宮崎信行の「新・夕刊フジ」

元日本経済新聞記者の政治ジャーナリスト宮崎信行が衆参両院と提出予定法案を網羅して書いています。業界内で圧倒的ナンバー1。

岡田克也さん、量的金融緩和を現時点で容認するも、出口マネジメントの民主党プログラム手順表を作成へ

2015年06月13日 19時27分00秒 | 岡田克也、旅の途中

[写真]岡田克也さん、2015年6月12日、国会内、筆者(宮崎信行)撮影。

 民主党代表の岡田克也さんは、日本銀行(黒田東彦総裁)が2年2か月間続けている、異次元の量的金融緩和(現在は年間80兆円ペース)について、

 「出口が気になるが、まだタイミングとしては早い」として、量的緩和の維持を、現時点では容認しました。

 これは2015年6月12日(金)の定例記者会見で語ったものです。

 実質実効為替レートで、日本円(JPN Yen)が対ドルでニクソンショック後40年間で最も弱い状態になっていることについて、

 「円安のデメリットを最近よく聞くようになりました。どんどん円安が進むことは日本経済にとって好ましくない」と述べ、過度な円安が続いているとの認識を浮き彫りにしました。

 岡田さんの為替に関する発言は、地元三重県内の自動車部品産業の社長などの声を材料にしていることが多いことから、この発言もそのような裏付けがあるかもしれません。

 この週のドイツ国債など欧州債券安の流れを受けたと思われる日本国債売りで、長期金利がこの週に一時0・5%(10年物)を超えたことについては、

 「これだけ大量に日銀が国債を買って金利を低くおさえているが、出口をどう考えているか気になる。果たしてどこまで続くのか。どうやって金融緩和から方向を変えていくのか、そのときに何が起きるのか、果たしてマネジメントできるのか」と語り、

 「気が早いと言われるかもしれないが、民主党内でも専門家の意見を聞きながら、まとめていきたい」

 とし、民主党としても、量的緩和の段階的縮小に対する、日銀・財務省理財局などのプログラム(手順)を作成する考えを示唆しました。

 金利、為替、歳出、生活の変動性ーー最近では「ボラティリティ」と言うそうですがーー変動性がもたらす不安定性についての国家国民のリスクマネジメントへの自信を示し、準備にすでに取り掛かっていることが明らかになりました。

 なお、世界の主要エコノミーで唯一金融緩和をしていない、アメリカによる利上げプログラムについて既に「期待効果、先食い」が出ているとの観測がありますが、岡田さんは見通しへの言及を避けました。

https://youtu.be/qf2VGhqcN5c?t=1446

 屋根建設の見直し論が浮上している、オリンピックの「新・国立競技場」について、「後で振り返れば、日本経済が浮かれていた頃の代名詞になるかもしれない」と予算縮小を求めました。

 第3次安倍内閣が中間とりまとめを公表した、2020年度にかけての財政健全化のためのプライマリーバランス黒字化のプログラム(手順表)について、

 「名目成長率を年3%、税収弾性値も1・1とか、1・2とか見ている」として、目標値が低いうえに実現性も乏しいとの認識を示し、「マーケットがどう受け取るか」と話し、世界的な日本売りに警鐘を鳴らしました。

 ただ、来週のQTは、事前の準備を変えて、「労働法制」、「安保法制」に軸足を向けることを示唆しました。 

以上 


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