【元日経新聞記者】宮崎信行の国会傍聴記

政治ジャーナリスト宮崎信行、50代はドンドン書いていきます。

病床削減法案は立共反対で厚労委対決色増す、特定都市河川浸水被害対策法改正案」全会一致は、国土交通省水資源・国土保全局への支持絶大ぶりの証左だ

2021年04月07日 17時21分00秒 | 第204通常国会令和3年2021年
 目玉法案はありませんが、一般法案の審議が続きました。

【参議院本会議 令和3年2021年4月7日(水)】

 定例通り、水曜日午前10時に開かれました。今後は6月16日(水)までほぼ毎回開かれそうです。コロナ禍ですが、参議院議員面会所で体温計チェックをしてもらえば、先着順で一般傍聴できます。

 「改正裁判所職員定員法」(204閣法15号)が起立多数で可決し、成立しました。政府原案が初めから「4月1日又は公布日に施行する」と書いてありますので、天皇陛下の御名御璽が入って公布され官報に告示され次第施行になります。この書き方は、野党には不利な書きぶりで、内閣法制局も交えた知恵比べにおける安倍・菅長期政権の政治巧者ぶりを示しています。

 国家同意人事がはかられ、両院で同意され、各々就任することになります。

【衆議院国土交通委員会 同日】

 「特定都市河川浸水被害対策法などの改正案」(204閣法18号)が審議されました。

 立憲民主党の小宮山泰子さんは「本会議に続いて質問する。令和元年の台風で、川越市、ふじみ野市、富士見市も被害があった。3か月後の国交委で、赤羽大臣に建築確認申請の改善を求めて、その後、都市計画法の改正、都市再生特措法の改正と続き、今回の法改正となった」とし「9本のいわゆる束ね法案だ」と語りました。

 質疑が一巡し、採決。全会一致で可決すべきだと決まりました。法案への支持というよりも、国土交通省水資源・国土保全局の実績への支持が高いと言えそうです。次回は来週水曜日9時。


[写真]国土交通省、6年前の2015年撮影。

【衆議院文部科学委員会 同日】

 「文化財保護法改正案」(204閣法20号)が全会一致で可決すべきだと決まりました。次回は14日(水)9時。

【衆議院農林水産委員会 同日】

 国民民主党代表の玉木雄一郎さんが農水委員をしています。玉木さんは「大臣、きょうは何の日か知っているか」と問い、野上農相は「1年前に、緊急事態宣言から明けた日だ」。玉木さんは「農林水産省の創立記念日だ」とし、もともと農商務省なので、六次産業化・農商工連携などは経産ではなく、農水省が積極的に図るべきだと促しました。

 きょうの審議は「農業漁業法人投資円滑化特措法改正案」(204閣法40号)で、共産党の田村貴昭さんは「漁協への株式会社の出資を可能とする改正条項などは反対だ」としました。採決は、共反対、自公立などの賛成多数で可決すべきだと決まりました。次回は未定。


[写真]農林水産省、6年前の2015年撮影。

【衆議院外務委員会 同日】

 「RCEP承認案」(204条約1号)が趣旨説明され、審議入りしました。「田中龍作ジャーナル」の報道によると、反対運動が起きています。

 条約に先立つ一般質疑では、穀田恵二さんがイージスアショアをめぐるロッキード・レイセオンのミサイル防衛庁などとの交渉について追及。続いて、維新の浦野靖人さんが立ち「関西弁の後の関西弁でほっとする。関西選出の議員は、もっと関西弁を使えばいいと思うんです。興奮するとつい関西弁が出る」と問い、東京・国会での共産党と維新の雪解けの兆しがみられました。

【衆議院厚生労働委員会 同日】

 「医療法など改正案」(204閣法17号)政府原案修正案「対案」(204衆法1号)の3案の審議が終わりました。採決。立憲民主党はコロナ禍での地域医療構想による病床数削減に反対して政府原案に反対すると表明。立共反対、自公維賛成で政府原案を可決すべきだと決まりました。次回は9日(金)9時。

【衆議院内閣委員会 同日】

 「子ども子育て支援法改正案」(204閣法14号)の対政府質疑。次回はあす9時半から参考人質疑。

【衆議院法務委員会 同日】

 「少年法改正案」(204閣法35号)

【参議院決算委員会 同日】

 「令和元年度決算承認案」は先の国会での趣旨説明を足すと、合計で3日目となりました。そのうち省庁別審査1日目で、復興庁・財務省・環境省・金融庁・株式会社日本政策金融公庫・株式会社国際協力銀行が対象となりました。

 これに先立ち、承認した「平成30年度決算」での是正要求決議に対して講じた措置について、財務大臣から報告がありました。

【参議院行政監視委員会 同日】

 総務省の大臣と行政評価局長が説明。これに対する質疑がありました。

●あすの予定

 重要広範議案「後期高齢者の一部の自己負担を2割に引き上げる健康保険法改正案」(204閣法21号)について、厚生労働大臣が説明し、菅義偉首相に対する質疑が衆議院本会議で行われます。世論の反発は限定的か。

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