[写真]鈴木貴子衆議院議員、おととし2019年、自民党大会会場で、宮崎信行撮影。
「こども庁設置法案」を総選挙後の翌年となる、令和4年2022年に提出する方向性でのとりまとめを、菅首相・二階自民党幹事長が指示しました。
自民党の若手・山田太郎参議院議員と自見はなこ参議院議員が首相への提言書をとりまとめた勉強会の独自ホームページを新設して、情報を発信しています。
当ニュースサイト記事では、山田さんらの写真がなく、勉強会メンバーのうち主催者の近くに座っている、鈴木貴子さんの写真を使いました。
勉強会のホームページでは、厚生労働省・文部科学省・内閣府・法務省・経済産業省に横串をさしたい、との意気込みを示しています。
立憲民主党の枝野幸男代表は先月2日の定例会見で、「15年ほど前から、こども家庭省(子ども家庭省)を提案している」として、必要なら今国会で成立させろと挑発しました。
しかし、首相に提出した提言書は、かなりまとまりのない内容。来月の経済財政運営の骨太の基本方針には、具体性なく「創設」だけ書き込まれることになるかもしれません。官僚による自民党族議員に対する骨抜きが活発化するのは確実。首相も二階幹事長に下駄を預けた格好とみられます。しかし、党内に置いて唯一の菅派である先輩議員・野田聖子幹事長代行が、若手の山田太郎・自見はな子参議院議員らに政策をとられたと不快感を示しており、具体的な法案が公約・提出になるかは不透明。
提言書は
「新設する「こども庁」には子どもに関する課題(子どもの虐待、自殺、事故、不登校、いじめ、貧困、DV、非行、教育格差等)の網羅的・一元的把握と医療・保健・療育・福祉・教育・警察・司法等の各分野における子ども関連施策について、縦割りを克服し府省庁横断の一貫性を確保するための総合調整、政策立案、政策遂行の強い権限をもたせる」
としています。「子どもの虐待・自殺・事故と貧困・教育格差」の情報を共有するために「医療・教育・警察・司法」の縦割り打破をめざす、と読めます。そもそも、医療、教育、警察、司法は所管官庁が違い、「違憲の提言書」です。
霞が関の横串に続き、国と自治体の縦串について「国の施策のみならず都道府県、市区町村間での連携」するとしましたが、虐待・自殺・事故の情報は県の警察、いじめは市の教育委員会が情報を持っているとみられ、わざわざ「庁」をつくらない方が情報は共有できると考えるのが妥当でしょう。
そして「認定こども園、幼稚園、保育園の設置形態の違いにかかわらず幼児教育、保育の質を担保、向上するための施策を徹底して行う」と書いており、まったくその通りですが、学校法人が経営する幼稚園と、社会福祉法人が経営する保育園は、文科省と厚労省が百年以上「代理戦争」をつづけており、2008年の小渕優子大臣リポートや、2012年の野田佳彦首相・岡田克也副総理らの「社会保障と税の一体改革」で改革した後も、「チルドレンファースト」とはとうてい言えません。
省益と学校法人・社福法人の対立などの自民党政治の長年の祝阿を、ここ20年間の官邸主導政治の流れに乗って、縦割り排除の美名のもとに一気に押し流してしまう、稚拙な構想としか思えません。
[写真]野田聖子・自民党幹事長代行、おととし2019年2月、長野市で宮崎信行撮影。
上述の通り派閥「きさらぎ会」が15人しかおらず、自民党総裁・幹事長室内の腹心も先輩の野田聖子幹事長代行しかいない菅首相。キングメーカー3人の1人である二階幹事長に下駄を預けた格好です。まずは来月の「経済財政運営の骨太の方針」にどのように書き込まれるかが、喫緊の焦点となります。
このエントリーの本文記事は以上です。
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「こども庁設置法案」を総選挙後の翌年となる、令和4年2022年に提出する方向性でのとりまとめを、菅首相・二階自民党幹事長が指示しました。
自民党の若手・山田太郎参議院議員と自見はなこ参議院議員が首相への提言書をとりまとめた勉強会の独自ホームページを新設して、情報を発信しています。
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勉強会のホームページでは、厚生労働省・文部科学省・内閣府・法務省・経済産業省に横串をさしたい、との意気込みを示しています。
立憲民主党の枝野幸男代表は先月2日の定例会見で、「15年ほど前から、こども家庭省(子ども家庭省)を提案している」として、必要なら今国会で成立させろと挑発しました。
しかし、首相に提出した提言書は、かなりまとまりのない内容。来月の経済財政運営の骨太の基本方針には、具体性なく「創設」だけ書き込まれることになるかもしれません。官僚による自民党族議員に対する骨抜きが活発化するのは確実。首相も二階幹事長に下駄を預けた格好とみられます。しかし、党内に置いて唯一の菅派である先輩議員・野田聖子幹事長代行が、若手の山田太郎・自見はな子参議院議員らに政策をとられたと不快感を示しており、具体的な法案が公約・提出になるかは不透明。
提言書は
「新設する「こども庁」には子どもに関する課題(子どもの虐待、自殺、事故、不登校、いじめ、貧困、DV、非行、教育格差等)の網羅的・一元的把握と医療・保健・療育・福祉・教育・警察・司法等の各分野における子ども関連施策について、縦割りを克服し府省庁横断の一貫性を確保するための総合調整、政策立案、政策遂行の強い権限をもたせる」
としています。「子どもの虐待・自殺・事故と貧困・教育格差」の情報を共有するために「医療・教育・警察・司法」の縦割り打破をめざす、と読めます。そもそも、医療、教育、警察、司法は所管官庁が違い、「違憲の提言書」です。
霞が関の横串に続き、国と自治体の縦串について「国の施策のみならず都道府県、市区町村間での連携」するとしましたが、虐待・自殺・事故の情報は県の警察、いじめは市の教育委員会が情報を持っているとみられ、わざわざ「庁」をつくらない方が情報は共有できると考えるのが妥当でしょう。
そして「認定こども園、幼稚園、保育園の設置形態の違いにかかわらず幼児教育、保育の質を担保、向上するための施策を徹底して行う」と書いており、まったくその通りですが、学校法人が経営する幼稚園と、社会福祉法人が経営する保育園は、文科省と厚労省が百年以上「代理戦争」をつづけており、2008年の小渕優子大臣リポートや、2012年の野田佳彦首相・岡田克也副総理らの「社会保障と税の一体改革」で改革した後も、「チルドレンファースト」とはとうてい言えません。
省益と学校法人・社福法人の対立などの自民党政治の長年の祝阿を、ここ20年間の官邸主導政治の流れに乗って、縦割り排除の美名のもとに一気に押し流してしまう、稚拙な構想としか思えません。
[写真]野田聖子・自民党幹事長代行、おととし2019年2月、長野市で宮崎信行撮影。
上述の通り派閥「きさらぎ会」が15人しかおらず、自民党総裁・幹事長室内の腹心も先輩の野田聖子幹事長代行しかいない菅首相。キングメーカー3人の1人である二階幹事長に下駄を預けた格好です。まずは来月の「経済財政運営の骨太の方針」にどのように書き込まれるかが、喫緊の焦点となります。
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