ニュースサイト宮崎信行の国会傍聴記

元日本経済新聞記者の政治ジャーナリスト宮崎信行が衆参両院と提出予定法案を網羅して書いています。業界内で圧倒的ナンバー1。

【6/11】画期的、総理G7サミット参加中に49年で最も中国を向こうに回した「台湾のWTO総会参加」全会一致で決議、国民投票法衆議院修正や政府提出「B型肝炎給付10年延長法」が成立へ

2021年06月11日 10時37分00秒 | 第204通常国会令和3年2021年
[写真]参議院の日の丸、4年前の2017年に宮崎信行撮影。

 総理はすでにG7サミットに到着していますが、参議院ではここ49年間で最も中国を向こうに回した「台湾のWHO年次総会オブザーバー参加を求める決議」が全会一致で、ウィズコロナの世界秩序を発信。

 参議院本会議では6法律が成立。議員立法が多いので、すでに「令和3年法律80号」を超えており、あれ意外と制定法律多いなという印象です。

●衆議院本会議はなし
●衆議院議院運営委員会はなし

 定例金曜日ですが、本会議はなく、また、今国会に限れば珍しく、金曜日の議運理事会もなかったようです。来週水曜日がいよいよ当初会期末になります。

【衆議院厚生労働委員会 きょう令和3年6月11日(金)】

 体育大会ラストの整理体操のような一般質疑。長妻昭筆頭理事の質問は、コロナとオリンピック。年金の話はほとんど世論が反応しなくなっており、与野党双方の政策が浸透したと。

【衆議院北朝鮮による拉致問題に関する特別委員会 同日】
【参議院北朝鮮による拉致問題に関する特別委員会 同日】

 連休前の、加藤拉致相、茂木外相、小此木国家公安委員長の所信的あいさつに対する質疑がなされました。

【衆議院経済産業委員会 同日】

 リベラル系と表現される議員が脱原発などを問う一般質疑ですが、きのう、東芝の第三者委員会が、車谷前社長が菅さんに「改正外為法でつかまらないんだろ」ときょねん連休明け初日にキャピトル東京ホテル「オリガミ」朝食会で言われた疑惑の報告書を発表。東芝と官邸と経産省と自民党を揺るがすスキャンダルになるかもしれません。

【参議院本会議 同日】

 画期的。

 まず、有村治子さんらが提出した決議案を松沢成文さんが登壇して説明。中華人民共和国の影響が強いとされ、WHO世界保健機関について、台湾が、年次総会にオブザーバー参加を求める決議案。松沢さんは「台湾がWHOの会議に参加できることは、国際的な利益であることは各国が一致した認識だ」とし、1972年の日中国交の正常化(樹立)及び日華(日台)断交後の49年間でもっとも中国を向こうに回した決議が全会一致で議決されました。

 既に衆議院でおそらく同文の決議が採択されている「ミャンマーにおける軍事クーデターを批判し、民主的な政治体制の早期回復を求める決議」が石橋通宏さんから趣旨説明され、全会一致で議決されました。

 続いて、総務大臣から政策調査の実施状況と結果の反映状況の報告と、それに対する各党質疑がありました。

 そして、6法律(案)が成立し、2議案が承認。すべて衆議院先議ですので、きょうの参議院本会議で議了します。

 「災害時・パンデミック時における病院船の推進法」(204衆法20号)

 「日本国憲法改正手続きのための国民投票法の改正法」(196衆法42号)の衆議院修正

 「北朝鮮経済制裁のための特定船舶入港禁止措置」(204承認2号)

 「公共建築物における木材利用促進法の改正法」(204衆法30号)

 「北朝鮮経済制裁のための輸出入禁止措置」(204承認3号)

 「特定B型肝炎ウイルス感染症給付金支給特別措置法を10年延長する改正法」(204閣法22号)

 「中小事業主が行う事業に従事する者等の労働災害に係る共済事業に関する法律」(204衆法33号)

 「医療的ケア児及びその家族に対する支払に関する法律」(204衆法34号)。

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【北朝鮮拉致】きょねん6月に亡くなった横田滋さん、きょねん2月に亡くなった有本嘉代子さんに初めて黙祷、松原仁さん「ご存命の間に政治の姿勢を示したかった」

2021年06月11日 09時18分23秒 | 第49回衆院選(2021年10月 岸田続投 枝野辞任)
[画像]黙祷する、衆議院北朝鮮による拉致問題に関する特別委員会、きょう2021年6月11日、衆議院インターネット審議中継からスクリーンショット。

 衆議院北朝鮮による拉致問題に関する特別委員会が開かれ、古川禎久特別委員長が促し、きょねん2020年6月5日に亡くなった横田滋さん、きょねん2月3日に亡くなった有本嘉代子さんに黙祷しました。同特別委員会での黙祷は初めて。

 同特別委員会は、ことし令和3年の第204回通常国会の初日である1月18日(月)に古川特別委員長を互選し、連休入り前日の4月28日(水)に加藤拉致問題担当大臣(官房長)、茂木外相、小此木国家公安委員長の3大臣から所信的あいさつを聞きました。これに対する一般質疑が、きょう6月11日(金)の午前9時から開かれ、その冒頭での黙祷となりました。国会は来週水曜日(6月16日)に当初会期の最終日を迎えます。


[画像]松原仁さん、きょう2021年6月11日(金)の衆議院インターネット審議中継からスクリーンショット。

 質疑者のトップバッターとなった、野党側筆頭理事の松原仁・元拉致問題担当大臣は「2年間開かれなかった。横田滋さんが亡くなって約1年。横田さんがご存命の愛大に、強い政治の姿勢を示したかった」とし、自らが筆頭理事をつとめている間の実質審議が2年間開催されなかったことに無念さをにじませました。松原さんは「自分が担当大臣のときに、外国の当事者からなぜ日本は拉致問題に熱心じゃないのかと聞かれた。ブラフだったかもしれない。しかし、なんでも水面下でやるべきではない」という趣旨の発言をしました。

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東芝疑獄か、菅義偉「元経済産業政務官」が東芝前社長に「強引にやれば改正外為法で捕まえられるんだろ?」と朝食会で発言か

2021年06月11日 06時36分17秒 | 不祥事
[写真]キャピトル東急ホテルが入居するタワー(左)や国会議事堂(中央)など、右のタワーは「プルデンシャルタワー」、おととし、筆者撮影。

 株式会社東芝の、のっとりを企てる外国資本の傀儡であるとにらまれた車谷社長が取締役会で突如会社を追われ、綱川会長が社長に返り咲いた件で、再来週2021年6月25(金)午前10時からの「第182期定時株主総会」が緊迫することになりそうだとして、経済メディアが報道を充実させてきました。

 綱川社長らが、車谷前社長による、東芝の外資への売却企図疑惑について、第三者委員会が報告書をきのう発表しました。

 この中で、経済産業大臣政務官の経験を持つ、菅義偉首相が、きょねんの5月ごろに、経産省局長を通じて、車谷前社長側に関与していて疑惑が濃厚となりつつあります。

 2020年5月7日に、車谷前社長の秘書が経産省に「5月11日の長官ご説明に関する打合せを今週中に設定したい」と連絡したとしました。2020年5月7日は連休明け初日で、5月11日(月)の事前打ち合わせを、5月9日(金)までにしたい、と読み取れます。

 そして、報告書は、5月11日の長官ご説明について「なお、「長官」とは、当時の菅義偉官房長官(以下、「菅官房長官」という)である」と生々しく記載しました。

 車谷社長は、経産官僚にポジションペーパー改訂版というものを見せ、そこには「改正外為法施行後初の株主総会になるので、オルタナティブ投資家は改正外為法の効力を瀬踏みしている」と書かれていたとされます。

 原案を書いた経産官僚が、改正法の施行状況を確認するのは当然の仕事ですが、そもそも改正法による変化を見越して、法律改正案を執筆していたことも予想され、その場合は、ごく一部のアベノミクスお友達の既得権益を守るために、法律を使ってきた、2012年以来のアベノミクスの化けの皮がはがれたといえそうです。

 そして報告書は、2020年5月11日(月)午前7時半からの、菅官房長官とのキャピトルホテル東急「オリガミ」での朝食会で、そのポジションペーパー改訂版を、見せただろう、と推認しています。これについて、菅さんは昨夜G7サミット出国前に官邸で、見ていないと答えたようです。

 また、朝食会で、菅さんは「強引にやれば外為で捕まえられるんだろ?」と車谷社長に対して発言したと、報告書は断定しています。

 外為法は、これまでも、田中角栄元首相らの東京地検特捜部の案件でたびたび使われてきました。その後、1987年の東芝機械ココム違反事件後に、ココム改めワッセナー協定の国内実施法として、経産省による国内産業締め付けに使われ、日本の製造業のGDPを押し下げてきました。

 きょねん末の情報を反映した「会社四季報」を見ると、東芝の売上高は数年で4割減となりつつも黒字を確保していますが、本体の正社員は3500名で平均年収850万円と、ずいぶん小さい会社となっているようです。当時経団連会長を出していた同業の日立製作所も売上高が縮小しています。

 外為法で国内産業を締め付けたうえで、小さくなった会社で、外資とつながった社長に対して経産省キャリア官僚が主導権を握ろうとし、その動きでご説明を菅官房長官・元経産政務官が受けていたとなると、いわば(外資の日本国内公開市場参入を阻止した)逆ロッキード事件のようなもの。

 改正外為法の原案執筆の時点で東芝の動きを認識していたとすると、今後の、外為法・輸出管理令の改正、2022年の経済安全保障の一括改正法案の執筆などに大きな影響をはらんだ動きと言えそうです。

 また、歴史的に東京地検特捜部が得意としたジャンルですし、そもそも8年間の自民党政権の地方創生・国家戦略特区が、お友達の利権を法改正として逆にお墨付きを与えて、企業の新陳代謝を阻害し、日本経済全体の足を引っ張り、そのうえで個別の税金給付金で頭を下げさせる構図を「景気回復、この道しかない」とのスローガンで国民を欺いてきた政治構造が如実に表面化するきっかけとなりそうです。

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