでゴー。コロナの緊急事態宣言はあけましたが、日本の民主主義が緊急事態ですから。

 選挙中なのに、やや内輪っぽく感じたらおわびしますが、500人の聴衆の中でも「宮崎さんどうも」と言ってもらい、この辺が、総理大臣の息子である三代目政治家だと言えるのではないでしょうか。



 同じことを何度も書いていますが、選挙道楽29年で、最近は非世襲候補の当選恐怖症のようなものになっており、あっという間に顔が上向いて、さらにその親まで上向いてしまってうんざりしています。2012年のときは、殿様の意向を私が次郎さんを通じて連絡することで、結果的に、私は恥をかき、羽田さんにも申し訳ないことをしてしまったという思いは、多少は無きにしも非ず。

 客観的に見ても、長野県人・信州人は、東京・日本で尊敬されています。雄一郎さんが参議院改革協議会でまとめた「18歳有権者」は、民法、少年法まで広がりつつありますが、長野県立高校3年生に言いたいのは、長野県は尊敬県だと。別に来春東京に出たければ出ればいいでしょう。東京ならお金さえあれば羽田からハワイまで空を飛べます。但し、東京はお金がないと米の一粒も手に入らないおそろしい掛け算の世界ですから、捨て台詞を吐いて長野を去らない方がいい。

 同じことを同じように言い続ける。こんな簡単なことが、世間では難しいことのようです。次郎さんも私も、立派な親を持てましたから、これからも政権交代ある政治を実現することが何より大事です。


[写真]生まれて初めて為書を作ったので、真田さんの像の前でポーズ、ちょっとこわいかな。


[写真]上田の選挙事務所に為書きをお届けしてダルマの前でセルフィー、やはり「選挙道楽29年」でちょっと目がいっちゃっているかも。


[写真]選挙事務所前で。

[写真]どこでとっても、写真の奥には山。これが長野県。

 以上です。

国政統一補選、長野県は自民と立憲が「上田対決」で自民幹部「反省」口々に警戒、立憲後援会「コロナで給付を」優勢

2021年04月08日 18時58分26秒 | 国政統一補欠選挙
[写真]きょう令和3年2021年4月8日(木)に、JR北陸新幹線「上田駅」前で演説する、自民党公認の小松裕候補(左=午前11時台)と立憲民主党の羽田次郎候補(右=午後1時台)、ともに宮崎信行撮影。

 コロナ禍で政権与党への批判が高まるなか、2021年春の国政統一補欠・再選挙の火ぶたが切られました。

 公職選挙法で運動期間が17日間(以下)の参議院では長野県区と広島県区。12日間(以下)の衆議院では北海道2区で25日(日)投開票。野党は3勝をめざし、勢いをつけたいかまえ。

 このうち、長野県区では、自民党の元衆議院議員 小松裕さん(59)、立憲民主党の会社社長、 羽田次郎さん(51)、N党の職員神谷幸太郎さん(44)。

 有力2陣営はともに、長野市内で祈願や第一声を上げました。その後、羽田孜元首相の地元、JR北陸新幹線「上田」駅前で、街頭演説をしました。

 小松裕さんは元衆院議員(1区選出)の経験を踏まえ「もっともっとみなさんから信頼される自民党をつくりたい。自民党での中でもおかしいことはおかしいと言っていきたい」と演説しました。

 小松候補に先立ち応援演説した自民党衆院議員(3区選出)の井出庸生さんは「みなさんには政治への思いや不満があると思うが、小松さんはなんでもいえる」と語りました。後藤茂之・県連会長(4区選出)は「みなさんには政治への心配があるだろうが、しっかり取り戻す」とし、ともに、菅政権への不満があることを前提にした演説をしました。

 党本部からの応援は、佐藤勉総務会長(栃木)と小渕優子選挙対策委員長代行(群馬)。このうち、佐藤さんは「ここに来るまでの1時間、クルマで回ったが、みなさんインフラが遅れていませんか」と語り、野党・立憲の羽田系の力が強かったことを、暗に揶揄。一方、小渕さんは「私はこの長野県のお隣の群馬県選出の国会議員であります。私の地元の皆さん方は、やれ病院だ、やれ買い物だ、いつも長野に足を運ばせていただいています。長野県のみなさんもそうじゃないですか。温泉に入る時、いろんなとき、群馬に足を運んでいただいています」と述べました。小渕さんの話ならば、長野が病院・買い物先で、群馬が温泉だから長野の方がインフラがいいように思えます。佐藤さんが1時間クルマに乗っただけとして根拠が薄弱なインフラ不足から「国土強靭化」を新幹線駅前で訴えて、どこまで通じるか。

 公明党長野県本部副代表は「後ろの方にいる」と語りました。司会の地元若手自民県議は「この地は総理大臣を生み出す政治ムーブメントを起こしましたが、そろそろ保守の誠意を示していきたい」と語り、1993年総選挙以降の「羽田ブーム」が続いていることを惹起しました。

 その1時間強後に、羽田次郎さんの演説会となりました。「スタッフの高松さとし」さんという方が司会。羽田後援会「千曲会」の若林会長は「羽田孜さが農林水産大臣になったのは50歳。羽田雄一郎さんが国土交通大臣になったのはそれより7歳も若い43歳。孜さんのおっしゃった政権交代ある政治に手が届くところで、雄一郎さんが亡くなった。しかし、孜さんと雄一郎さんのDNAを持った次郎さんがいる。世襲批判もあり、私たちもすぐにまとまったわけではないが、フランスの高校に通ったり、アメリカの大学を中退したりして、若いころから海外経験を持ち、お父さんの秘書もした。さて、きょうは妻から余計な話は言うなと言われており、後で焼きを入れられるかもしれないが、自民党長期独裁政権は好き勝手やっている。蕎麦じゃないけど、森加計問題、園遊会(=桜を見る会)問題と来て、コロナ渦では国会答弁で菅さんはこの国には最後は生活保護がある、と言った。まさに冷徹な一言でこの政権を続けることは国民主権政治を壊すことになる」と語りました。

 この後、立憲の杉尾秀哉参議院議員、福山哲郎幹事長が演説。この後、羽田雄一郎さんの妻・七恵さんと3人のお子さんのうち長女が登壇し、任期を全うできなかったことを詫びると、温かい声が飛びました。次に寺島義幸・元衆議院議員が「この3区では大きな大きな票を送り出してほしい」とし衆議院の小選挙区全5区のうち、千曲会おひざ元の3区での支援を懇願。次に、信州市民アクション東信事務局の田中さんが登壇。そして、共産党のたかむらきょうこ県議。社民党県連合幹事長である、いそがいゆうた上田市議がスピーチ。

 羽田次郎候補がマイクを握りまいた。羽田さんは「2年前の兄の選挙のときよりも上田駅前にこれだけもっと多くのみなさんが集まっていただきおどろいた。次郎だとちょっと頼りないから集まってくださったのかな」と笑いを誘いました。告示前に広い長野県全域を回った感想だとして、「スモール・ボイス・ファースト。コロナ禍で食べていくために仕事に出なければならない人が多い。陽性が出たら隠さずに体を休めて、治療を受けて、社会に戻る。給付金を出したり、白い目で見られることなく社会に復帰できるようにしたい」と運動の象徴である「シトラス・リボン」を身に着けていることをアピールしました。

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 国民民主党はきのう、羽田次郎さんへの推薦を確認しました。


[写真]羽田次郎選挙事務所に張られた、国民民主党の推薦証、きょう2021年4月8日午後2時過ぎ、長野県上田市で宮崎信行撮影。

 長野県区の情勢について、自民県連の後藤会長は「告示前にリードしていた相手はジリジリと下がっており小松が上がって、このままいくと投票日にはクロスするかもしれない」と演説しました。


[写真]自民党の井出庸生衆院議員、長野・上田で、2021年4月8日、宮崎信行撮影。
[写真]自民党の後藤茂之衆院議員、同。

[写真]自民党の佐藤勉総務会長、同。
[写真]自民党の小渕優子選対委員長代行、同。

[写真]聴衆には、自民党本部幹事長代理兼参議院自民党幹事長代理で参議院竹下派の、石井準一さんの姿も、同。

 ◇


[写真]羽田次郎さんの応援のプラカードを掲げる市民、長野・上田で、2021年4月8日、宮崎信行撮影。


[写真]千曲会の若林会長、同。

[写真]杉尾秀哉参院議員、同。


[写真]福山幹事長、同。


[写真]寺島義幸元衆院議員、同。


[写真]信州市民アクション東信事務局のたなかさん、同。


[写真]共産党のたかむらきょうこ長野県議、同。


[写真]社民党長野県連合幹事長のいそがいゆうた上田市議、同。


[写真]演説する羽田次郎候補、同。

 現職の帰天欠員に伴う長野県区の補欠と、現職の公選法による失格にともなう広島県区の再選挙。公選法は参院選は広いので17日間(以下)としています。12日間の衆院選では、不祥事が報じられた現職の病気を理由として辞職に伴う北海道2区補欠選挙が来週告示されます。

 4月25日(日)に投開票され、大勢は午後8時にも判明。与党は2勝1敗か1勝以下とみられ、2017年都議選以来の、国政全般の政権運営への影響が予想される選挙となりそうです。

 広島県区には、事前の報道では、自民党の元経済産業省課長補佐、西田英範さん(39)、無所属のフリーアナウンサー 宮口治子さん(45)、N党の職員、山本貴平さん(46)、無所属の元会社員、大山宏さん(72)、無所属の介護職員の佐藤周一さん(45)、無所属で医療法人理事長の玉田憲勲さん(63)。広島県区の無所属の宮口さんは野党調整候補で、きょうは野党の有名女性参議院議員が顔をそろえ、前夜は立憲民主党選対委員長がかけつけました。

 以上です。

「後期高齢者2割」のほか「ツイッターなどの発信者情報開示と名誉毀損を1回の裁判でできる法案」「相続土地登記義務化国庫返納の民法改正案」などが審議され今国会成立は確実で、関係者は要チェックです

2021年04月08日 17時58分18秒 | 第204通常国会令和3年2021年
 後期高齢者の窓口負担2割引き上げの法案。きょねんの年金の法案は驚くほど世論の話題になりませんでした。今回の法案も野党の煽りは限定的かも。

 春の統一補欠選挙は、公職選挙法で運動が17日間(以下)と規定されている、参議院選挙の長野県補欠と広島再選挙が告示。12日間(以下の)と規定されている、北海道2区補欠とあわせて、4月25日(日)に投開票。政権与党が1勝2敗以下の情勢とみられ、4月26日(月)から28日(水)までの国会運営中の世論が流動化するおそれもありそうです。

【衆議院本会議 令和3年2021年4月8日(木)】

 「健康保険法など改正案」(204閣法21号)が今国会3本目の重要広範議案として田村厚生労働大臣の趣旨説明と菅義偉首相らの答弁がありました。前日に提出された「立憲民主党対案」(204衆法11号)とともに審議されました。

 前夜にこの法案の対象者と包括的な支援が必要な分野を管掌する老健局老人保健課長(更迭、医系技官)が主催した23人の会合参加者でコロナ感染者がいるのではないか、と報じられました。

 「文化財保護法改正案」(204閣法20号)は全会一致で可決し、参議院へ。

 「農業法人に対する投資の円滑化に関する特別措置法改正案」(204閣法40号)は共のみ反対で可決し、参へ。

 「特定都市河川浸水被害対策基本法など改正案」(204閣法18号)は全会一致で可決し、参へ。

 「医療法など改正案」(204閣法17号)は立共反対、自公維賛成で可決。地域医療構想による病床削減プログラムを進めて医師の過労死を防止するなどの包括規定。野党は「病床切り捨て法案」と批判し「対案」(204衆法1号)や閣法修正案を提出も及ばす。

 会議では越智通雄さんへの弔詞朗読がありました。

●発信者情報開示請求と名誉棄損損害賠償を一つの裁判で可能法案可決

【衆議院総務委員会 同日】

 「プロバイダ有限責任法改正案」(204閣法38号)が3時間コースの審議だけで終局。採決。この法案が可決・成立すると、ツイッターなどSNSでの誹謗中傷に対して、匿名アカウントの発信者情報開示と名誉毀損による損害賠償を1つの裁判ですることも可能となります。SNSの誹謗中傷を傍観してみると、全くの匿名アカウントに反応している名のあるインフルエンサーがいます。しかし、訴訟を起こす場合は、相手被告の住所が必要ですから、最初の反応の段階から、顕名アカウントなど住所を把握できそうなアカウントに反応した方が有効ですが、それを知らないインフルエンサーが過半のようです。いずれにせよ、改正法案の委員会可決は、一歩前進だと考えます。

【衆議院災害対策特別委員会 同日】

 小此木防災担当大臣から「災害対策基本法など改正案」(204閣法50号)が趣旨説明されました。各新聞のおそらく社会部が事前に熱心に報じていた法案が初めて審議入り。

【衆議院内閣委員会 同日】

 「子ども子育て支援法改正案」(204閣法14号)の参考人質疑。

【衆議院原子力問題調査特別委員会 同日】

 手続き。

●衆議院憲法審査会は定例日木曜日。幹事懇談会が前日セット。

●衆議院経済産業、決算行政委員会の理事懇談会がありました。議院運営委員会も開かれました。

【参議院第1種常任委員会 同日】

 週2回の定例日。

【参議院内閣委員会 同日】

 小此木国家公安委員長のもと「ストーカー行為規制法改正案」(204閣法41号参先議)の審議で終局へ。SNSを勝手につける行為を県警が検挙できますが、一部で県警が捜査対象者に勝手にSNSをつける行為は違法だと判例が確定していますが、その立法事実の刑訴法などの法案化がなされていないとの指摘があり、私もその通りだと思います。

【参議院法務委員会 同日】

 一般質疑。続いて、「民法改正案」(204閣法55号)「相続土地国庫返納法案」(204閣法56号)が趣旨説明へ。司法書士・税理士は今の段階から勉強を始めた方がいいですよ。

【参議院厚生労働委員会 同日】

「育児・介護休業法改正案」(204閣法42号参先議)が5時間コース。本会議と調整しながらの審議。次回も。

【参議院国土交通委員会 同日】

 「海上交通安全法などの改正案」(204閣法49号参先議)が採決へ。

【参議院環境委員会 同日】

 「瀬戸内海環境保全特別措置法改正案」(204閣法43号参先議)が採決へ。

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