宮崎信行の「新・夕刊フジ」

元日本経済新聞記者の政治ジャーナリスト宮崎信行が衆参両院と提出予定法案を網羅して書いています。業界内で圧倒的ナンバー1。

【追記あり】「人事院勧告」あす成立も、宏池会・葉梨法相発言で「検察官」は遅れる、衆では「民法」も採決延期

2022年11月10日 16時49分07秒 | 第210回臨時国会 黄金の2年間 統一教会
[写真]葉梨康弘法相、5年前の2017年10月、茨城県内で、宮崎信行撮影。

 葉梨康弘法相の宏池会後輩議員に対する政治資金パーティー発言(既報)を受けて、裁判官・検察官の採決は見送られましたが、人事院勧告を実施する法案はあす成立のはこびで、合計6本があす成立のはこび。ただし、立憲民主党の衆参国対は、岸田文雄首相の参議院本会議での説明を求めました。
【追記 19:40】衆議院法務委員会をあす開き葉梨大臣に質疑することで与野党が折り合いました。【追記終わり】

 当ニュースサイトも、15年以上やってきて、自分が思い描く水準の半分を割るアクセス数になりました。コロナ禍で1・8倍に増えたことの反動があったり、黄金の3年間で政治離れがあったりするのでしょうが、「虎ノ門」などネットニュースの店じまいが相次いでおり、ネット報道への入り込み客が減ってきたネットメディアの経済的な黄昏のあおりを食ったようです。

【衆議院本会議 きょう令和4年2022年11月10日(木)】
 「衆院選小選挙区10増10減を反映する公職選挙法改正案」(210閣法15号)が共産・れいわ反対、自公立維国の賛成多数で可決し、参議院に送られました
 「離島振興法の10年延長法案」(210衆法12号)全会一致で可決し、参議院に送られました
 きのう法務委員会で議了した「民法家族法包括改正法案」(210閣法12号)は採決の延長動議が出て、採決は来週火曜日以降に持ち越されました。あすの本会議はありません。

【参議院第1種常任委員会 同日】
【参議院法務委員会 同日】
 「裁判員給与法改正案」(210閣法3号)と「検察官給与法改正案」(210閣法4号)の審議では、与党からも葉梨法相の発言をめぐる質疑もありました。きのうの時点でも採決は理事会協議でしたが、当然きょうは協議が整わず、次回に持ち越しました。

【参議院内閣委員会 同日】
 「一般職国家公務員給与法案」(210閣法1号)と「特別職国家公務員法改正案」(210閣法2号)が維新などが反対し、自公立維国が賛成して可決すべきだと決めました。あす成立のはこび。

【参議院外交防衛委員会 同日】
 「防衛省自衛隊給与法改正案」(210閣法8号)が全会一致で可決すべきだと決まりました。

【参議院農林水産委員会 同日】
 「競馬法改正案」(210閣法2号)を全会一致で可決すべきだと決まりました。JRAから地全協への金銭支援を5年延長。

【参議院経済産業委員会 同日】
 「ガス事業法及びJOGMEC法改正案」(210閣法13号)を採決し、共のみ反対で可決すべきだと決めました。

【参議院国土交通委員会 同日】
 「港湾法改正案」(210閣法14号)を共反対、自公立などの賛成多数で可決すべきだと決めました。脱炭素化。あす成立のはこび。

【参議院財政金融委員会 同日】
 半期に一度の日銀総裁報告とそれに対する質疑。

参議院の総務、文教科学、環境の各委員会は開かれませんでした。

【衆議院憲法審査会 同日】
 自由討議をし、扱いは筆頭幹事にゆだねられました。立憲民主党は1年強前、枝野幸男代表・山花郁夫筆頭幹事体制で「CM規制の見直しは必須だ」という附則を入れたトリックプレーで、改憲発議を2年以上延期させましたが、代表辞任や選挙落選となり、仕切り直し機運となっています。

 きょうも階猛筆頭幹事が「憲法改正を必要とする具体的かつ合理的な事実が存在する確証が得られれば、憲法改正の議論に進むことは十分ありうると思います」としつつも、一般論に持ち込み、時間を引き延ばす作戦を続けました。

 階さんは「例えば、一票の格差の問題、これを2倍以内にするための10増10減法案が施行された後の軌跡と我が国が右肩上がりだった約60年前の議席と比較してみました」「三大都市圏はプラス70、それ以外の中央県はマイナス72から178です。60年前は地方圏の議席が3大都市圏を33上回っていましたが、今は109も下回っているのです」と語り、憲法43条は国会議員は全国民の代表とされていることを引き合いに出しました。

 そのうえで階さんは「人口が密である東京2区と、過疎地である北海道12区と面積の格差が755倍になるとの試算も示されました」「選挙区や議員会館の事務所を訪ねて、地元の代議士に要望を伝えるのも容易ではありません。地方の議席が減るにつれ、地方の生の声は国政に反映されにくくなり、地方がますます衰退するという悪循環が起きてしまいます」と語りました。

 公明党の吉田宣弘さんは、共謀罪法の衆議院通過の際の賛成討論で、治安維持法で創価学会が弾圧された憲法史を知らないのではないかと野党から指摘されましたが、きょうも、芦部信義(あしべ・のぶよし)氏を「あしべ・のぶき氏」と言い間違える浅さを見せました。

 共産党からは統一教会の問題をやり玉にあげる発言が出ました。「予算委員会開催中も木曜10時に開催する原則」が定着したところで、年を越す景色が見えつつあります。

【衆議院原子力問題に関する調査特別委員会 同日】
 山中伸介原子力規制委員会委員長に対する質疑がありました。

 自民党で日立市など茨城5区選出(比例復活)の石川昭政さんは初当選以来この委員会に属してきたと強調。

 石川さんは「この10年間で、私達が規制庁と被規制者・原子力事業者のやり取りを横から見てみますと、先生と生徒のような立場です。何か生徒が思うように発言できないような、そういう関係性だったろうと思います」「こういう素晴らしい機器ができたので、これを取り入れれば、もっと効率よく、安全性が高まるような提案が、お互い競い合うように安全性に向かって進んでいくという関係性が欠けていた」と指摘しました。

【衆議院東日本大震災復興特別委員会 同日】
 秋葉賢也復興相らの所信的あいさつがありました。

【衆議院科学技術・イノベーション推進特別委員会 同日】
 高市早苗、後藤茂之両大臣への質疑。

【衆議院地方創生特別委員会 同日】
 岡田直樹担当相への質疑。

【衆議院議院運営委員会 同日】
 理事会は本会議採決日程の与野党協議のため休憩をはさんで開かれました。

このエントリーの本文記事は以上です。
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葉梨康弘法相「宏池会の同志」に「死刑執行の時だけでなく統一教会の問題に抱きつかれたのでニュースになる」「法務省と外務省は、票と金にならない」

2022年11月10日 11時24分05秒 | 第210回臨時国会 黄金の2年間 統一教会
[写真]葉梨康弘法相、きょねん2021年9月29日、宮崎信行撮影。

 葉梨康弘法相は、さきほど始まった参議院法務委員会で、昨夜の発言について全文を説明し、釈明と謝罪しました。

 葉梨さんはさきほど令和4年2022年11月10日(木)の参議院法務委員会で、「宏池会の同志」として武井俊輔外務副大臣の政治資金パーティーに出席。この場で「法務大臣になり、三月になりますが大体法務大臣というのは朝死刑のハンコ押しまして。それで昼のニュースのトップになるのは、そういうときだけという地味な役職なんですが。今回はなぜか旧統一教会の問題に抱きつかれてしまいました、ただ抱きつかれたというよりは、一生懸命その問題解決に取り組まないといけないということで私の顔もいくらかテレビに出るようになった。いうことでございます」と自己紹介したと説明しました。

 そのうえで、葉梨さんは出席者に向かって「外務省と法務省は票と金に縁がありません。外務副大臣になっても全然お金は儲かりません。法務大臣になってもお金は集まりません。なかなか票も入りません。しっかりと良い仕事を武井さんにしてもらうためには今日お集まりの方々が物心両面で支えていただかないと私も支えいただきたいところですけれども、なかなかこの日本の国を良くするということはできない」と語ったと説明しました。

 この発言について、立憲民主党の泉健太代表はツイッターで、「こんなに人間の命を軽んじ、金や票に目が向くばかりの人物が岸田派の法務大臣とは。 大臣に相応しくないことは明らかです」と述べ、葉梨法相が「岸田派(宏池会)」だとターゲットにしました。

 現在の政局は、寺田稔総務大臣と葉梨康弘法務大臣といういいポジションをしめる宏池会中堅がスキャンダルの襲われ、もともとの側近・ブレーン不足も指摘されており、30年ぶりの少数派閥政権の屋台骨を揺るがす展開となっています。

 以下は、葉梨さんの参議院法務委員会での前日の発言を出席者が書き起こしてくれたものだとして朗読した部分の自動書き起こし。

 ◇

 法務大臣を務めている衆議院議員、葉梨康弘、私の宏池会の同志でもある武井さんの励ます会未来を創る会、ぜひ、激励の言葉をということで喜んで参上させていた。法務大臣になり、三月になりますが大体法務大臣というのは朝死刑のハンコ押しまして。それで昼のニュースのトップになるのは、そういうときだけという地味な役職なんですが。
 今回はなぜか旧統一教会の問題に抱きつかれてしまいました、ただ抱きつかれたというよりは、一生懸命その問題解決に取り組まないといけないということで私の顔もいくらかテレビに出るようになった。いうことでございます。
 さて、武井さんの話ですか。先ほど来、いろいろな方から話がありますが、この中になる前は宏池会の中でもいろいろ飲み会とかをやっていました。非常に明るいお酒を飲む声もでかいが歌う声もでかい。「日野2トン」とかたくさん歌って非常に明るいなという印象があります。
 もう一つは、情熱、地元に対する情熱と、それから国政何とかしていかなきゃいけないという危機感があります。そもそも多分、外務政務官。外務副大臣というのも希望してなったと思いますが、私どもの法務省と外務省というのは似たようなところがあります。いくつかありますが、三つほど申し上げます。一つは今回のロシアのロシアとウクライナの関係前座外務省が前面に出ていろいろな仕事をしていただいています。これは当然のことです。ただ、法務省はその下支えのような形ですが、ウクライナの難民を受け入れるというのが本部長です。それからロシアの戦争犯罪についていろいろな国際的な連携を図るというのも、法務省です。今度11月28日29日には、法務大臣の会合としては初めて。G7の法務大臣会合がベルリンで開かれるということで、一つはロシアのウクライナ問題への対応と、対応ということでも共通点があります。もう一つは国の根幹を成すという意味では非常に大事な仕事だと思う。対抗それから私ども法務省は店舗を具現化する理念を具現化する、そういう行政です。
 ちょっと難しいですけれども、そういうことをやっている。なかなかそういった意味でも国の屋台骨を支えるという意味では外務省と法務省は似たようなところがあってそれをしっかり希望されて、外務副大臣になられたということはやっぱり国士だなということを大いに感じるわけです。
 そして三つ目の共通点ですが外務省と法務省は票と金に縁がありません。外務副大臣になっても全然お金は儲かりません。法務大臣になってもお金は集まりません。なかなか票も入りません。しっかりと良い仕事を武井さんにしてもらうためには今日お集まりの方々が物心両面で支えていただかないと私も支えいただきたいところですけれども、なかなかこの日本の国を良くするということはできない。そういうことだと思います。
 ですから、今日お集まりの方々本当に皆さんがお支えだ。この武井俊輔というナイスガイしっかりと支えていただくよう心から愛を申し上げる。私からの挨拶とさせて今日は本当にありがとうございました。

このエントリーの本文記事は以上です。
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