宮崎信行の「新・夕刊フジ」

元日本経済新聞記者の政治ジャーナリスト宮崎信行が衆参両院と提出予定法案を網羅して書いています。業界内で圧倒的ナンバー1。

こども政策として賃貸住宅の再活用プログラムが与野党政調会長から高まる、国交相前向き

2023年02月03日 18時42分56秒 | 第211回通常国会(2023年1月)
[写真]ある8月上旬の土曜の昼下がり、UR賃貸住宅の自宅に帰る前に、路上で会話する若い男女、荒川土手で宮崎信行撮影。

 月曜日から始まった予算審議で、自民、立憲の政調会長が「こども」政策から、公営賃貸住宅の入居優先を促し、首相・国土交通大臣・こども担当大臣が前向きな意向を示しました。

 月曜日(1月30日)に萩生田光一さんは空家などを公が間に入って、子育て世帯にサブリースするしくみを提案しました。斉藤鉄夫大臣の答弁は質問とかみ合っていませんでしたが、「子育て世帯が優先的に入居できるしくみを拡大していきたい。その際将来的に新たな子育て世帯に入れ替わることも考慮して、入居期間を一定期間とすることも有効だ」と述べ、親の収入が上がった際は賃貸住宅から退去する前提の制度設計を再開したい考えを示しました。

 火曜日(1月31日)に長妻昭さんは「例えば住宅確保給付金は13万件だけ、住宅セーフティネット制度は300棟しかない。イギリスでは人口の2割が住居費補助を受けている」としました。

 首相は「社会経済の変化にともなった子育て施策を用意する」とし「若い方々の賃金を上げ、そして住宅の充実を図る取り組みは重要だ」と答弁しました。

 1970年代は、子育てワンオペ世帯が公営住宅を賃貸しつつピアノを所有できる「団地ピアノ」は日本の中間層の豊かさを象徴する世界の憧れとされました。しかし、嫉妬深い日本人社会では、「持ち家信仰」が高まり、平成元年の持家率42%が令和元年59%へ高まりました。この間、20歳代の個人の1人平均での債務額は名目で2・5倍になりました。

 国土交通省住宅局は「UR賃貸住宅」を展開していますが、偏在しています。同じ住宅局の「住宅金融支援機構」は、「ペアローン」という新商品を販売し、共働きのパワーカップルに1億円の区分所有住宅の共有名義での所有を促し、債務は個人名義で互いを連帯保証させています。「絶対に離婚できない」という女性など人間の深層心理を政府が悪用しているとの批判もあり、「子はかすがい」の価値観に戻るべきだとの意見もあります。

 このようなことから、都道府県庁や国交省などの下部組織が開発した共同賃貸住宅の新築も含めた拡大・流動性確保を求める意見が再び有力になりつつあります。このため、与野党の政調会長から同時に、こども政策としての住宅政策の見直しプログラムが30年ぶりに再浮上したことになります。

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Ⓒ2023年、宮崎信行 Miyazaki Nobuyuki、宮崎機械株式会社。

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