【元日経新聞記者】宮崎信行の国会傍聴記

政治ジャーナリスト宮崎信行、50代はドンドン書いていきます。

玉木雄一郎さん「道路特定財源を復活させない絶対の方法を教える」 衆・予算委スタート

2013年02月07日 17時57分54秒 | 第183通常国会(2013年1~6月)附則・附帯決議

【平成24年度第1次補正予算(案)への基本的質疑1日目 衆議院予算委員会 2013年2月7日(木)】

 2月7日にして、ようやく、補正予算案の衆院予算委での基本的質疑1日目となりました。スケジュールがぎりぎりのようにも思えますが、自民党政権大丈夫なんでしょうか。与野党ともミスが許されない緊張感ある第183回通常国会となっています。

 衆議院予算委員会(山本有二委員長、50人)は民主党は理事が1人、委員が5人となっています。閣僚席・政務三役席は自民党議員ですから、なんともさみしくなりました。

 このため、午前中の自民党議員の間に前原誠司ネクスト財務大臣が登場するなどの工夫で、合計6人が民主党から質問に立ちました。

 やはり、玉木雄一郎さんが印象に残りましたので、玉木さんに絞って書きたいと思います。

 玉木さんは「きょうの議論を聞いていて違和感を感じた」として、「この時期に大幅な国債を発行して、大幅な金額の景気対策をすることへの危機感が感じられない」と喝破。郷土の英雄である大平正芳さんの名を出し、「大平正芳大蔵大臣が初めての国債を発行しようとしたときには悩んだ」とエピソードを紹介し、「安倍晋三首相ら自民党は国債発行に慣れてしまったのではないか」と諭しました。

 安倍首相は「10兆円補正」の積算根拠について「10兆円の規模ありきではなく、重点の3分野を積み上げたら、結果10兆円になった」とし、「デフレ脱却に資する」と述べました。これは問題答弁とも言えるし、さすが3世議員のお坊ちゃん政治家だと妙に感心してしまいました。

 ここで、パネルを出し、平成23年度決算の税収が43・83兆円、国債発行が43・80兆円で、4次補正までした復興予算の平成23年度決算で税収が国債を上回っていたとの新事実を公表しました。なお、この国債には、建設国債、復興債は入っていないんだと思います。

 そして、「本会議で岸本周平議員も指摘したが」と述べました。この後に質問に立った岸本周平さんも「さきほど玉木雄一郎議員も指摘したが」とお互いの名前を述べており、政権交代から小選挙区2回連続当選の2人が、良きライバルになっているようでよかったです。まあ13歳差ですから。そして、今国会にいない130人は、NHKを見ながら、どのような心境になったのか。悔しいと言うよりも複雑な気持ちでしょう。ただ、政権交代ある小選挙区2大政党政治では、30代前半の議員は別として、これから先に、玉木・岸本を抜く、ということは無理なんだろうと感じます。だから、玉木首相、岸本首相を衆議院議長として支えよう、という発想の展開が必要でしょう。

 衆議院第一委員室にもどって、玉木さんは、「本会議で岸本議員も指摘していたが、財務省主計官は、当初予算の査定では徹底的に(概算要求を)叩きまくるが、補正予算となると、一気にゆるむんです」として、麻生太郎財務相をただします。ここで、麻生財務相は「補正予算は緊急性が高いから」との答弁を引き出しておいて、さっそうとパネルを取り出しました。パネリストは同期の後藤祐一さん(神奈川16区比例復活)。

 ここで、「JENESYS2.0(じぇねしす2てん0)および北米地域との青少年交流」というパネルを出して、岸田文雄外相が答弁。そのうえで、「補正予算でこういうことをやると、財政は破綻する」と語りました。

 また、私も補正のたびに気になっていた文科省の予算も取り上げ、「心のノートは9割の学校のうち4分の1は必要なときにPDFをダウンロードして使っているが、今回の補正予算に盛られているのは紙だ」と指摘。選挙区内に印刷業者が多い下村博文文科大臣は緊急性を強弁しました。

 この後、「当選3回の稲田朋美・行革大臣に期待している。行革大臣は出世の登竜門」とすると、稲田大臣は「初めて予算委員会で答弁させていただきます」と初々しく答弁。

 玉木さんは「同じ行革村の一人として応援したい。 そのうえで、事業仕分けは廃止してもいいけど、行政事業レビューシートは残して欲しい」と要望しました。

 ちなみに、新聞記者業界では「ネタ元」を探すのはあまりお行儀は良くありませんが、玉木さんの青少年交流や心のノートは外務省や文科省の行政事業レビューシートを見ていて問題意識を持っていたのだろうと考えます。そして、平成23年度決算は、なんと昨年の11月16日(金)の解散当日に国会に提出されたものです。ですから、提出当日に目を通した衆議院議員は一人もいなかったでしょうが、玉木さんはこうしてパネルにしているのです。これが衆議院なんです。だから1期生は、解散までのサイクルを覚えるまでは、ぞうきんがけに徹するべきだったんです。

 衆議院第1委員室に戻ります。

 ここで、野田毅・自見党税制調査会長が書いた与党平成25年税制改正大綱に「道路特定財源のような書きぶりが入った」ことについて、安倍首相から「絶対違う」と答弁を引き出しました。そのうえで、「私は安倍首相は改革派の仲間だと信じています。だから、道路特定財源を絶対になくす方法を教えましょう」。

 そのうえで、昨年の第180回通常国会に民主党政権が提出し解散で廃案となった「特別会計改革法案」では、「社会資本整備事業特別会計を(空港整備勘定の経過勘定化をのぞいて)廃止(して一般会計化)することになっている」として、特別会計改革法を自民党政権が成立させれば、道路特定財源化をめぐる混乱は起こりようがないと教えてあげました。

 なお、5年前のガソリン国会(道路国会)でなつかしい、治水特会、道路特会などの「社会資本特会」を廃止すると、4・5兆円の財源が一般会計に入ります。6年前の「年金国会」を受けた「消えた年金」追及も、長妻昭さんが質問の最後に予告しており、頼もしい限り。

 これについて、おとといの衆議院本会議で、野田聖子自民党総務会長は「自民党が道路特定財源を復活させるかのような報道は、新聞の誤報であり、意図的な情報誘導だ」としたうえで「安倍内閣への忠誠をお誓いして、私の質問といたします」としました。このように自民党総務会長が新聞のせいにしたうえで、総裁(総理)への忠誠をお誓いするやくざ・あねごの自民党国会から、麻生副総理をだしにし、岸田外相、下村文科相を攻撃した上で、稲田行革相をたたえ、安倍首相を盛り上げ、廃案になった法案の成立をお願いする。疲れるけれども、力のある者たちが「決める政治」。

  玉木さん、すごすぎるかも。

 「野田・高市」の罵りあい足の引っ張り合いコンビから、「玉木・岸本」のお互いをたたえ支え合うコンビへ。

 余裕がない時代の新しい日本。歴史の歯車も早く回り出しています。それは運命だと思えば、何もおそれることはありません。まあ、2区に限らず香川県とか、1区に限らず和歌山県だとか、そういう土壌があるんじゃないですか、きっと。

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◎さあいよいよ、最強野党のお出ましだ!

2013年02月07日 08時17分46秒 | 第183通常国会(2013年1~6月)附則・附帯決議

[写真]左上から時計回りに民主党の前原誠司ネクスト財務大臣、原口一博ネクスト総務大臣、辻元清美さん(ここまでプレス民主から)、長妻昭・衆予算委筆頭理事、玉木雄一郎さん(おのおの本人ウェブ)、岸本周平さん(民主党ホームページ)。

 「政治とは、情熱と判断力の2つを駆使しながら、堅い板に力をこめてじわっじわっと穴をくり貫いているいく作業である」

 ーーマックス・ヴェーバー『職業としての政治』。

 「当時を顧みて、熱病にかかったようだったと冷ややかに言う人もいる。しかし、あのとき、私たちはひたすらに日本の政治を何とかしたいと思っていた。政治改革実現のためなら、自らの政治生命を捧げても構わないとさえ思いつめていた」

 ーー岡田克也『政権交代この国を変える』。

 私はいわゆる団塊ジュニア世代、偏差値至上、画一主義教育の世代なので「失敗したら一発アウト」ルールの中で生きてきましたが、私に向かって「感情的になってはだめだ」と批判した人の方がアウトになった、先の総選挙でした。拳は振り上げても、降ろさない。そのテクニックが分かっていないんですよね。左ほほに未だに子どもの頃のけんかの傷があるちんぴらの小生ですが、拳は振り上げても降ろしてはいけないという下町育ちに感謝しています。

 あの第126回宮沢嘘つき解散国会から20年目の通常国会。2月7日ということで、予算審議がスタートしますが、まだ補正の審議です。衆議院第1委員室は、イギリス庶民院本会議場と同じくらいの広さだそうです。いつか観光でも、公費派遣でも行ってみたいところですが、それはさておき、最強野党・民主党の予算委員会がさあいよいよスタートです。

 集いも集いし精鋭たち。きらめくばかりのスターたち。7日は、前原誠司ネクスト財務大臣が午前中に登場。その後、午後からは原口一博ネクスト総務大臣、辻元清美さん、長妻昭筆頭理事、玉木雄一郎さん、岸本周平さんが質問に立ちます。とくに今回の補正に関しては4月以降の国政調査(予算の執行状況に関する調査)を6月26日の会期末まで続ける必要があり、とにかく、予算委員会国会となります。

 NHK国会中継・ニコニコ生放送の予算委員会審議はTwitter(https://twitter.com/kokkai_live)でも最新情報をお知らせしますし、質問にもお答えします。

 我が党の予算委員は6名のみ。さしかえも交えて、スター議員を惜しげもなく投入する委員会運営で巻き返しです。自民党は、「衆議院審議3日間」と相変わらずの国会軽視を見せましたが、10兆円補正ですから、「衆議院7日間」は必要です。しかし、予算とは血液の循環同様に年度に関係なく毎日続くので、きょうから会期末まで、毎日が予算審議、毎日が予算の実施状況の調査ということになるでしょう。

 とはいえ、日本維新の会は首長経験議員による「首長ファイブ」を結成。みんなの党は前職が全員継続して議員を務めています。実は、我が党は、維新、みんなとの準決勝をたたかっているんだという意識が必要です。朝日新聞社主催の「甲子園」同様に「負けたら終わり」と心得るべし。 

 鳩山自由党、浅沼社会党、春日民社党、土井社会党、河野自民党、小沢民主党といろいろ野党はありましたが、海江田民主党が最強野党であることは言うまでもありません。その憲政史に残る最初の一歩がきょう2013年平成25年2月7日(木)の衆議院予算委員会ということになります。有権者のみなさまはだいぶ「政権交代ある政治」のメリットを理解してくださっていますが、きょうからの第一委員(会)室をていねいにやってお見せするのが完成への途上です。とにかく、目で見て分かってもらわないと政治は機能しません。有権者は1億人もいるのですから。

 さあいよいよ、最強野党・民主党のお出ましです!

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岸本周平、松野副隊長、山内「3本の矢」で大枠をただせ! 補正予算審議スタート

2013年02月05日 18時55分50秒 | 第183通常国会(2013年1~6月)附則・附帯決議

【画像】右手で安倍・麻生財政をただす、民主党の岸本周平さん、2013年2月5日(火)、衆議院インターネット審議中継から。

【2013年2月5日(火) 衆議院本会議 麻生太郎財務大臣の財政演説に対する代表質問】

 平成24年度第1次補正予算(案)の趣旨説明である、麻生財務相の財政演説に対する各党代表質問がありました。総理の所信表明から4日補正予算案提出が遅れたので、本会議で代表質問になったのでしょうが、民主党がお得意の予算委員会に入れないのが残念なところです。

 トップバッターは、民主党2期生の岸本周平さん。そして、5期生で5年前は「ガソリン値下げ隊副隊長」だった日本維新の会国会議員団幹事長の松野頼久さん。みんなの党山内康一さん。 3人とも「政権交代チルドレン(小沢チルドレン)」、「細川チルドレン」、「小泉チルドレン」ながら、初当選以降は連続して当選している人です。もちろん、この人たちの同期で、今本会議場にいない人の顔も浮かびます。しかし、大いに悔しがってほしい。そして、勉強するよりも先に、まず自分自身に謙虚さにかけている面がなかったかどうかを反省して欲しいです。

 岸本周平さんは補正について「年度途中で税収見積もりを増やし、財政支出を増やすのは、自民党の常套手段だ」とし、「とにかく今まで(財務省主計局が)認めなかった事業のオンパレードだ」と今次補正を批判し、「日本の財政規律を駄目にしているのは、(本予算ではなく)補正予算だ」としました。このように、自民党的補正予算(緊急経済対策)のあり方を大枠でとらえる論立てで、期待通りの名演説でした。今までの「政策オタク民主党」から踏み出して、大枠の議論が聞かれました。

 そして、「合意もなく負担を押しつけられる子どもたちに対する真摯な姿勢が感じられない」と政治家になった情熱を隠そうとせずに雄弁をふるいました。「財務省は費用対効果を計算しているはずで、その資料を出すべきだ」と注文をつけました。ぜひ、財務省は予算委に提出すべきです。

 松野頼久さんは、演壇に登ると、愛用のストップウォッチで時間をはかりました。「我が党は改革派保守政党で日本を守っていくために改革したい」とし、「自民党は守旧派保守政党だ」としました。そして、今次補正について「来年度予算を前倒しする粉飾予算だといっても過言ではない。各種団体に展望無くばらまくだけの旧来型だ」。ところで、松野さんは5年前の通常国会では「ガソリン値下げ副隊長」として活躍しましたがその次の通常国会でも「予算むだづかい削減隊員」でした。ところが、きょうの質問演説に「あれっ」と思うところがありました。松野さんは麻生補正(平成21年度第1次補正)の「地域活性化・緊急安心実現対策交付金をつくった実績もある」 と評価しました。そのうえで、今次補正の「地域の元気交付金の地方への裏負担は、本予算との間で混乱する可能性が高い」と批判しました。4年前に、松野さんは麻生補正の48基金すべてを批判していたように思います。きょうの演説では「地域活性化・緊急安心実現対策交付金」を評価しました。言うまでもなく、維新の会首長団の意見が反映されているのでしょう。実に政治家らしい政治家です。

 2つ当選を重ね、官房副長官をつとめ、橋下徹・大阪市長という傑出した首長と交わった中での成長を感じます。これとは別に、野田聖子・自民党総務会長は「安倍内閣を全力で支えていくことを誓い私の質問とさせていただきます」と述べました。この「忠誠をお誓いします」は、自民党関係の会合ではたびたび耳にします。本会議ではあまり聞かない印象ですが。松野さん、野田さんといった世襲議員たちの政治家らしさというのは、もっと見習って欲しいです。そして、非世襲議員というのは、与党になったときに、世襲議員よりもおごった態度を取ったら、次の選挙では一発アウトです。野田聖子さんは昨年の通常国会で初めて本会議に登壇したと質問演説し、どよめきを受けました。

 昨年の通常国会の衆議院社会保障と税の一体改革特別委員会では、3党合意直後に、みんなの党の山内康一さんが「後学のために3党協議のやり方を教えて欲しい」と質問し、同党内でも異彩を放ちましたが、質問の中で、子ども・子育て支援法に関して「(女性の)大学院生向けに大学内に企業内保育所をつくるべきだ」と述べて、その斬新さにはっとしました。というのは、働く女性が、出産時に退職して、専業主婦になり、子どもが手がかからなくなってから、また働くことが多いからだそうです。ちなみに、先日の日経新聞夕刊の1面コラムで、日産自動車の経営者が「あす我が社の本社に企業内託児所ができる・・・」と誇らしげに書いていましたが、東京紡績ついでカネボウ(鐘ヶ淵紡績)に企業内託児所ができたのは100年以上前のことです。

 さて、山内さんですが、きょうは「15ヶ月予算と言われているが、13ヶ月予算ではないか」とするどいつっこみをしました。山内さんにはいつもハッとします。私と同じ世代で、私もこういう人を煙に巻くのは好きなので、山内さんは好感が持てます。ちなみに、経世会・小渕恵三先生内閣が1999年に「15ヶ月予算」と呼んだのがおそらく初めてで、それを清和会の安倍ちゃんがまねているのが「15ヶ月予算」という言葉です。山内さんの言うとおり「13ヶ月予算」と呼ぶべきです。

 岸本周平さんの技術と情熱。松野頼久さんの飄々とした政治家らしさ。山内康一さんの個性と発想力。この3本の矢がそろったときに、自民党内閣にかわって、天皇陛下をお守りし、選挙権のない子どもたちによい日本を残していけるでしょう。社共は論外として、民主党内の「リベラル」教信者は切り捨てて、3本の矢で日本再建。政権交代ある政治が完成しつつある今、私ももっと地を出して、もっと本音で補正予算審議を見ていきたいと考えます。

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長妻昭筆頭理事は、自民党の「補正予算の早期成立こそが景気対策」とのプレッシャーをはねのけろ!

2013年02月04日 22時06分52秒 | 第183通常国会(2013年1~6月)附則・附帯決議

[写真]民主党の長妻昭・衆議院予算委員会筆頭理事、本人公式ページから。

 麻生太郎財務相は2012年2月4日(月)、衆参両院本会議で財政演説し、平成24年度補正予算(案)について「一般会計の歳出を10・2兆円増額し、歳入では5・2兆円の公債発行などの増額をしたい」と提案しました。

 一般会計の歳出(その限度額までその省が予算を使ってもいいですよという権限を国会が与えること)を10兆円以上増額するのは、野田内閣発足直後の第179臨時国会の復興予算(平成23年度第3次補正予算)の11・5兆円以来。このときは、召集日(2011年10月28日金)に野田佳彦首相の所信表明と安住淳財務大臣の財政演説が行われ、週明け10月31日(月)の衆院本会議で谷垣禎一ネクスト首相が「全国防災費とはなんぞや」などと代表質問でただしました。その後、11月21日(月)の参院予算委・本会議で可決、成立し、「復興債」、「復興庁」、「復興特区」などの予算関連法が11月30日(水)に成立しました。

 これに近い金額を増額補正するにもかかわらず、麻生財務相は「早期成立をお願いしたい」とし、衆院予算委員会の与党理事は、民主党の長妻昭・筆頭理事に対して「3日間の審議で衆院を通したい」と提案し、長妻さんは拒否しました。わたしもなるべく駆け引きはしたくありませんが、交付金も入れて10兆円以上ものボリュームの増額補正をしておきながら、「年度末だから早期成立させて早く執行さそろ」との自民党の典型的な「火事場泥棒」の連鎖を止めるときです。

 だいいち、補正予算で、本予算の歳出歳入の政策的経費のほとんどを補正してしまうことも可能です。だから、補正だって、1ヶ月審議してもいい。しかも、報道に載っていないのでよく分かりませんが、自民党は補正予算案の提出も遅れたし、特例法案が必要となる決算剰余金見込額全額の繰り入れもしていません。そして、どのような国債でも、5兆円の国債は払わなければいけません。

 経済対策だったら、補正予算(案)に盛り込まれているから本予算を前倒し執行するということも、各府省の胸先三寸でできるでしょう。建設会社、防衛装備品会社は「補正予算や新年度予算に入っているから」と見切り発車で、雇用を拡大したらどうでしょうか。そういう経営判断ができないような会社には、予算増額に伴う、景気拡大効果はあまり期待できませんから、官公需から手を引いていただききたいですな。 

 例えば、防衛装備品の水増し請求(私は請求書偽造事件と呼ぶべきだと考えていますが)をしている会社が一社応札するであろう契約が国庫債務負担行為で増額補正されていますよ。繰越明許費を活用しすぎたら、各府省の出し惜しみで、民間経済ではロケットスタートができませんよ。そしてなにより県庁への交付金による基金の造成です。これは県会議員が少ない民主党が「ピンチはチャンス」でしっかりと減額補正を提案してもいいくらいでしょう。

 とにかく初めが肝心です。東京っ子であり、岡田流機先を制すけんか作法を知りつつある、長妻筆頭理事に期待します。今国会質問主意書第1号提出者です。政治家は既得権益者に嫌われてこそ本物です。斎藤隆夫先生もそうだったし、斎藤隆夫除名決議に反対票を投じた7名の議員の中の一人が芦田均なのです。

 自民党は「早期成立が大事だ」というならば、もっと身軽な予算を組んで、召集日に提出し、速やかに財政演説をすべきだったのです。

 もしほんとうに3日間で衆院を通過させるつもりならば、「予算の執行に関する集中審議」を本予算成立後に5回ぐらい設定してもらわないと割にあいません。

 少し、海江田万里代表、細野豪志幹事長はけんかが下手すぎます。何事もはじめが肝心です。例えば、補正予算(案)の内容について、自民党財務省政務三役は国会提出前に民主党本部にきて、全議員説明会をやらないと、参院で反対する、というくらいのけんかをしかけてほしかったです。

 今のうちに徹底的に、野党第1党としての要求を自民党にふっかけなければなりません。

 参院選まで半年もあるんだから、もっと毅然として襟を正したうえで、一発びんたを浴びせないといけません。よっぽどAKBの女の子の方が、けんかのしかたを知っていると感じます。

 そして、まずは予算書に親しんでいただきたい。次のリンク先の情報にふれてみてください。こつは「ざっくりといいかげんにみる」ことです。

http://www.mof.go.jp/budget/budger_workflow/budget/fy2012/index.htm

http://www.bb.mof.go.jp/hdocs/bxsselect.html 

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民主党綱領、2013年2月24日採択へ 政権交代ある政治の原点「新生党綱領」と見比べるべきだ

2013年02月03日 10時10分56秒 | 岡田克也、旅の途中

【パシフィコ横浜で小沢容疑者逮捕!】

 共同通信によると、横浜市みなとみらい21地区(MM21)のパシフィコ横浜で、小沢亘容疑者が逮捕されたそうです。金髪のかつらをかぶってサングラスをかけ、黒のタイツにショートパンツ姿で女装して女子トイレに入ったそうで、パシフィコ横浜の小沢容疑者は人を欺くのがみえみえということでしょうか。戸部署もいい仕事しますね。

【民主党は新綱領採択へ、20年前の新生党綱領を読み直す】

 生産的でない話はこのくらいにして、
民主党は2013年2月24日(日)の定期大会で新綱領を策定します。私は、政権交代可能な小選挙区制が担保されていれば、二大政党の綱領なんてどうでもいいと考えているので興味はありません。ただ、改革政党としての原点である20年前の新生党基本綱領は今日でもいきるよくできたものだと感じます。そのうえで、民主党の「私たちの基本理念(1998年4月)」は岡田克也さん、枝野幸夫さん、川端達夫さんが1週間で書いたものですが、改めて読むと、「第2に、経済社会においては市場原理を徹底する一方で、」と明らかに岡田さんが原文を書いたとしか思えないところもあります。これは「岡田克也さんの理念」であって「原理主義政治家・岡田克也の理念」でもないし、民主党の理念でもないでしょう。


 ただ、衆議院選挙制度でも比例代表はあるし、参議院は中選挙区が残っており、現行選挙制度では「政権交代ある二大政党政治」は担保できていません。これだけ言われたのだから、綱領をつくってもいいでしょうし、細野豪志幹事長の情熱とたたき台は支持します。このたたき台で良い。細野さんはこの仕事を仕上げれば、議席は少なくても優秀な人材がひしめいている「岡田内閣官房長官レース」でトップに立てるんじゃないかな。

 もちろん、作業のなかで、綱領に「リベラル」などという共産・社会主義的な言葉が少しでも入ったら、民主党国会議員の大部分を占める無産階級議員は、落選し、無職となり、惨めな人生を送ることになりますから、これは強く警告します。

 自由主義を意味する「公正」と「(自立と)共生」の2語は絶対に入れる必要があります。まあ、それ以外はどうでもいいかなあ、というのが正直な感想です。

 綱領より大事なのは、選挙制度であることはいうまでもありません。

 羽田孜の政治改革を次の20年へ。20年後、岡田克也さんは80歳になっていますから、それまでには政権交代あるしくみと政権獲得時や下野時のルール、人事配置のあり方、官僚と与野党の接触の仕方、答弁、議員立法のしくみはっかりと後世に残せる状態にしなければいけません。アジア・アフリカ・中東諸国の政府・国会の派遣で、「政権交代ある政治」のしくみを学びにきてもらえる「リンゴと二大政党」の日本にしなければなりません。まっすぐに右向きに、日本を良くしていきましょう。

新生党の基本綱領(1993年6月)

一、わたしたちは、抜本的政治改革を速やかに実現し、国民の皆さんの参加、公開にもとづく新しい時代に即した民主政治を実現する新しい日本をつくります。
一、わたしたちは、不況からの脱出に全力を挙げ、諸制度を緩和し、社会的公正をはかりつつ、健全な市場経済を発展させる新しい日本をつくります。
一、わたしたちは、国際社会の責任と役割を自覚し、世界から信頼される新しい日本をつくります。
一、わたしたちは、地方中心で、活力ある政治、経済、文化などを発展させる新しい日本をつくります。
一、わたしたちは、かけがえのない地球を守る新しい日本をつくります。
一、わたしたちは、教育を国づくりの根本とし、生活者の視点に立ち思いやりのある諸政策を実行し、充実した人生が送れる新しい日本をつくります。


民主党綱領 たたき台(案)

民主党綱領検討委員会役員会

前文

 日本は古来より東西文化を融合し、大いなる繁栄と独自の誇るべき文化を発展させて来た。多大な犠牲をもたらした先の大戦からも見事に復興をとげた。

 しかし、経済の長期停滞、少子高齢化、人口減少による国力の低下に加え、新興国の台頭による国際的な地位の低下は、旧来の政治を機能不全とし、国民には長期にわたる閉塞感と不安感が広がっている。

 このような状況下で発生した東日本大震災及び福島第一原発事故は、未曾有の被害をもたらし、我々に生き方や、物質文明、科学・技術のあり方までも問い直している。

 大きな変革期を迎えた今、古い政治と決別し、公平・公正・透明なルールのもと、国民が生きがいをもって働き、互いに負担を分かち合う持続可能な社会を再構築しなければならない。そして政治家、政党と国民が信頼関係を築かなければならない。

 政権交代の成功と挫折を経験した今、我々は改めて原点を問い直し、さらなる進化を遂げ、国民政党として再生する。

綱領

一 基本的立場

 1998年、我が党は、「生活者」「納税者」「消費者」「働く者」の立場に立つ者が集まって誕生した。同時に、今と未来の世代に希望、幸福、安心を贈るべく、古い政治を変える意欲を持つ改革者が集まった改革政党でもある。我々は、この原点を忘れず、統治機構改革、規制改革、地域主権改革など政治社会の変革に取り組む。

二 共生社会

 すべての人に居場所と出番があり、互いに支え、支えられることは歓びである。この人間社会の可能性を、我々は「新しい公共」と呼び、これを支援することで人間らしい生き方のできる社会を目指す。中央政府が吸い上げてきた公共空間を地域に還し、地方政府、学校、NPO等多様な主体が連携しあう、強くてしなやかな共生社会をつくる。

三 正義と公正

 我々は、すべての人々が互いの人権を尊重し、正義と公正が貫かれる社会、男女協働を真に実現し、すべての国民が健康で文化的な生活を送れる社会、生涯を通じて必要かつ十分な学びの機会と環境が確保される社会をつくる。

四 幸福のための成長

 我々は、個人の経済的な自立を支援しつつ、弱い立場に置かれた人への温かい眼差しを忘れない。経済成長を目指しつつ、その果実を働き暮らす人々の真の幸せに役立てていく。得られた収入や時間を自己だけでなく他者を支える糧ともする、そんな人々の厚みを増やす。

五 安全保障と国際貢献

 我が国の豊かな文化や技術は海外との開かれた交流の中からもたらされた。我々は、外交の基軸である日米同盟を深化させ、隣人であるアジアとの共生を実現し、国際社会の平和と繁栄に貢献することで、「開かれた国益」を増進する。厳しさを増す安全保障環境に対応するため、専守防衛の原則の下、自衛力を着実に整備し国民の安全と領土を守る。

六 政治姿勢

 我が党に集う者は、様々な経験を積んで自らの意思で政治に携わっている。我々は、地域社会に根差した活動と、地域住民との触れ合いの中から課題を見出し、行動する。積極的な議論と結論の遵守を旨とし、健全な党内統治に貢献する。公開・参画・対話を重んじ、国民との協働による政策の決定と実行を目指す。

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政府は国庫債務負担行為の補正で「法務局を前倒し発注する」セコいことは止めろ 補正予算

2013年02月01日 18時38分19秒 | 第183通常国会(2013年1~6月)附則・附帯決議

[写真]民主党を代表して来週火曜日(5日)の本会議で政府の補正予算(案)をただす予定の岸本周平・衆議院議員。

 さきほどのエントリーに続き、政府がきのう(2013年1月31日)提出した平成24年度第1次補正予算(案)。

 とにかく気づいたころに衆議院で採決されちゃいますから、書きたいことは早めにどんどん出さないといけません。「自民党の辞書に国民の文字なし」、「自民党を見たら泥棒と思え」。1兆円単位の話ですから、真剣です!

 週明け4日月曜日の麻生太郎財務大臣(副総理)の衆参両院での財政演説から審議入り。この後、5日6日に衆参本会議で代表質問をしてから衆・予算委員会に入る運びのようです。詳しいことは今後の政治日程にも書きました。民主党からは2回連続小選挙区で勝った岸本周平さんが代表質問に立つようです。

 それにしても、なんで政府は召集日に補正予算案を提出して安倍晋三首相の所信表明と麻生財務相の財政演説をやらなかったのでしょうか。予算書の印刷が間に合わなかったのか。ていねいな国会運営のためなのか。いずれにしろ、野党としては出番が増えるので文句は言えないところです。が、公明党代表の山口那津男さんがきょう1日の参院本会議で「暫定予算が組まれる可能性が極めて高い。公明党の政策であるHIVワクチン、子宮頸がんワクチンが、妊婦検診の無料化が平成25年度から恒久化されるが、これらの恒久措置が4月から確実に自治体で行われることを強く要望します」と総理に釘をさす場面がありました。参院選でおしりが区切られた6月26日の会期末まで時間が少なくなりつつあり、民主党逆転の目は十分にあります。

【補正予算の国庫債務負担行為の補正を見逃すな】

 それはさておき、平成24年度第1次補正予算書のなかで、「国庫債務負担行為」も補正されています。

 「国庫債務負担行為」とは、今年度予算額を超える金額の契約を入札できる枠のことです。なぜできるかというと、政府が保証しているからです。政府が保証しているなら、民間企業は喜んで入札に参加するでしょう。いわゆる緊急経済対策(補正予算)の報道で出てくる「真水」と「事業規模」の違いはこういったことから生まれます。国庫債務負担行為の増額補正は真水にはカウントされませんが、総事業規模にはカウントされます。しかし、国庫が保証している以上、後年度に絶対にお金(税金)を払わなければならないのは当然のことです。国会によるチェックが必要です。

 さて、予算書。

 例えば防衛省ならば、「武器の購入」の国庫債務負担行為が731億円分増額補正され、2538億円になっています。3月中でも、その上限までなら入札で発注していいわけです。「航空機の購入」の国庫債務負担行為は、434億円増額補正され、1830億円までしていいことになりました。防衛省は特別会計がないので、一般会計でこのような対応をしています。つまり、国の予算書は「単年度主義で単式簿記現金主義」ですが、このような「複式簿記的な複数年度会計」も取り込まれているのです。

 文部科学省は「国際核融合実験炉研究開発費」として、12億円から377億円に大幅に増額し、その保証する期間も当初予算書の「24~25年度」から「24年度以降5年間以内」と延ばしました。必要ならばしっかりと本予算で対応して欲しい。

 特別会計でも国庫債務負担行為の増額があります。5年前のガソリン値下げ隊でおなじみ国交省の「道路特会」(社会資本整備特別会計道路整備勘定) では、道路修繕事業の国庫債務負担行為が140億円から293億円に増額して設定されました。「静岡県の国道1号」もあるようですから、新規参入したい方は入札に参加したらどうでしょうか。

 一般会計で法務省は法務局建設費の国庫債務負担行為を33億円から68億円へと増額してもらっています。静岡地方法務局藤枝支局などを前倒し発注するようです。私は「国の出先機関である法務局は基礎自治体に移管すべきだ」というアイディアを持っています。このような債務負担行為の設定は後年度の負担になるので反対です。もちろん景気対策になるのは分かります。だったら、補正でも、国庫債務負担行為ではなく歳出を増額補正する方法もあります。

 話はさかのぼります。過去にこういうことがありました。自民党が第2与党期の最後に組んだ平成21年度第1次補正予算(麻生内閣)の一般会計の「歳出」では法務省の予算を前月比1・2倍になりました。その中には、少年院に太陽光発電設備をもうける事業がありました。補正予算書によると、「低炭素革命を進めるため」だそうです。法務省は人件費中心で予算規模が小さいので、4月にして2割増しになったことになります。まさか概算要求のころに起きた西松事件(現・陸山会事件)に対するご褒美ではないか、と勘ぐる人もいそうです。少なくとも誤解を招きかねない行為です。この補正に関しては、衆院法務委員だった川内博史・民主党鹿児島1区総支部長の激しい追及がありましたが、予算は修正されませんでした。

 話は今に戻ります。法務省は特別会計が廃止されたので、一般会計しかありません。なので防衛省のように、一般会計の国庫債務負担行為で措置してもらったのではないかと勘ぐりたくもなります。スーパー官庁財務省だって現職の課長補佐を東京地検特捜部に逮捕された経験があり、法務省はこわいのです。そういったたぐいの話はこのぐらいにします。

 いずれにしろ、「国庫債務負担行為の修正」は、寄せ木細工である「歳入と歳出」の足し引き算には関係いので、野党で誰かやってみてほしいという感じがします。

 もちろん、速やかな補正予算の成立・執行が必要であることは、私もまったく同感です。

 そして、何よりも私は、こういうことを国会議員も高級官僚も新聞記者も9割以上理解していない。そのことを情報公開したい。その一心です。そして臥薪嘗胆している民主党総支部長にも、4年後の国政復帰後、与党だか野党だか分かりませんが国会議員として予算書を使いこなせるようになっていただきたいのです。

 とにもかくにも予算書を中心とした国会審議が続きます。あたかもドン・キホーテが独り言を日記に書き連ねるような状況が続くかもしれませんが、どうか、ご理解いただき、背中を押してくださいませ。 

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◎自民党政府、平成24年度第1次補正予算書を国会提出 やはり粉飾まがいのインチキ補正だった!

2013年02月01日 11時08分02秒 | 第183通常国会(2013年1~6月)附則・附帯決議

[写真]震災の5日前、沖縄県宮古島を訪れた民主党の岡田克也幹事長(左から2人目)や藤本祐司参院議員(左から4年目)ら、2011年3月6日、藤本祐司さんのホームページから。

 政府(安倍晋三首相、麻生太郎財務相)は2013年1月31日(木)、平成24年度第1次補正予算書を国会に提出しました。

 予算書は次のページで読むことができます。補正はあっという間に衆議院で採決されてしまいますので、私たち有権者もスピーディーに目を通して意見を言う癖をつけたいものです。将来的には国会内で野党の意見もいれて、修正可決するようにしてほしいところです。が、現実として、野党の声を国会で反映させて修正するのは衆参ねじれでも不可能なのが現実です。

平成25年度第1次補正一般会計予算書は、
http://www.bb.mof.go.jp/server/2012/pdfhdocs/201221001Main.html

平成25年度第1次補正特別会計予算書は、
http://www.bb.mof.go.jp/server/2012/pdfhdocs/201222001Main.html

平成25年度第1次補正政府関係機関予算書は、
http://www.bb.mof.go.jp/server/2012/pdfhdocs/201223001Main.html

です。とりあえず目を通して、自民党政府に圧力をかけてください。

【麻生財務相「新年度予算で地方交付税0・4兆円カット」は補正に前倒ししただけのインチキ補正だった】

 古来より、「自民党を見たら泥棒と思え」と言われます。

 麻生太郎財務相は「新年度予算(案)で地方交付税を4000億円カットした」とぬけぬけと記者会見したようですが、補正をみたら、地方交付税交付金が4120億円増額補正されており(特会5ページ)、まさに「15ヶ月予算」そのものの、その分を補正に前倒しただけのインチキ補正であることが明確になりました。「つけかえ」といってもいいでしょう。

 さらにこの原資には、復興特会(東日本大震災復興特別会計)から1213億円を回しています(48ページ)。これについて、補正予算書は「日本経済再生に向けた緊急経済対策の一環として社会インフラの整備や住民の定着促進等を図るための地方交付税交付金財源の交付税及び譲与税配付金特別会計交付税及び譲与税配付金勘定への繰入れ」と説明しており、被災地以外にも回ることは明確です。

 ことしから復興増税が始まっています。このうち復興特別法人税の252億円が復興特会の歳入として増額補正されています(255ページ)。予算書は「法人企業の申告所得が増加するものと見込まれることから、最近までの収入実績等を勘案して増加見込額を算出」したとしています。しかし、これでは被災地にまわるものと思って増税に賛成したのに、「住民の定着促進等を図るため」に山口県下関市役所や、福岡県飯塚市役所に回ってもいいことになります。まさにインチキ補正です。これは、財務省も不本意だと思いますよ。すべては自民党が悪人だからこういうことになるのです。

【大いに評価したい岡田さんがつくった「沖縄県庁への地方一括交付金」の44億円増額補正、25年度以降も大幅増額すべきだ】

 しかし、良い補正ももちろんあります。具体的には、沖縄県庁への地方一括交付金(内閣府主管の一般会計「沖縄振興交付金」)は当初の1574億円から44億円追加され、1618億円へと増額補正されました。これは言うまでもなく、岡田克也さんが心をくだいて、平成23年度予算書から新設されたものです。民主党マニフェストの「地方一括交付金」を沖縄県庁限定で実現したものです。増額補正だけでなく、新年度当初予算でもどーんと増やしていって、やがては沖縄県庁以外の46都道府県にも地方一括交付金を広げればいいのです。 「知事から市町村長への配分のあり方」については、沖縄県庁・県議会と、県内の自治体と議会に分権してしまえばいいのです。財源が移れば責任も移ります。ぜひ、山本一太・沖縄・北方相はがんがん予算をとってほしいです。期待しています!

 民主党執行部のしっかり精査する姿勢は支持します。しかし、それ以前に、補正予算案に関する情報を概算要求段階から、野党第1党と衆参事務局・調査局(室)に提供する姿勢が必要だし、国会での審議のあり方のしくみ作りがもっと必要です。

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