【元日経新聞記者】宮崎信行の国会傍聴記

政治ジャーナリスト宮崎信行、50代はドンドン書いていきます。

【きのう9日金曜日の国会のまとめ】「ストーカー」参議院先議3法案が参通過、200万円「後期高齢者2割」審議入り1200万円「子ども子育て・児童手当」審議続く

2021年04月10日 05時14分45秒 | 第204通常国会令和3年2021年
[写真]国会議事堂皇居側1階中央広間を参議院側から撮影、4年前の2017年。

 国会の一日のまとめ記事が翌朝の投稿となりました。2015年7月に未明3時半にずれ込んで以来かと思います。

【参議院本会議 きのう令和3年2021年4月9日(金)】

 「ストーカー規制法改正案」(204閣法41号参先議)が全会一致で可決され、衆議院に送られました。

 台風時の3大湾での海上保安庁の「湾外避難命令」を新設する、「海上交通安全法改正案」(204閣法49号参先議)が全会一致で可決し、衆議院に送られました。

 長浜博行環境委員長が「瀬戸内海環境保全特措法改正案」(204閣法43号参先議)を報告し「全会一致で可決すべきものだと決まった」と委員会の経過を報告しました。この後の山東昭子議長の採決では、過半数として可決しました。衆議院へ送付。気候変動に関する条項を初めて追加。

 散会しました。参議院先議はあと2本あります。このうち204閣法41号参先議と同様に、内閣委・国家公安委員会マターで銃刀法改正案。条文ミスについては参議院自民党が平謝りしたことで審議入りの公算。これにより、デジタル庁5法案の審議入りが遅れる見通しが浮上しました。自民党内で衆参の調整が入るかもしれません。

●衆議院本会議は定例日ですが開かれませんでした。

【衆議院議院運営委員会 きのう】
【参議院議院運営委員会 きのう】

 2月改正法による「まん延防止等措置」の区域変更について。衆は開会、参は再開して、西村大臣の説明と質疑がありました。

 私が最近聞いたのは、東京23区の飲食店で緊急事態宣言が明けてからも、実は1日来店者ゼロの店もあるようです。明けても閉めても家賃は同じだし、看板を出しているのが最大の宣伝ですから、明け続けて従業員に給料も払っているということで、国の持続化給付金や都の時短協力金は十分に届いているようです。一方、筆者が身を置く東京23区の第3次産業みんなのあこがれ情報サービスメディア業では4月1日に前後して帰省・転職する人がかなり出てきました。月曜日4月12日から連休明け5月11日までのまん延防止等措置は、ステイホーム・時短・リモートワーク・都県境越え外出自粛を首相も知事も要請しましたから、経営判断については早い判断が求められそうです。

 一方、野党は月曜日から「ワクチン進捗フォローアップ野党合同チーム」の第2回会合を開き、追及を強めるかまえ。旅行業者に現金給付をする「GoTo対案」も提出する予定。

【衆議院厚生労働委員会 きのう】

●「長妻年金マイナンバー」続報

 一般質疑で長妻昭さんは年金マイナンバー紐づけ入力でセイ企画が中国企業に再委託した問題。田村大臣は「501万件。再委託の金額は分からない」としました。長妻さんは中国国家情報法14条による通信アプリ「ライン」閲覧問題と同じ問題だと追及。田村大臣は「証拠はないが、流出していない」としました。

 木曜日の本会議でマスク無しのフェイスシールド姿で登壇したとかしきなおみ委員長が議事。壇上での姿に気づいた順に、議場が徐々に騒然となりました。与党国対から叱られたようで、マスク姿で委員長席に座りました。

 「令和2年度子育て世帯生活支援特別給付金にかかる差押え禁止法案」(204衆法 号)を全会一致で起草すべきだと決まりました。

 そして「後期高齢者医療制度の自己負担を2割にする健康保険法改正案」(204閣法21号)が田村大臣から、「対案」(204衆法11号)が早稲田夕季さんから趣旨説明されました。

【衆議院内閣委員会 きのう】

 「子ども子育て支援法及び児童手当法改正案」(204閣法14号)。上述の後期高齢者は「年金を含めた課税所得が年200万円以上」で、こちらは「配偶者所得が年103万円以下で世帯所得が年1200万円以上」。こういう線引きをしても浮く財源は大した金額ではなく、国民の分断だといえるでしょう。私は「所得制限の複雑化が民主主義の危機だ」と十年以上主張していますが、なかなか世間に通じなくて、匙を投げましたが、次の選挙では焦点になるかもしれません。きょうの審議では山尾志桜里さんが保育園落ちたについて質問しました。最後に質疑の終局が宣言されました。次回水曜日14日の午前9時から採決へ。

【衆議院法務委員会 きのう】

 「少年法改正案」(204閣法35号)の対政府質疑3時間コースで散会。ですから、入管難民法改正案は早ければ来週にも審議入りするかもしれません。

【衆議院外務委員会 きのう】

 「RCEP承認案」(204条約1号)の対政府質疑。次回は参考人質疑。立ち上がりは遅かった印象ですが、反対運動が始まっているようです。

【衆議院安全保障委員会 きのう】

 「防衛省設置法改正案」(204閣法19号)が立憲・共産反対、自公など賛成多数で可決すべきだと決まりました。宇宙・サイバーなどの定員改定条項のほかに日印ACSAを盛り込んだ改正もありました。外務委では日印ACSA承認案はまだ審議されておらず、条約審議が法案審議に先行する「アンブレラ」は今回例外となったようです。

【衆議院消費者問題に関する特別委員会 きのう】

 「デジタルプラットフォーマー規制法案」(204閣法53号)の参考人質疑。

【衆議院経済産業委員会 きのう】

 「特許法など一括改正法案」(204閣法46号)が趣旨説明され、散会しました。

【参議院地方創生及び消費者問題に関する特別委員会 きのう】

 坂本地方創生相・井上消費者相の所信表明に対する一般質疑。坂本さんは新聞記者出身らしく新しい知識を取り入れることに柔軟な人だと感じました。

【参議院東日本大震災復興特別委員会 きのう】

 一般質疑がありました。この後夕刻に、福島第一原発の汚染水の海洋放出について、今週の首相と全漁連会長の会談の結果も踏まえて、2年後に放出を始める内閣の決定がされました。

●衆議院総務委員会の野党理事懇談会があり、フジ・メディア・ホールディングス社長の参考人招致を求めていく戦術を共有しました。維新の足立康史さんも立憲国対の部屋に入っての野理懇で足並みをそろえました。

●来週の予定

 月曜日は、衆議院決算行政監視委員会が開かれ、平成28・29年度決算承認案の締めくくり総括質疑があります。菅首相が入りテレビ入り3時間コース。委員長は馬淵澄夫委員長で今国会初の野党委員長が仕切るテレビ入り質疑となります。質問は4年間の論功行賞の意味合いもあってか、尾辻かな子さん、山内康一さん、江田憲司さんらが登場。コロナ、オリンピック、フジテレビ、ミャンマーなどが議題になります。

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