【元日経新聞記者】宮崎信行の国会傍聴記

政治ジャーナリスト宮崎信行、50代はドンドン書いていきます。

【4/22】「中野寛成・憲法会長代理は与党は度量、野党は良識と言っていた」から採決しろと維新・馬場幹事長

2021年04月22日 18時00分21秒 | 第204通常国会令和3年2021年
[写真]議員としての引退を発表する中野寛成・元衆議院副議長、9年前の2012年11月、衆議院本館内の所属政党国対特設会場で、宮崎信行撮影。

 どうやら政治報道界はサンクチュアリのようですが、東京のマスコミ・メディア業界はコロナ禍で、実家に引き上げる人が相次いでいます。これまでが薄給・やりがい搾取だったのかもしれないけど、不特定多数に情報を発信する以上もう少し知力を身につけた登竜門があってよかったように感じます。さて、当ニュースサイトも、半年前の「菅新総理・枝野新党」政局の4分の1の、月換算2・9万ページビューへと急落してきたので、たんたんと日々を過ごしていこうと思います。

【衆議院憲法審査会 きょう令和3年2021年4月22日(木)】

 「日本国憲法改正手続きのための国民投票法改正案」(196衆法42号)の質疑がありました。採決はせず、次回は5月6日(木)に開くことになりました。

 維新の馬場伸幸幹事長は「憲法調査会・憲法審査会は、中山太郎会長の憲法論議に政局を持ち込まないとの考えで、会長代理に野党第一党の幹事を充ててきた。歴代会長代理は、鹿野道彦、中野寛成、仙谷由人、枝野幸男各氏だ。中野会長代理は与党は度量、野党は良識を持つことが大事だと言っていた。歴代会長代理はまさしく良識を堅持してきた」と語り、採決をうながしました。

 但し、前回の審査会では立憲民主党からの期日前投票や当日繰上投票に関する質問に、提案者の自民・逢沢一郎さんがうまく答弁できませんでした。きょうの審査会では、冒頭、自民党の新藤義孝幹事が「前回の答弁は十分だったが、整理する」として逢沢さんの答弁を求め「立民の主張は合理性がなく、地域の事情を良く知る自治体に任せるべきだ」としました。数少ない機会で、自民党自ら質疑が煮詰まった状態をつくることに失敗したともいえそうです。

【衆議院本会議 同日】

 「畜舎等の建築等及び利用の特例に関する法律案」(204閣法45号)が共が反対し、自公立維国が賛成して可決して、参議院に送られました。この法案も畜舎の建設コストが8%程度安くなるというようなさほど画期的でもない法案のようです。

 「国立大学法人法改正案」(204閣法44号)が共反対、自公立国維の賛成多数で可決し、参議院に送られました。今次改正はガバナンス強化で、来年に大学ファンドを創設できる法案が、内閣府を中心に作成して提出される政治日程となっています。

 「特許法など改正案」(204閣法46号)が全会一致で可決し、参議院に送られました。包括的で小ぶりな改正で、秘密特許は特許庁ではなく国家安全保障会議事務局経済班が作成して来年提出するはこび。

 この後、趣旨説明と代表質問。

 消費者庁がジャパンライフ問題を立法事実として桜を見る会に忖度せずに提出した「特商法及び預託法などの改正法案」(204閣法54号)。野党全党の対案も同時に審議されました。前日に立憲・川内博史先生らが提出した「立共国対案」(204衆法15号)を共産・畑野君枝さんが趣旨説明し、国民・井上一徳さんが答弁しました。蛇足ですが、国民1期生・井上さんは京都5区比例で、ここには、立憲・福山幹事長の古参地元秘書だった立憲1期生・山本わか子さんが国替え総支部長となっていますので、数少ない、立・国両党の調整が必要な選挙区となっています。

【衆議院議院運営委員会 同日】

 まずあすの理事会で加藤勝信官房長官を呼び「地公法改正案」(201閣法53号衆継続)のミスについて説明と謝罪を受けることになりました。また、大阪府・東京都などへの3度目の緊急事態宣言の事前報告を、西村大臣だけでなく、菅首相の出席を求めて質疑したい、としました。報道では、大阪・東京とも、飲食店での酒の提供の自粛を要請する、禁酒法に近いような法規範が確立されそうな気配です。私が聞くところでは、2回目の緊急事態宣言が明けて再開した飲食店で、実は一日のお客がゼロというところもあるようです。お店を明け続けるのが最大の宣伝ですし、従業員のへの給料が支払われています。なので、東京都の一律の時短給付金が効果をあげている証拠であり、財務省は躊躇ない休業協力金の自治体への交付が求められます。予備費5兆円で足りない場合は、補正予算案を編成するように、既に与党・公明党の竹内譲・新政調会長が発言しています。

 このほか、与党は来週火曜日27日に、経産省のミスが早く発覚したため審議入りが遅れている「産業競争力強化法改正案」(204閣法23号)の趣旨説明をしたい意向で、あす協議が続くことになりました。


[写真]中野寛成・元衆議院副議長(左)と当ニュースサイト筆者・宮崎信行(右)、衆議院正玄関(しょうげんかん)前、9年前の2012年11月。

【参議院厚生労働委員会 同日】

 理事会が紛糾。コロナ病床・ワクチン接種会場への看護師の日雇い派遣について、厚労省が内閣府作成の公文書を黒塗りのいわゆる「海苔弁当」で提出し、野党はやり直しを求めました。

 遅れて始まった委員会で「医療法を改正して地域医療構想で病床を削減する法案」(204閣法17号)の趣旨説明と対政府質疑がありました。次回は参考人質疑。

【参議院外交防衛委員会 同日】

 「RCEP承認案」(204条約1号)。まず大臣が附属文書に編集ミスがあったと詫びました。それから趣旨説明。そして、与党だけの対政府質疑が1時間半。参考人質疑があり、PARCの内田聖子さんらが出席しました。

【参議院環境委員会 同日】

 「自然公園法改正案」(204閣法48号)が共反対、自公立維国の賛成多数で可決すべきだと決まりました。あす成立。

【参議院内閣委員会 同日】

 「デジタル庁関連5法案」(204閣法26号乃至30号)。

【参議院国土交通委員会 同日】

 「特定都市河川浸水被害防止法改正案」(204閣法18号)。

このエントリーの本文記事は以上です。
国会傍聴取材支援基金の創設とご協力のお願いをご一読ください。 
このニュースサイトは以下のウェブサイトを活用しエントリー(記事)を作成しています。
Ⓒ2021年、宮崎信行 Miyazaki Nobuyuki、宮崎機械株式会社。