午後1時から再開される、参議院本会議で、秋野公造法務委員長に対して、共謀罪法案(193閣法64号衆修正)の審査状況について、中間報告を求め、その後、本会議で採決し、成立させてしまう動きが、自民党にあることが分かりました。参議院民進党の幹部の公式SNSで発信されました。現時点(午後1時時点)で正式な提案はしていないようですが、本会議中に緊急動議が出る可能性があります。自民党は参議院で28年ぶりに単独過半数を持っていますから、動議が出れば、その後、可決・成立まで押し切れる計算になります。
この前兆として、西田昌司・法務委理事ら、参議院自民党国対は、前夜から、「問責決議を出したということは、法案の審議が尽くされたと、民進党が判断した証拠」という、分かるような分からないような、認識を新聞記者に話していました。
【追記】
午後1時再開予定の本会議は、再開せず、ずれ込んでおり、議事の前さばきに相当な時間がかかることも予想されますが、問責決議案の処理は、当然与党も今日の遅くない時間帯までに済ませたいはずです(午後1時7分記す)。
●中間報告とは?
「吊るす」と「おろす」は国会の正式な刊行物でも使われる言葉。法案を議長が、委員会に対して審査するよう付託することをおろすといいます。野党が重要法案について、本会議での趣旨説明と代表質問を求めた場合、それまでは、議長は委員会におろすことができなくなり、その期間は、つるしたことになります。
一度、おろした法案を、なかなか、委員会が採決せず、審査結果報告書が議長に上がってこないときに、議長が委員長に対して本会議で中間報告をするよう求めることができます。すなわち「一度、おろしたものを、吊るす」ということになります。
中間報告に対する質疑もできます。どちらかといえば、野党が委員長ポストを持っているときの国会戦術です。基本的には与野党伯仲期に一時的に「流行」することが多い戦術。今回は28年ぶりの自民党衆参単独過半数体制の通常国会ですから、本来考えられない戦術です。きょうは、公明党の秋野委員長に中間報告を求めるて、その後、議場で立ち上がって採決動議を出し、起立採決を繰り返して、可決し、成立させたい構想だろうとみられます。
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(C)2017年、宮崎信行。
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