【元日経新聞記者】宮崎信行の国会傍聴記

政治ジャーナリスト宮崎信行、50代はドンドン書いていきます。

立憲民主党まだまだ政権からほど遠い「附帯決議をすれば何でもオッケー」の無責任さ、民法改正法が成立

2024年05月17日 14時43分31秒 | 第213回通常国会 令和6年2024年1月召集
[写真]早稲田大学鵬志会OBGで初めての「県会議長」、稲垣昭義さん(平成7年卒会=学部は立教大学法学部)が当選6回で三重県議会議長に当選・就任しました、右は筆者、今から9年前の2015年11月撮影。非自民の県会議長は、全国で三重だけですかね。

 「民法」の改正法で、附則に「数年後見直し規定」が入ったのは、平成28年の「女性の再婚禁止期間を6カ月から100日に短縮する」ときだけだったようです。但し、これは、ゲノム鑑定などの科学技術の進歩を配慮したのでしょう。家族・私人の離婚後の親権・こどもの奪取・親子交流に科学技術の進歩は全く関係ありませんから、5年後見直し規定は、国権の最高機関の奢りだと、私は考えます。

 ミスター政治改革羽田孜の「普通の言葉が伝わる政治」を順守してほしい。パー券「20万円超」を「1枚2万円、1企業に10枚」と暗算するのは、「1万2万円」を開催できたことがない野党議員もできる。それは永田町の常識に過ぎません。夏祭りのケチャップたっぷりのアメリカンドッグを食べながら景気を聞くのは国会法第38条「調査研究広報滞在費」に沿うけど、出店で領収書をくださいと依頼するのは世間の常識に反しています。

 事実多忙のようでしょうが、家庭裁判官を増やすべきだという附帯決議をつければ、仕事が終わりだと思って準備している野党議員も、なんらGDPを増やさないパイの中での取り分だけ考えるとインテリに過ぎず、自民党不信でなく政治不信は深刻です。

 残り会期1カ月で、よもやの政治資金規正法改正案が当初会期内での成立が黄色信号がともり始めました。自民党が単独で議員立法を出して、公明党は出さないという政治判断がなされそうですが、綱渡りが続きそうです。「やれ」が9割の世論が呆れて失速するかも。

【参・本会議 きょう令和6年2024年5月17日(金)】
 「こども子育て支援法改正案」(213閣法22号衆議院修正)は先月19日に衆議院を通過してきたので、4週間ぶりに「こども真ん中応援宣言企業のサポーター」「どこでも通園制度」などの懐かしいキーワードが岸田文雄首相、加藤鮎子大臣の口から蒸し返され、参議院での審議がスタートしました。ポイントは社会保険料方式です。世論は「社保料は税ではない」なので、現在失業・療養中の人は社会保険だけで堂々と生活していただきたい。第50回衆院選は、社保料方式、実質賃金マイナスが争点となりそうです。それからこの法案に、その所掌事務を改める条項が一つだけ束ねられている、「こども家庭庁設置法」(令和4年)ですが、読むと大変な悪文です。厚生官僚が法制執務を担ったんでしょうが内閣法制局第四部こういう法文を通してはいけなかったと思います。

 「道交法を改正する法律」「車庫法を改正する法律」(213閣法38号・39号)が可決し、成立しました。
 「放送法を改正する法律」(213閣法32号)が可決し、成立しました。
 そして、「離婚後共同親権を導入する民法を改正する法律」(213閣法47号衆議院修正)が可決し、成立しました。施行前2年足らずで準備をするというのですが、「民法施行令」という政令は存在しないので、法律と判例の間に内閣・法務省ができることは限られている、という集合知がインテリの間にないようで、重ね重ね残念。なお昨夜の「ヤフーニュースコメント」の「トレンドランキング」で上位50位から外れました。
 「防衛省設置法・自衛隊法を改正する法律」(213閣法37号)が可決し、成立しました。
 「水素社会推進法」(213閣法16号)が「CCS二酸化炭素貯蔵法」(213閣法17号)が可決し、成立しました。

●衆議院本会議はきょうも開催されません。

【衆議院法務委員会 同日】
 「入管法改正2法案」(213閣法58号・59号)は、自民党・公明党・立憲民主党・日本維新の会・教育無償化を実現する会の5党(4会派)が提出した案で修正すべきだと可決しました。「立憲対案」(213衆法10号)は採決されて、賛成少数で否決されました。その旨を委員長が本会議に報告して再度否決され、廃案のはこび。法務省が提出した5法案はすべて審議を終えました。

【衆・外務委】
 「日独ACSA物品役務相互融通協定」(213条約2号)「日クロアチア航空協定」(213条約6号)「日オーストリア社会保障協定」(213条約7号)「日ブラジル刑事共助協定」(213条約8号)を承認すべきだと決めました。これで条約案をすべて審議を終えました。

【衆・財務金融委】
 「動産担保融資法案」(213閣法57号)。
【衆・経済産業委】
 「スマホアプリのプラットフォーマー優位の規制法案」(213閣法62号)で自見はなこ公正取引委員会担当大臣らへの質疑がありました。
【衆・国土交通委】
 「建設業法改正案」(213閣法51号)で、公明党の国重徹さん(大阪5区)らが質問しました。
【衆・厚生労働委】
 一般質疑。
【参・政治倫理審査会】
 自民党(離党者含む)裏金議員32名のうち29名が出てこないので、再度、求める提案が自民党も含めて議決されました。私、正直、西田昌司・橋本聖子・世耕弘成の3議員が出てきて説明したことを忘れていました。衆参とも出席した議員にSNSなど世論から「二の矢、三の矢」が放たれていないと思いますが、地元や派閥同僚からどういう反応を受けているか分かりません。当初会期末前後から第50回衆院選にかけて、非常に流動的な政局となりそうです。
【参・東日本大震災復興特別委員会】
 一般質疑。

国会傍聴取材支援基金の創設とご協力のお願いをご一読くださり、ご寄付をお願いします。 
このニュースサイトは以下のウェブサイトを活用しています。
Ⓒ2024年、宮崎信行 Miyazaki Nobuyuki、宮崎機械株式会社。