宮崎信行の「新・夕刊フジ」

元日本経済新聞記者の政治ジャーナリスト宮崎信行が衆参両院と提出予定法案を網羅して書いています。業界内で圧倒的ナンバー1。

山一証券自主廃業で橋本龍太郎首相を「そんなこと答えられるわけないだろ!」と激怒させた記者の消息は?

2015年11月21日 18時59分13秒 | 経済

[写真]橋本龍太郎首相(自民党総裁)=首相官邸ウェブサイトから。

 あすで、「山一證券自主廃業へ」の日経新聞1面報道から、18年となります。

 きょう、国立国会図書館で見つけた資料は、週刊新潮1997年12月11日号の62ページの次の記事=画像下=。


 平成9年1997年11月22日(土)、橋本龍太郎首相に「山一證券自主廃業へ」の情報に関して最初に質問した記者に、首相は

 「ちょっと待ってくれよ。今、会見を終わって、そんなこと、そんなことなんて言っちゃいけないが、答えられる状況にあったかい」。そして、さらに記者が質問を繰り出そうとする、

 「そういう情報を聞いていないと言っているじゃないか」と気色ばむ始末。その後も

 「正確な情報が入っていないから答えられない」

 この山一證券自主廃業について、橋本首相に質問を繰り返し、気色ばまれた記者。この記者のその後の行方が気になります。今どうしているのでしょうか。

 それは、私です。私・宮崎信行が、当時日経新聞政治部記者だった私なんです。

 この問答は、午前3時台だったため、新聞製作上の都合で、あまり新聞縮刷版に載っていません。

 このほかにも、私は「正確な情報が入っていないということは、その方向で調整中ということは知っているのか?」「総理は予算委員会や私たちに対して、日本経済のファンダメンタルズは悪くないと、たとえば、ここ3週間ぐらいの日本にとってポジティブとは思えないマーケット状況にあって認識を述べてきたが、その認識には変わりがないと現時点で確認してもいいのか」という質問もしました。

 このやり取りは、その後森内閣まで続いた、「ぶら下がり取材」という形式で、首相が首相官邸内、国会内の2か所で、移動中に、廊下で記者が質問。その問答を、記者が記憶をたよって、メモ起こしし、全社が共有するしくみです。なので、ハッキリって、記者が聞いた通りではないのですが、そのテキストは全社まったく共通になっていました。

 この「そんなこと、そんなことなんて言っちゃいけないが」の部分を起こした時に、他社からそんなことは2回ですね?と聞かれたことは鮮明に覚えています。

 その後も私は、橋本龍太郎首相番をつとめました。民主党担当に異動するさいは、林洋和・首相事務秘書官から「あの子は日経だけに、経済に強いね」と橋本首相が言っていた、とのお言葉ももらいました。

 きょう、当時の記事をいろいろと見ましたが、金融システムの危機というのは、ことが起こって数日後になって、ようやく見出しが立つものだな、と感じました。この数か月前から「拓銀、山一社員の夏のボーナスはどうなった?」という特集が組まれていたにもかかわらず。最大野党・新進党は、ひたすら創価学会系議員との内部分裂を煽る記事ばかりで、翌月、小沢一郎党首がキレて、本当に解党してしまいました。これ創価学会系議員が「公明」という固有名詞(政党登録)を持っていたから記事になりやすかったのかも。

 安倍晋三首相に対して、記者が委縮しています。ただ、きょう、あらためて振り返ってみて、今は、しょうがないかな、という気もしました。

 この日に生まれた赤ちゃんが、あす18歳になります。

 持続可能な日本を!

このエントリー記事の本文は以上です。

(C)宮崎信行 Nobuyuki Miyazaki
(http://miyazakinobuyuki.net/)

[お知らせはじめ]

この無料ブログ(goo)のほかに、有料版の宮崎信行の今後の政治日程(有料版)レジまぐ)を発行しています。購読料は、月864円(税込)となります。購読方法は「レジまぐ」(メディア・インデックス社)まで。

「国会傍聴取材支援基金」で、日本唯一の国会傍聴ブログにご協力ください。「国会傍聴取材支援基金」の創設とご協力のお願い

郵便局(ゆうちょ銀行)の口座から、毎月自動送金できます。手数料毎月123円です。通帳、印鑑、名前を確認できるものの3点セットで、郵便局の窓口でお手続きください。

[お知らせ終わり]


コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 第190回国会提出の「TP... | トップ | 第190回通常国会提出の雇... »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿