宮崎信行の「新・夕刊フジ」

元日本経済新聞記者の政治ジャーナリスト宮崎信行が衆参両院と提出予定法案を網羅して書いています。業界内で圧倒的ナンバー1。

立憲は「高額療養費医療制度の8月の負担増をやめて200億円を追加する」予算案修正を提案、酒井なつみさん、国対ヒアリング14回の成果で政策パッケージ打ち出す

2025年01月31日 18時11分19秒 | 第217通常会 2025年1月召集
[写真]立憲民主党の酒井なつみ衆議院議員、きょねん2024年4月、東京・豊洲で、宮崎信行撮影。

 立憲民主党は国会閉会中に「予算案の国対ヒアリング」を1時間かける14回開きました。取材コードは「マスコミフルオープン・ライブ配信不可」でしたが、正直まるっきり報道されなかったようです。かくゆう私も現地取材しなかったのですが、延べ14時間の間に、高額療養費医療制度(高療)の8月の見直しに照準をあてる動きができていました。

【衆議院予算委員会 きょう令和7年2025年1月31日(金)】
 「令和7年度予算案」の審議は2日目。基本的質疑1日目となります。
 自民党の小野寺五典政調会長は「当初なら、昨日から始まるはずだ。熟議(と公開の政治)なら一日一日を大事にすべきだ」と安住淳予算委員長(立憲民主党)にくぎをさしました。
 枝福(枝野代表・福山幹事長)とよばれた「旧立憲民主党」は2019年4月の統一地方選で「当事者の候補」による「すべての人に居場所と出番を」「右でもない左でもない前へ」「草の根からのボトムアップの政治」を掲げて、定数が大きい神奈川、東京で議席を大幅に増やしました。泉さん、岡田さん、野田さん、小川さんが知らない景色です。女性候補は全国で現新元の全員が当選する完勝で、ほぼ全員が再選し地方議会で2期生となっています。国会に立候補したのは現段階で酒井なつみさんだけで当選2回となっています。「がんサバイバー」のほか「助産師」としても「選択的夫婦別姓」でも当事者とされています。

 酒井さんは、水曜昼の「国対役員・理事合同会議」を先輩からのご指導でしょうが、陪席して傍聴していたので、起用が早かったとみられます。

 酒井さんは「予算委員会で初めて質問に立たせていただきます。どうぞよろしくお願いいたします。私からは、高額療養費制度の限度額引き上げについて質問をいたします。私は政治の道に進む前、看護師、助産師として12年間、医療現場で努めてまいりました」と語りました。
 そして「28歳でがんの闘病経験をしました。宣告をされたときには、目の前が真っ暗になりました。 貯金もあまりなく、抗がん剤で髪の毛が抜けたときにも安いウィッグしか買えませんでした。経済的にもとても苦しい思いをしました。そのため、がんになっても大きな病気になっても安心して暮らせる社会にしたいというのが私の政治の原点です」と述べ、当事者が10名傍聴していると紹介しました。

 高額療養費制度は健康保険法115条と国民健康保険法57の2条に法的根拠があり、組合・市町村が保険料から差し戻す仕組みで、その計算式は政令で決まっています。

 酒井さんは「高額療養費制度の上限額が(8月から)引き上げられること、そしてその金額の詳細を知り、大変驚きました」とし「自己負担の限度額が40%増や70%増となる人も出てきてしまうんです」と話しました。そのうえで団体の冊子を紹介し、20代のスキルス胃がんの女性が「高額療養費制度を使っていますが、支払いは苦しいです。家族に申し訳ないです。引き上げられることを知り、泣きました。私はいずれ死ぬのでしょうが、子供のために少しでも長く生きたいです。毎月さらに多くの医療費を支払うことはできません。死ぬことを受け入れ、子供の将来のためにお金を少しでも残す方がいいのか、追い詰められています」などと紹介しました。

 政府は、8月の変更を先送りした場合は、来年度予算案では200億円の措置が必要だと答弁しました。これを受けて酒井さんは、先送りするための予算案修正を求めました。

 階猛さんは、日銀に対して物価高への対応を問いました。
 近藤和也さんは、臨時国会での補正予算の「1000億円を能登に」の総則の修正成立に感謝の意を述べました。

 立憲は昨日の次の内閣で、「新しい金融政策ワーキングチーム」を設置し、「2023年2月3日付の新しい金融政策の実現に向けて」を改定することを決めました。階さんは顧問に格上げされ、近藤和也座長、桜井周座長代理、小山展弘副座長、米山隆一事務局長、藤岡隆雄事務局次長、高木まり同の7役員を決めました。このうち米山さんは緊縮財政派、桜井さん、藤岡さんは積極財政派の代表格とされており、政策変更につながるかもしれません。

 その近藤和也さんは、「半島振興ワーキングチーム」役員にも昨日決まりました。「半島振興法改正案」(217閣法=未提出)は3月末の日切れなので短期間となりますが、逢坂誠二顧問、渡辺周同、森山浩行座長、山田勝彦事務局長、副事務局長がおおつき紅葉、升田世喜男、岡田華子、緑川貴士、近藤和也、福森和歌子、亀井あきこ、平岡秀夫、川内博史、野間健、勝部賢志、徳永エリ、田名部匡代、福山哲郎、森本真治、広田一の各議員となります。

 予算委に戻って、3年ぶりに国政復帰し岐阜4区で当選(対抗馬は引退)して5期になった今井雅人さんは、前日の高裁の森友学園文書の開示について首相に問い、首相は高裁判決を読んでみたいという前向きな答弁をしました。

 週明け月曜日(2月3日)は9時から岡田克也さんが質問します。首相は来週金曜日(2月7日)にトランプ大統領と会談する方向で調整が進んでいます。議決済みの松本参考人の招致は再来週月曜日(2月10日)を見込んでいます。

【参議院政治倫理審査会 同日】
 異例の裏番組として、政倫審が開かれました。末松信介さんは、速報した通り、5人衆に経緯を問いただしたのにわからず、「中心的な役割を果たした方がつぶさにお話をしていただかないと、その解明のところには届かない」と語りました。元北海道知事で、通商産業省で岡田克也さんと同期(昭和51年)の高橋はるみさんも、弁明しました。高橋さんは初当選の時にも、二輪車で選挙をした全国比例の橋本聖子さんとウグイスの労務員報酬が法定の日当1・5万円を超えていたのではないかという公職選挙法違反に関して報じられたこともあり、これで2回目となり、国政では運がないようです。ちなみに初当選直後に、同期が企画した会では、岡田克也さんも参加しましたが、すぐに週刊誌報道が出て、岡田さんは記者団に「はるみちゃんに会ったのは、週刊誌に書かれる前だ」と強調し、いつも通りの逃げ足の速さをみせました。

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