【元日経新聞記者】宮崎信行の国会傍聴記

政治ジャーナリスト宮崎信行、50代はドンドン書いていきます。

愛野興一郎先生の夢のバトン原口一博民主党副代表が衆予算委に登場 きょうの国会

2016年02月22日 18時01分39秒 | 素晴らしき新生党保存会

【平成28年2016年2月22日(月)衆議院予算委員会】

 平成28年度予算案審議13日目、一般的質疑は5回目。

 8分科会の設置と主査選任の一任が議決されました。

 民主党の原口一博副代表が質問。「ラムズフェルドとアーミテージが叙勲したが、安倍内閣ではFMS有償軍事援助が増えている」と指摘しました。防衛省局長は「平成27年度は4705億円で、V-22オスプレイ6機、戦闘機F-35A6機などをFMS(米政府からの輸入調達)で整備している」としましたが、原口さんから「これは28年度予算案の審議だ」と釘をさされました。

 原口さんはFMSのうち、米政府から部品が未納で使えない兵器が多いと指摘。行政事業レビューでも一者応札が多いと問題点を浮き彫りにしました。

【同日 参議院】

 ありませんでした。

 ◇

 民主党の原口一博副代表が世襲議員だと知っていましたか?

 国権の最高機関、衆議院の議事録にちゃんと載っています。

 「きょうは、私は、(略)親子二人でひとつ質問を分担ししたいと思っておるわけであります(略)」

  平成9年1997年2月25日(火)の第140回通常国会の衆議院予算委員会。

 原口一博さんと「親子2人で質問」すると語るこの人物。

 政権交代ある二大政党政治を実現した「新生党」結党35人衆の一人、愛野興一郎先生です。

 佐賀新聞、1994年12月9日付1面。

[佐賀新聞過去記事から引用はじめ]

 原口一博元県議、新進党に入党へ 期衆院選への出馬が注目されている元県議の原口一博氏(35)は八日、東京・永田町の衆議院議員会館に県選出の愛野興一郎代議士(新生党)を訪ね、十日結成される新進党に入党する意思を伝えた。

 原口氏は小選挙区制の導入に伴い、佐賀一区からの立候補を望んでいるといわれ、同じく新進党から一区出馬の構えの日本新党県支部長横尾俊彦氏(38)との候補者調整問題が浮上することは必至の情勢だ。

 愛野代議士によると、原口氏は同氏に新進党入党の意思を伝え、「十日の結成大会にも出席させてもらう」と語った。前回の総選挙で自民党籍のまま、無所属で出馬した原口氏は最近、新生党関係者との急接近が伝えられていたが、新進党への入党意思を伝えたのはこれが初めて。ただ、自民党佐賀市支部には正式な離党届は出ていない。

小選挙区制の佐賀一区からは自民党の坂井隆憲代議士(47)が党公認を狙って活発に動いているのに加え、社会党の緒方克陽代議士(56)の動向も注目され、新進党が候補者を擁立すれば、前回の総選挙同様の混戦が予想される」

[引用おわり]

 それから3年、小選挙区と比例代表でともに議席を得た、愛野先生と原口さんは予算委員会で質問しました。

[国会議事録データベースから引用はじめ]

第140回国会 予算委員会 第18号

平成九年二月二十五日(火曜日)

(略) 

愛野委員 きょうは、私は、この原口君と関連で、親子二人でひとつ質問を分担してしたいと思っておるわけであります。最後に、せっかくお呼びしたわけでありますから、もう時間がなく、若き原口君にバトンタッチしようと思っておるわけですが、通産大臣にお伺いします。

(略) 

○深谷委員長 この際、原口一博君から関連質疑の申し出があります。愛野君の持ち時間の範囲内でこれを許します。原口一博君。

[国会議事録データベースから引用おわり]

 愛野先生といえば、改革フォーラム21(羽田孜代表)結成時に、勝手知らぬ参議院議員宿舎をローラー作戦し、呼び鈴と間違って非常ベルを押してしまったエピソードはあまりにも有名。

 結果、我々改革フォーラム21・新生党は参議院議員はわずか8名(北澤俊美さんら=今期で勇退)でのスタートとなったのですが、愛野先生の政権交代ある二大政党政治への熱情が形となり、次の通常国会後に、政権交代を実現しました。

 愛野先生は、1997年末、「政権交代可能な二大政党制を目指す」とし、原口さんも「愛野氏と行動を共にしたい」と語りました(1997年12月28日付佐賀新聞1面)。

 原口さんは一人ではありません。

[佐賀新聞過去記事から引用はじめ] 

愛野、原口氏は鹿野氏に同調

1997.12.28 佐賀新聞 総合(1面) (全387字) 

 新進党の愛野興一郎代議士(比例九州)は二十七日夜、「鹿野道彦氏らの新党結成に参加する」と明らかにした。愛野氏は小沢氏の党運営を「トップダウン方式で独善的」と批判、「”保保連合”志向の小沢氏とはたもとを分かち、自社さの連立政権に代わる政治勢力の結集を目指したい」と新党参加の理由を説明した。また、両院議員総会を欠席した原口一博代議士(佐賀1区)は同夜、電話で愛野氏に対し「愛野氏と行動を共にしたい」と”鹿野新党”への参加意向を表明したという。

 愛野氏は二十七日の鹿野派幹部会の席上、鹿野新党参加を最終決断した。愛野氏は「三年前の新進党結党は政権交代可能な二大政党制を目指した。しかし、いつのまにか自民党との”保保連合”志向に変わってしまった」といい、今回の新党結成で新進党の立党の精神に立ち返って、太陽、民主、フロムファイブなどとの野党結集を目指していく考えを示した。(高井)

[佐賀新聞過去記事から引用おわり]

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安保法廃止法案を民主党、共産党、維新の党、生活の党、社民党が提出

2016年02月19日 23時59分59秒 | 第190回通常国会(2016年前半)

 民主党、共産党、維新の党、生活の党と山本太郎なかまたち、社民党の5党は、

 「2015年日米防衛協力のための指針いわゆるガイドライン国内実施のための安保法を廃止する法案」(190衆法7号)

 と、

 「国際平和共同対処事態法廃止法案」(190衆法8号)

 を衆議院に提出しました。

 1か月後に施行される法律を廃止する法案で、「公布日に施行」。

 これとは別に、民主党と維新の党は、20日、前国会同様に対案3案を出しました。

 「領域警備法案」(190衆法4号)は、平時に、尖閣諸島周辺など国境付近の離島や周辺海域、陸地など政令で定めた領域で、海上自衛隊、海上保安庁、警察の協力を定めた法案。

 「周辺事態法改正案」(190衆法5号)は周辺事態法(1か月後の安保法施行で、重要影響事態法に改題)で、有事に、日本周辺で、米軍への後方支援を強化するとともに、武器の輸送などで我が国の意思表示を明確にする法案。

 「PKO協力法改正案」(190衆法6号)は、集団安全保障である国連PKOで、NGOなど民間人を保護し、他国軍と武器をつかった警護ができるようにする法案。

 3法案とも、国会による統制を強化しています。

 法案が今国会で審議入りする可能性は低いですが、「いわゆる思いやり予算を定めた日米条約の承認を求める件」(190条約1号)が審議入りした場合、他の委員会での審議入りに自民党が応じるかもしれません。

(このエントリーの初投稿日時は2016年2月21日で、それから19日付にバックデートしました)

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toto法およびJSC法改正法案提出、2020年東京オリパラ新国立競技場建設に充当

2016年02月19日 23時59分59秒 | 第190回通常国会(2016年前半)

 政府は、平成28年2016年2月19日(金)、toto(トトスポーツ振興くじ)法およびJSC(ジェイエスシー日本スポーツ振興センター)法を改正する法律案を閣議決定しました。国会の議案番号は、190閣法31号になると思われます。

 平成28年度(2016年度)から平成35年度(2023年度)までの間、totoスポーツサッカーくじの収益金の自治体、スポーツ団体への配分率をかさ上げする法案。

 代わりに、経費と国庫納付金の比率を下げます。ただ、totoから国庫への納付金は、毎年度数十億円に過ぎず、国家財政への影響はありません。

[写真]文部科学省・スポーツ庁、2015年、筆者・宮崎信行撮影。

(このエントリーの初投稿日時は2016年2月20日朝8時で、それから19日付にバックデートしました)

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GPIFリーマンショック級なら運用損27兆円想定、首相認める 衆予算、内閣、厚労委

2016年02月19日 15時42分42秒 | 第190回通常国会(2016年前半)

【平成28年-2016年2月19日(金)衆議院内閣委員会】

 今国会すでに給与法の審査がありましたが、内閣官房・内閣府の8閣僚から所信表明演説がありました。

 菅、河野、高市、岩城、島尻、石原、加藤、遠藤の各大臣(いずれも自民党)。

 菅官房長官はまず北朝鮮のミサイル発射への抗議と対応を述べ、内閣官房の予算案の説明をしました。

 河野さんは、国家公安委員会の予算、国立公文書館の新増設、独立文書管理監と特定秘密保護法の運用面での協力、死因究明などについて話しました。

 高市総務相は「マイナンバー制を担当する国務大臣」として所信表明。

 岩城法相は「特定秘密保護法の担当大臣」として発言。

 島尻沖北相は、海洋政策、沖縄、北方、尖閣諸島、クールジャパン、中国における遺棄化学兵器、衛星リモートセンシング法案の提出予定に言及しました。

 石原さんは、「社会保障と税の一体改革担当大臣として新3本の矢を進める」、「名目GDP600兆円に向けて経済財政政策諮問会議で年央に骨太の方針をまとめる」、「TPPの早期発効をめざす」、「社会保障と税の一体改革はプログラム法にもとづき進める」と話しました。

 加藤さんは一億総活躍、少子化、男女共同参画社会は「安倍内閣の最重要課題である」としました。

 遠藤五輪相は「サイバーセキュリティーを担当する大臣として」所信を述べました。

 このほか、官房副長官、内閣府の副大臣、政務官があいさつして、散会しました。

【同日 衆議院厚生労働委員会】

 理事の補欠専任と国政調査要求の手続きをして、散会しました。

【同日 衆議院予算委員会】

 平成28年度予算案は、12日目(趣旨説明と地方公聴会含む)、集中審議は3回目。

 テーマは「政治改革と税と社会保障について」。

 自民党の細田博之幹事長代行が、定数是正(定数削減含む)の反映を2020年国政調査以降にすると発言していたことについて民主党から野田佳彦前首相が質問通告。きょうの審議では、まず、自民党の田村憲久さんが質疑し、これに答えて、安倍首相は「2020年国政調査を待たずに定数削減する」と軌道修正しました。

 民主党の山井和則さんと安倍首相のやりとりで、GPIFの運用損はリーマンショック時の9・9兆円を想定すると、現在の国内株25%運用のポートフォリオ(分散投資の割合)では、26兆円の運用損となり、年金のリスクは3倍になったことが明らかになりました。

 民主党の野田佳彦さんに対して、安倍首相は「税収は名目GDPが増えないと上がらない」と語りました。

 民主党の福島伸享さんは、TPP条約の懲罰的な賠償について、国内法での対応が必要になり、国のかたちを変える重大事だと強調しました。

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自殺対策基本法の10年ぶり改正案が参・委で起草され可決 衆本で地方税法改正案審議入り

2016年02月18日 23時43分52秒 | 第190回通常国会(2016年前半)

【平成28年度2016年2月18日(木)参議院厚生労働委員会】

 三原じゅん子委員長が就任あいさつ。続いて、一般質疑あありました。

 民主党の津田弥太郎筆頭理事は「例年は3月上旬にするが、2月中旬にやっている」と卒業国会でも健全野党ぶりを発揮しました。

 質疑の後、委員長が法案を起草。

 「自殺対策基本法改正案」(190参法1号)。三原委員長は「基本法が出来た平成18年から昨年にかけて、自殺者が減り大いに子効果があった。しかし、今でも先進国最悪の自殺率である」として、目的規定の書き換え、啓発週間の法定化、自治体の計画づくりと交付金を盛り込むとしました。

 質疑は省略。採決の結果全会一致で可決しました。次の参・本会議で可決し、衆院に送られます。 

 続いて、前国会で間に合わなかった「戦没者遺骨推進法案」(189衆法40号)。施行日を「27年10月1日」から28年4月1日」に修正する自公案を全会一致で可決しました。附帯決議がつき、(1)相手国への配慮(2)民間団体との協力(3)DNA情報の活用ーーを念押ししました。次の本会議で修正可決し、衆へ。 

【同日 衆議院本会議】

 採決はありませんでした。

 「平成28年度地方財政計画」「平成28年度税制改正法案」(190閣法21号)、「平成28年度地方交付税法改正案:」(190閣法22号)が審議入り。

 高市総務相は「極めて厳しい地方財政」のもと、「85・・7兆円を見込む」と地方歳出入のボリューム感を示しました。このほか、法人住民税の所得割を減らして、資本割、付加価値割を増やす「外形標準強化」と、地方法人特別税・自動車取得税の廃止を説明しました。

 民主党の近藤昭一さんは「固定資産税の改正で、もっとも収益性が低い農地にペナルティ的に課税強化するのは疑問だ」と指摘しました。

【同日 衆議院総務委員会】

 高市総務相の所信表明だけで終わりました。

 次回は23日(火)で、一般質疑の後に、地方税法案が審議入りするはこびとなります。

【同日 参議院財政金融委員会】

 大家敏志委員長が就任あいさつ。

 日本銀行法59条にもとづく、半年に1度の国会報告を黒田東彦総裁がしました。

 これについて、与野党が質疑しました。

【同日 参議院決算委員会】

 この委員会では珍しく一般質疑がありました。

 冒頭、石井啓一国土交通省が「甘利前大臣側とURの疑惑」について経緯を説明。

 その後、質疑がありました。質疑では「内閣法制局と公文書管理法について」の質疑も含まれました。

【同日 衆議院予算委員会】

 質疑の後に、きのうの地方公聴会の派遣委員報告がありました。

 平成28年度予算案は11日目(趣旨説明、地方公聴会含む)。

 一般質疑は4日目となりました。

 すでに訂正・謝罪した大臣に対して同じことを蒸し返す質問が相次ぎました。

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衆・財金正常化 参ODA特は「パラグアイの日本センターの畳が痛んでいる」と具体的な報告

2016年02月17日 17時31分13秒 | 第190回通常国会(2016年前半)

【平成28年2016年2月17日(水)衆議院財務金融委員会】

 与野党国対委員長が丁寧な審議で合意。

 定刻よりも、4時間弱(昼のぞく)遅れで、民維も出席して、始まりました。

 「平成28年度から32年度までの特例公債法案」(190閣法7号)
 「平成28年度特例公債法案」(190閣法16号)

 自公共おの4党が質疑しました。民維も出席しました。

 公明党は自民党政務三役と詳しい質疑を展開しました。

 おおさか維新の会の丸山穂高さんは民間の調査結果をひもとき、「新聞の定期購読者は比較的高所得者が多いのではないか」と指摘しました。

【同日 衆議院予算委員会 地方公聴会】

 2つの班が、福島県郡山市と、香川県高松市を訪れて、平成28年度予算案の地方公聴会を開きました。

【同日 参議院政府開発援助等に関する特別委員会】

 ODA特別委員会は参だけが設けています。

 きょうは、委員団による、ODA実施の調査団の報告とそれに対する質疑がありました。

 平成27年度参議院政府開発援助視察団として4班が報告。

 第1班はインド、マレーシア、ベトナムで、団長は自民党の高橋克法さん。

 第2班は、ジブチ、エチオピア、マダガスカル。団長の自民党の大野泰正さん。

 第3班は、アルゼンチン、パラグアイで、団長は民主党の西村まさみさん。

 第4班は、パラオ、ミクロネシアで、団長は自民党の石井正弘さん。

 この中で、「パラグアイの日本センターは畳が痛んでいたが、現地で調達できない。取り替える必要がある」という具体的な報告がありました。

 自民党の世襲議員の大野泰正さんは、情熱がこもった報告で、日本外交のあり方も盛り込んでいて、世襲でも優秀な人がいるのだなと思わざるを得ませんでした。

【同日 参議院憲法審査会】

 自民党の柳本卓治会長、民主党の風間直樹会長代理という体制でスタート。

 日本国憲法及び憲法に密接に関連する法律のついて、きょうは「二院制」について参考人から話を聞き、質疑がありました。

【同日 参議院国の統治機構に関する調査会】

 両院制のあり方について、参考人からヒアリングし、自由質疑がありました。

【同日 参議院国民生活のためのデフレ脱却及び財政再建に関する調査会】

 参考人から陳述を聞き、委員を交えて質疑しました。

【同日 参議院国際経済・外交に関する調査会】

 日本の外交力をテーマに参考人から話を聞き、質疑がありました。

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平成28年度税制改正法案が民維欠席で委員会。予算案の中央公聴会は24日(水)に設定

2016年02月16日 15時33分47秒 | 第190回通常国会(2016年前半)

【平成28年2016年2月16日(火)衆議院本会議】

 まず、議員辞職の件。自民党の宮崎謙介さん(京都3区)が「一身上の都合」で提出した辞職願が全会一致で認められました。

 続いて、

 「平成28年度税制改法案(所得税改正法案)」(190閣法16号)が審議入りしました。重要広範議案。

 麻生財務相は「この法案は国税について所要の改正を一体で行うものです」と語り、(1)法人税率の引き下げと研究開発費の控除の見直し(2)消費税の軽減税率の新設(3)3世代住宅などの住宅貸付金の所得税の控除の新設(4)企業から自治体への寄付金の法人税控除の新設(5)国税のクレジットカードでの納付制度の新設ーーなどを法案に盛り込んだと趣旨説明しました。

 私は(5)の国税のクレジットカード払いは知らなかったのですが、平成29年2017年からインターネット経由で納付手続きができるようになる、という意味合いのようです。詳しくは、平成29年以降、国税庁のウェブサイトでご確認ください。

 ちょっと感動したのですが、参議院の議案のページに、法案全文が一つのウェブサイトに載っていました。参議院議案のページはこちらから。このページのおかげで、上記内容を検索したり、コピーアンドペーストができるようになりました。毎通常国会最大の恒久法案の民主的な議論に資することになりそうです。

 質疑の中では、今次改正法案で、新聞に軽減税率(8%)が適用されながら、水・電気・ガスが通常の税率が適用されることについて、「EUではすべて軽減税率だ」として、新聞を特別扱いすることへの政府自民党の説得力が乏しいことが浮き彫りになりました。

【同日 衆議院財務金融委員会】

 本会議で趣旨説明と代表質問があった「特例公債法案」と「税制改正法案」を同時に審議入りさせたい与党・自民党と、別々に審議すべしとする民主党の古川元久理事らが対立。午後3時設定。午後3時20分開会。民主・維新・無所属クラブの出席を要請することになり、休憩。

 3時23分に再開。

 「平成28年度から32年度までの特例公債法案(東日本大震災からの復興のための施策を実施するために必要な財源の確保に関する特別措置法及び財政運営に必要な財源の確保を図るための公債の発行の特例に関する法律の一部を改正する法律案)」(190閣法7号)と、

 「平成28年度税制改正法案(所得税等改正法案)」(190閣法16号)

 が麻生財務相から趣旨説明されました。

 宮下一郎委員長は「次回は公報をもってお知らせします。本日はこれにて散会します」と宣言しました。手元の時計で午後3時28分。

 もう少し、民主・維新・無所属クラブの出席を待つことはできなかったのでしょうか。

【同日 衆議院予算委員会】

 平成28年度予算案の、合計9日目、一般的質疑3回目が午前中の3時間コースで行われました。質疑後、中央公聴会を24日(水)に開くことを全会一致で議決しました。

 質疑では、民主党の大串博志さんが「充実した審議を求める」と念を押しました。URと甘利前大臣をめぐる口利き事件では、秘書が高級車を要求していたことなど、今後も広がりそうな展開になりました。

 奥野総一郎さんは、前回同様、放送法4条の解釈について、新しい政府統一見解について、高市総務相をただしました。

 長島昭久さんは、徴用について質疑。私は徴用というと日露戦争の「敵艦見ゆ」の信濃丸(三菱系日本郵船から帝国海軍が徴用)をイメージするのですが、太平洋戦争では6万人が徴用船で戦死したそうです。わが民族の世界史上の快事に心を捕らわれて、太平洋戦争の海の男たちのことを知りませんでした。中谷防衛大臣は、予備自衛官の充実で対応するので徴用はない、という趣旨の答弁を繰り返しました。

 維新の党の柿沢未途さんは、一票の格差は「住所地による差別だ」とし、「これが男性と女性の票数が違うということだったら憲法第14条法の下の平等に反するのはあきらかだ」と主張しました。私もその通りだと思います。必要なのは定数削減でも選挙制度改革でもなく、定数是正を徹底した速やかな区割り変更です。

 落合貴之さんは、会計検査院を念頭に置かないのは秘密保護法の「欠陥だ」と指摘し、岩城法相に問いましたが、岩城法相は今回も要領を得ない答弁を繰り返しました。

 共産党の宮本徹さんは思いやり予算の増額についてただし、現在の中期防のスキームをはみ出していると指摘しました。

【同日 衆議院議院運営委員会】

 理事会で、甘利明さんが向こう1カ月間、療養が必要だ、とする診断書が与党・自民党から提示されたそうです。

【同日 参議院】

 審議はありませんでした。

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安倍首相、厚生年金保険料の積立金の株運用「当然給付に影響する」と発言

2016年02月16日 08時55分15秒 | 第190回通常国会(2016年前半)

 安倍晋三首相(自民党総裁)は、きのう、平成28年2016年2月15日(月)の衆議院予算委員会で、

 厚生年金保険料の積立金のうち、25%を、日本株(ETF)で運用していることについて、

 「想定の利益が出ないなら当然支払いに影響する」、「給付に耐えられない状況なら給付で調整するしかない」

 と語り、運用損が年金支給額に影響する可能性をはじめて認めました。民主党の玉木雄一郎さんへの答弁。

 厚生年金保険料の積立金を、国内株で運用するのはよくありますが、わが国の場合は厚生年金の運用をしているのは、GPIFが1国1組合なので、運用損が多くの被保険者に影響することが懸念されています。

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古川元久税調会長「軽減税率は公平・中立・簡素に反する」衆予算委「経済・地方創生等」集中審議

2016年02月15日 17時13分14秒 | 第190回通常国会(2016年前半)

【平成28年2016年2月15日(月)衆議院予算委員会】

 平成28年度予算案の審議8日目。集中審議はその2日目で、「経済・地方創生等」。午前9時から午後5時過ぎまで行われました。

 集中審議では、民主党の古川元久税調会長が平成28年度税制改正法案(190閣法16号)について、

 「ひとまとめにして、日切れ指定はおかしいですよ。切り分けて審議しましょう」と語り、消費税の軽減税率部分を切り出して、3党協議するよう求めました。

 安倍首相(自民党総裁)は「分離するつもりはない。国会で審議してほしい」と応じました。

 古川さんは、税の3原則として、公平・中立・簡素を主張。軽減税率はそのどれにも反した世紀の愚策だ、と批判。

 「図説日本の税制」によると、

 「公平」とは、様々な状況にある人々が、それぞれの負担能力(担税力)に応じて税負担を分かち合うという意味です。

 「中立」とは、税制ができるだけ民間の経済・社会活動を歪めないようにするという意味です。

 「簡素」とは、税制の仕組みをできるだけ簡素化し、納税者が理解しやすいものにするという意味です。

 古川さんは「欧州のほとんどの国が軽減税率を導入しているとしているが、訴訟などがあって、止められない面もある。まさに天下の愚策だ」と語りました。例えば、インボイス(簡単な伝票方式)に対応できず中小零細企業がどんどん潰れれば、地方創生にそむき、「公平・中立・簡素」のいずれにも反するとしました。

 麻生財務相は「軽減税率の導入であるていど、混乱するだろう」と認めました。

 古川税調会長は「このまま行ったら混乱するのは確実だから、立ち止まって真摯に協議しましょう」として社会保障と税の3党協議の再開を求めました。古川さんは「民主党は単一税率で低所得者対策として給付つき税額控除をする」と主張しました。

 これに先立ち、公明党の斉藤鉄夫税調会長が質問。「3党合意の複数税率とは、軽減税率のことだ。民主党の一部の議員が、『天下の愚策だ』と言っているのは理解に苦しむ」とし、3党合意の「複数税率の検討」を分かち合うよう求めました。

【同日 参議院】

 審議はありませんでした。

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民主党代表、共産党委員長との協議での参院選候補者一本化を示唆

2016年02月14日 05時37分40秒 | 第24回参院選(2016年7月)

[写真]2015年の7月10日の志位和夫さんと、岡田克也さん、国会内、筆者・宮崎信行撮影。

 gooニュース(時事や毎日などが配信)の記事、共産との候補者調整に期待=岡田民主代表によると、

 民主党代表の岡田克也さんは、13日(土)、高知市で講演し、

 「志位和夫委員長とは長い付き合いで、十分信頼できる方だと思っている。最終的には良い形に落ち着いていくのではないか

 「まずは地元でよく話し合ってほしい。現時点ではまだ党首間で話すところにはなっていない」

 と語りました。

 6月23日(木)公示、7月10日(日) 投票の「第24回参議院議員通常選挙」の「32ある1人区」や衆議院295小選挙区で、野党候補を調整し、自民党との政権交代選挙に臨むのが狙い。

 上の写真は、参院選の1年前となる、きょねん7月10日の野党5党首会談で、最大野党の岡田代表が真ん中に座り、野党第2党(当時は第3党)の日本共産党志位和夫幹部会委員長が横に座っています。

 ある程度候補者を擁立した、残り5か月間となって、政権交代ある政治のために、自民党系と民主党系の候補者一本化への道筋が見えてきました。

 2名から6名までの複数区や、全国比例は、民主党と共産党はそれぞれ別々に政策を訴えることになります。

 岡田代表はことしになってから「政権交代ある政治を実現しないと、死んでも死にきれない」とたびたび口にしており、第24回参院選と第48回衆院選で一気に政権交代し、岡田内閣を発足させたいかまえ。


[写真]「政権交代ある政治を実現しないと死んでも死にきれない」が最近の口癖となっており、岡田克也・民主党代表、2016年2月12日、民主党本部内、筆者・宮崎信行撮影。

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古川元久税調会長「アベノミクスの好循環が逆回転し始めた」 衆・財金委店開き

2016年02月12日 18時08分27秒 | 第190回通常国会(2016年前半)

[画像]民主党の古川元久税調会長、2016年2月12日、衆議院インターネット審議中継からスクリーンショット。

【平成28年2016年2月12日(金)衆議院財務金融委員会】

 大臣の所信表明に対する一般質疑が行われました。本会議では特例公債法案が審議されましたが、きょうの委員会は、一般質疑(5時間半コース)だけで終わりました。いわゆる「店開き」になります。

 委員長の宮下一郎さんは世襲議員の財務副大臣経験者ですが、質問ごとに、「麻生財務大臣」「麻生金融担当大臣」と言い換えていて、こういうところは、自民党の世襲議員が優秀である割合が高いのは間違いありません。

 まず、自民党の野次将軍、山田賢司さんが「国の借金は1000兆円と言われるが、金額の問題ではない。毎年の歳出が(公債を除いた)歳入を上回っている。ことが問題だ」と独自の理論を展開。政党公認である以上、自民党60年のツケを返す責任を山田さんは共有していると私は認識しております。

 続いて、自民党の井林辰憲さんが、「この委員会に配属されて1年経ち、初めての質問となります」と切り出しました。

 そして、「法人税改革と租税特別措置の改正」について質問すると、自民党の坂井学財務副大臣が「委員はすでに良くご理解されている法人税の改正ですが、課税ベースを拡大して、利率を下げています」と答弁。税制改正法案は1週間前に提出されたばかりなのに、昨年11月の「税調」は自民党であって、国会ではありません。このことは、今後とも引き続きしつこく、こだわり続けてまいります。

 民主党の古川元久税調会長は日本銀行の金融政策変更について、「今は開放経済だから、為替、株価、債券などてマーケットは混乱し、不安定になっている」と指摘。麻生さんも「上がるにしても下がるにしても急激な変化は好ましくない」と同調しました。

 古川さんは「アベノミクスの好循環が逆回転しだした」としました。これまでも多くの人が心に引っかかっていた、「なぜ、2013年4月4日の金融政策決定会合で、付利を取らなかったのか」との質問。黒田さんは「付利については、国債の買い入れをスムーズにするために導入した制度であり、2013年4月4日の金融政策決定会合では、大量の国債を買うために、付利を維持した。一定の成果があった」と語りました。私は、黒田答弁、ちょっと合点がいかないです。

 まあ、民主党岡田克也内閣の下の金融危機(債券危機)では、古川元久・財務・金融・経財大臣で決まり、と私は思っています。

 この後、鈴木克昌さんは「今のやり取りを聞いていたが、黒田総裁は少し元気がないのではないか。私は71歳だが、元気いっぱいだ」と切り出すと、黒田さんも「私も71歳だか、オプティミスト(楽天主義者)だ」と語りました。

 維新の党の落合貴之さんは「マイナス金利の銀行の利ザヤが下がっているので、地域金融機関の経営に影響があるのではないか」と問うと、麻生金融相は「メガバンクもそうだ」と付け加えました。

 この辺の感覚というのは、与野党、財務省、金融庁、日銀とも一定の共有があるような感じでした。

 委員長は質疑の終局を宣言しましたが、法案の趣旨説明はなく、「次回は公報でお知らせします」と語り、散会しました。

【同日 参議院】

 本会議や委員会はありませんでした。

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「独占禁止法研究会」を公正取引委員会が設置 課徴金制度の見直しなど抜本改正へ

2016年02月11日 05時21分42秒 | 第192回臨時国会(2016年9月から12月まで)条約・カジノ再延長国会

(このエントリーの初投稿日時は2016年2月11日午前6時)

 公正取引委員会は、「独占禁止法研究会」を設け、平成28年2016年2月23日(火)に初会合を開くことを、10日発表しました。

 研究会は月1~2回のペースで開催し、私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律(昭和22年4月14日法律54号)の「課徴金」で、諸外国のように、「司法取引的」な、課徴金の軽減をするかどうかを中心に議論がすすむようです。

 このエントリーの初投稿時点で開催中の第190回国会の後半国会で、TPP条約=12か国が署名済み=の国内実施法が一括法案として提出される見通しです。この研究会は、さらに抜本的な改正をめざしたとりまとめがされると考えられます。

 とりまとめや、改正法案提出の時期は、不明。

[公正取引委員会ウェブサイトから引用はじめ]

(平成28年2月10日)独占禁止法研究会の開催について

平成28年2月10日
公正取引委員会
 公正取引委員会は,裁量型課徴金制度(注)を含む課徴金制度の在り方について検討を行うため,以下のとおり,各界の有識者からなる「独占禁止法研究会」を開催する。
1 開催の趣旨

 課徴金制度が昭和52年に導入されて約40年間が経過し,その間,数次の改正が行われているものの,事業者の経済活動や企業形態のグローバル化・多様化・複雑化は一層進展しており,現行課徴金制度では事業活動の実態を反映せず適正に対応できていない場面も生じているため,経済・社会環境の不断の変化にも対応し得る課徴金制度の在り方について検討する必要がある。
 また,諸外国において広く導入されているような,独占禁止法違反行為に対して,事業者の調査への協力・非協力の程度等を勘案して,当局の裁量により課徴金額を決定する仕組みを導入することは,事業者と公正取引委員会が協力して事件処理を行う領域を拡大するものであり,事業者による自主的なコンプライアンスの推進にも資するものと考えられる。
 加えて,経済活動のグローバル化が進展する中,我が国の課徴金制度と諸外国の制度との国際的整合性を向上させる必要があると考えられる。
 公正取引委員会は,このような認識の下,課徴金制度の在り方について専門的知見から検討を行うことを目的として,各界の有識者からなる「独占禁止法研究会」(以下「研究会」という。)を開催する。
2 構成員

 (1)研究会は,別紙に掲げる有識者により構成する。
 (2)公正取引委員会は,有識者の中から研究会の座長を依頼する。
 (3)研究会は,必要に応じ,関係者の出席を求めることができる。
3 議事の公表

 座長は,研究会の会合終了後,速やかに,当該研究会の議事要旨を作成し,これを公表する。また,一定期間を経過した後に,当該研究会の議事録を作成し,これを公表する。
4 今後の予定 

 月1~2回の頻度で開催する。
 (初回開催は平成28年2月23日(火曜))
5 庶務

 研究会の庶務は,公正取引委員会事務総局経済取引局総務課企画室において処理する。
 
 (注)独占禁止法違反行為に対して,事業者の調査への協力・非協力の程度等を勘案して,当局の裁量により課徴金額を決定する仕組みであり,同様の制度は,EU,欧州諸国,アジア諸国等,数多くの国・地域においても採用されている。
独占禁止法研究会会員名簿

阿部 泰久
一般社団法人日本経済団体連合会常務理事
井手 秀樹
慶應義塾大学名誉教授
宇賀 克也 東京大学大学院法学政治学研究科教授
及川 勝 全国中小企業団体中央会事務局次長・政策推進部長
大沢 陽一郎 株式会社読売新聞東京本社論説委員
大竹 たかし シティユーワ法律事務所 弁護士(オブ・カウンセル)
元東京高等裁判所部総括判事
川出 敏裕 東京大学大学院法学政治学研究科教授
岸井 大太郎
法政大学法学部教授
黒木 麻実 公益社団法人全国消費生活相談員協会関西支部副支部長
佐伯 仁志 東京大学大学院法学政治学研究科教授
泉水 文雄 神戸大学大学院法学研究科教授
中原 茂樹 東北大学大学院法学研究科教授
向 宣明 桃尾・松尾・難波法律事務所 弁護士(パートナー)
日本弁護士連合会独占禁止法改正問題ワーキンググループ事務局長
村上 政博 成蹊大学大学院法務研究科客員教授
柳川 範之 東京大学大学院経済学研究科教授
若林 亜理砂 駒澤大学大学院法曹養成研究科教授
[五十音順,敬称略,役職は平成28年2月10日現在]

[公正取引委員会ウェブサイトから引用おわり]

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自民党閣僚やチルドレンの「政治とカネや政治姿勢」で集中審議 衆・予算委 きょうの国会

2016年02月10日 17時05分10秒 | 第190回通常国会(2016年前半)

[写真]2月の国会、筆者・宮崎信行撮影。

【平成28年2016年2月10日(水)衆議院財務金融委員会】

 きのうの本会議での、特例公債法案(190閣法7号)の審議に続いて、定例日のきょう水曜日、第190回国会で初めての財金委が開かれました。

 まず、本会議で選ばれていた、宮下一郎財務金融委員長が就任あいさつ。

 続いて、麻生財務大臣(兼)金融庁担当大臣が所信表明。

 大要次のように述べました。「わが国はデフレから脱却しつつありますが、引き続き民需主導の経済回復が必要です。少子高齢化という構造的な問題が社会保障をゆるがしています。今年度予算案は前年度比0・4兆円増におさえこみ、新規発行国債も減って成長と財政再建の両立を図っています。税制改正では、低所得者への対策として、消費税の軽減税率を導入します。今国会に提出したい法案は、(1)特例公債法案(2)所得税法改正案(3)関税定率法改正案(4)JBIC国際協力銀行法改正案(5)銀行法改正案ーーです」という趣旨の発言でした。

 この後、財務省と内閣府金融庁の政務三役があいさつ。

 きょうはここまで。

 次回はあさって12日(金)の午前9時から開くことにして散会しました。

 次回は一般質疑の後、本会議趣旨説明が終わった、「特例公債法案」(190閣法7号)をめぐる序盤戦となりそうです。

【同日 衆議院予算委員会】

 まず、地方公聴会が、17日(水)に福島県と香川県で開くことが全会一致で設定されました。

 平成28年度予算案審議の7日目で、集中審議1回目「政治姿勢と政治とカネ」。

 民主党の細野豪志政調会長は、「民主党は内閣提出法案の8割に賛成している」とし、安倍首相(自民党総裁)の「民主党は対案を出せ」という常套句を止めてほしいとしました。

 大西健介さんと階猛さんは、甘利明前大臣側とUR都市開発機構の口利き疑惑。告発した総務担当者の企業は、千葉県企業庁造成の土地を不法占拠していることをUR側が認識。甘利前大臣側との交渉の過程を経て、補償金「0円」が「2億2000万円」になった疑いが出てきました。金額ベースで最悪のあっせん利得事件になるかもしれません。午後の維新の党の井坂信彦さんによると、あっせん利得処罰法施行後の有罪は8件で、地方議員が主。

 大串博志さんは、今週話題になっている、高市早苗総務相が放送法第4条違反で電波停止ができるという趣旨の答弁をした件(奥野・高市問答)について追及。報道が委縮していることは私もその通りだと感じています。

 大串さんは島尻北方相にその任務を問うと、島尻さんは「北方問題の啓発に尽きる」と語りました。ここで、大串さんが指摘。「内閣府設置法(第4条)によれば、北方地域に生活の本拠を有していた人に対する援護措置もある」と指摘しました。就任後4カ月以上経って知らないという官僚任せの自民党体質がでました。

 西村智奈美さんは、きょう発売の週刊文春(あす祝日のため水曜発売)が報じた、宮崎謙介・自民党衆議院議員が、配偶者の金子めぐみ自民党衆議院議員の出産直前に、選挙区の自宅に、女性タレントを招いていた不倫疑惑をただしました。

 維新の党の今井雅人幹事長は、衆議院の区割りについて首相(自民党総裁)に本気で取り組むよう、強い口調で迫りました。

【同日 参議院国の統治機構に関する調査会】

 飯尾教授ら参考人から2時間程度、話を聞き、質疑がありました。報告書作成の「しめきり」は、今国会末となります。

【同日 参議院国民生活のためのデフレ脱却および財政再建に関する調査会】

 昨秋の特別委員長就任を経て、鴻池さんが再び会長に戻り、3年目も同じテーマで議論することになりました。神野教授や大沢真理教授が参考人として出席。大沢教授は「そもそも、わが国は現在、経済成長をしているのか、していないかというと、していないわけですが」と切り出して陳述。各会派の議員と話し合いました。

【同日 参議院国際経済・外交に関する調査会】

 渋谷・TPP担当内閣官房審議官から説明を聞き、その後、質疑応答がありました。柳田稔会長が「ご多用の中ありがとうございました」と語り、聞き取りが終了し、散会しました。

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平成28年度地方税法改正法案を提出、法人事業税の外形標準課税強化

2016年02月09日 23時59分59秒 | 第190回通常国会(2016年前半)

(このエントリーの初投稿日時は10日午前7時で、それから2016年2月9日付にバックデートしました)

[写真]総務省、2015年秋、筆者・宮崎信行撮影。

 政府は、2016年2月9日(火)、「平成28年度税制改正法案」(190閣法21号)を提出しました。

 法人事業税(府県税)の外形標準化をすすめるため、付加価値割を今年度の0・72%を、28年度は1・2%に増税し、資本割を0・3%から0・5%に引き上げます。逆に、所得割は6・0%から3・6%に減税します。

 これにより、県庁の財政が安定します。ただ、7年前のリーマンショックでこしらえた企業の繰延税金資産がつきそうなところで所得割を減税することで企業有利の税制が続きます。また、私としては、総務省作成の資料で「法人税改革」と、国税(財務省所管)用語である「法人税」を使っていることが気になりました。法人関係税制には、国税として法人税、府県税として法人事業税、県および市税としての法人住民税(法人県民税、法人市民税)がありますが、これらの総称としての一般名詞として「法人税」と呼ぶのは違和感があります。

 このほか、農地集約のため、固定資産税の強化と軽減を盛り込みました。遊休地は増税、農地バンク(県農地中間管理機構)に貸し出すと減税になります。このような複雑な税制を政策誘導に使うのは、私としては、総論反対です。昨年11月の関連エントリー(農地の固定資産税「耕作放棄地は増税」「農地バンクは減税」検討、平成28年度地方税改正法案)もご参照ください。 

 車体課税では、平成29年度から自動車取得税を廃止します。

 企業版ふるさと納税が新設されます。私に言わせれば、「企業から自治体への寄付金を税額控除できる制度」であり、「税額控除」であり、「納税」ではありません。言葉をシンプルにすべし。

 なお、これとは別に、「地方交付税法改正法案」(190閣法22号)も提出されました。総額を書き込むほか、特別交付金(特交)を現状維持します。これも、「交付税」とは「交付金」のことであって税ではありませんから、「地方交付金」に名称を変える透明性の確保が必要です。 

 シンプル・イズ・ベスト。

 両案は、地方財政計画と3案一体で審議され、国税の改正法案とともに、年度内に成立する見通し。

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児童扶養手当法改正案提出、第2・3子恒久倍増 石田祝稔公明党政調会長の提案

2016年02月09日 23時59分59秒 | 第190回通常国会(2016年前半)

(このエントリーの初投稿日時は10日午前7時で、それから2016年2月9日付にバックデートしました)

[写真]公明党の石田祝稔政務調査会長と、民主党の岡田克也代表=ともに衆議院ウェブサイトから。

 政府は、「児童扶養手当法改正法案」(190閣法26号)を平成28年2016年2月9日(火)の閣議を経て、衆議院に提出しました。

 ひとり親世帯の児童扶養手当を、月額で、第1子4万2000円に重ねて、第2子が1万円(現在は5000円)、第3子以降が6000円(現在は3000円)とする法案。成立すれば、8月1日に施行し、12月支給分から適用。年収227万円から460万円にかけて漸減するのは現在と同様。

 法案の概要は、厚労省ウェブサイトに載っています。

 国会での審議は、「労働基準法改正案」(189閣法69号)よりも先行するとみられますが、より多くの人の負担を減らす「雇用保険法改正案」(190閣法9号)を前に持ってくる気配があり、第190回通常国会(6月1日まで)での成立は半々、といったところでしょうか。

 2015年11月の当ブログ内エントリー(児童扶養手当法改正案提出、与野党に機運 第2子以降増額、2016年通常国会)にもある通り、11月の衆議院予算委員会閉会中審査で、公明党の石田祝稔(いしだ・のりとし、シュクネン)政務調査会長が、就任早々、提案。塩崎厚労相の答弁は、補正予算案での対応と思われるものでしたが、民主党の岡田克也代表が記者会見で「民主党単独でも、国会に法案を出すことも含めて検討したい」と後押ししたことが実現しました。石田政調会長と岡田代表は、衆議院初当選同期で、新進党結党メンバー。

 岡田さんのお母さんは、母子家庭の3人娘で、岡田さんはひとり親世帯のバックアップに初当選以来取り組んでいます。




[当ブログ内から関連エントリーの全文引用はじめ]

児童扶養手当法改正案提出、与野党に機運 第2子以降増額、2016年通常国会

2015年11月13日 16時02分08秒 | 第190回通常国会(2016年1月~)

[写真]官邸・国会に続く、初夏の坂道、2015年6月、筆者・宮崎信行撮影。

 児童扶養手当法改正案提出の機運が与野党に高まってきました。

 児童扶養手当法(昭和36年法律238号)は、その第5条で「手当は月4万1000円とする」「2人以上の場合は、それぞれ3000円、そのうち1人は5000円とする」と書いてあります。

 要するに、母子(シングルマザー)・父子など寡婦のひとり親世帯では、子ども1人なら月4万1000円ですが、2人だと月4万6000円、3人だと月4万9000円。2人以上のひとり親世帯の負担感が問題となっていました。

 今週の衆議院予算委員会閉会中審査では、公明党の石田祝稔・政務調査会長が質問しました。石田さんは前月に5年間務めた前任者が入閣したため、政調会長になり、NHK日曜討論に続き、テレビ入り予算委でもトップバッターとなりました。

 石田さんの質問に対して、塩崎厚労相は「年末までに加算額の拡充も含めて検討したい」と答弁しました。

 これを受けて、民主党の岡田克也代表は12日(木)の記者会見で、「国会に法案を出すことも含めて検討したい」と語り、政府から閣法が提出されない場合も、民主党独自の議員立法を、平成28年2016年通常国会に提出するかまえを見せました。このため、いずれにせよ、児童扶養手当法改正法案が提出される公算が高まりました。

 塩崎厚労相の発言は、今月とりまとめる政策パッケージ「1億総活躍社会」に入れ込んで、補正予算案のメニューに入れることを念頭に置いた可能性があります。これについて、岡田代表は「補正だと1回きりになる。恒常的な制度が必要だ」とし、補正ではなく、本予算で対応すべきだとの基本を明示しました。

 子どもの貧困は、今さらながら、今年になってから、世論の関心が高まっており、一気に解決するチャンスです。ただ、厚生労働委員会は積み残しが多く、とくに残業代ゼロの労働基準法改正案とのかけひきが予想されます。かけひきですが、「残業代ゼロよりも、子どもの貧困対策だ」との世論が高まれば、参院選を前に政府・自民党も柔軟な国会対策に応じ、政策実現につなげることはできそうです。

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(C)宮崎信行 Nobuyuki Miyazaki 
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【評伝】高田ちえさん享年100 岡田克也さんの背中を押したたった一人のおばあちゃん

2009年01月31日 16時23分23秒 | 岡田克也、旅の途中
 

 正月2日早朝に、民主党副代表・岡田克也さんのおばあさん、高田ちゑ(高田ちえ)さんが亡くなりました。享年100。老衰。ここ数年は入退院を繰り返していたそうです。 岡田さんの55年間の前半生でただ一人のかけがえのない祖父母がちえさんでした。

 高田家は三重県菰野町の旧家(地主)で岡田さんのお母さんの実家です。

 岡田家(父方)は三重県四日市の老舗、岡田屋呉服店。岡田卓也さん(イオン創業者・名誉会長)夫妻のもと、長男の岡田元也さん(イオン社長)、次男の克也さん(衆議院議員)、三男の高田昌也さん(中日新聞政治部記者)がいます。いわゆる岡田3兄弟です。

 高田ちえさんは三重県海山町(いまの紀北町)出身。菰野町の旧家に嫁ぎながら連れ合いを亡くし、苦労しました。それでも3人の娘(一人は岡田さんのお母さん)を女手ひとつで育て上げたうえ、その経験から、自分と同じような境遇、つまり母子家庭、シングル・マザーを支援する活動を半世紀以上続けました。

 1949年(昭和24年)2月から最近まで「菰野町母子福祉会」の会長。県組織では、三重県母子福祉会(現在の名称は三重県母子寡婦福祉連合会)会長(1971年~1990年)、全国組織では、全国母子寡婦福祉団体協議会(全母子協)副会長(1979年~1989年)を務めました。
 
 国会議員、陳情者、官僚、マスコミ御用達の「国会議員要覧」というガイドブックがありますが、巻末の主要団体の連絡先の一覧にも「全母子協」が載っています。

 【動画】麻雀好きの明るい人でした――ただ1人の祖母、逝く(岡田かつや週刊ビデオメッセージ)

 このおばあちゃん、岡田さんにとって、「イオン創業に奔走しあまり夕食をともにした記憶がない父」との心のすきまをうめ、「大阪の高校進学&父との2人ぐらし」という思春期の大決断を助け、通産官僚から代議士への転身という岡田さんの人生の節目節目でその背中を押してあげた「政治家・岡田克也」誕生に不可欠な人物だったことが分かりました。

 ◇

 私は高田ちえさんのことを書き記すことは、いずれ現代史の大事な資料になると思い、このエントリーを書くことにした次第です。

【しごとに明け暮れる父母、10キロ離れたおばあちゃんの家へ自転車で】

 「1953年7月14日、私は三重県四日市市で生まれた。父はいまでこそイオングループの創業者として知られているが、当時は四日市で代々つづいた家業の呉服店の後継者だった」「母も地元で生まれ、父と結婚した当初は売場に立っていた」(岡田克也著『政権交代』49ページ)。

 

 「私にとってはあくまでものんびりした一地方都市で、こうした街で育ったことが自分の人格を形成する、大事な要素になっていると思う」「毎日忙しくしていて、父と夕食をともにした記憶はほとんどない」。

 公立の小中学校で学び、「社会にはいろいろな人がいる」という感覚が体に染みついた克也少年ですが、仕事にあけくれるお父さんとそれを支えるお母さんに反感を覚えていたのではないでしょうか。

 克也少年の淋しさを埋めてくれたのは、たった一人のおばあちゃんだったようです。四日市から片道10キロ離れた高田家に1人で自転車に乗って、よく遊びに行っていたそうです。

 「大変明るい人で、趣味は麻雀。私が中学校時代に麻雀を教えてもらったのも祖母からで、最近はあまりやりませんが、大学時代や社会人になってから、あまり上手くない麻雀を一生懸命やった、そのもとは祖母に教えられたものです」(1月7日付「岡田かつやTalk-About」)

 こういったことを岡田さんがあかすのはまれです。

 「1969年、私は大阪の高校を受験することにした。私にとっては初めての大きな決断だった」(「政権交代」51頁)。「都会の高校に行ってみたい」「それまであまり話したことのない父といっしょに暮らしてみたい」。

 この決断の裏にはおばあちゃんとの“雀卓談義”があったと思われますが、そこはちょっと分かりません。


【東大法学部、知らずに追いかけていた父の背中、おばあちゃんの背中】

 東大法学部に進んだ克也青年。

 「卒業後の進路を考えはじめる頃になっても、やはり公のために働きたいという思いがずっと心の中にあった」(「政権交代」55頁)。

 岡田さんは、通産省と厚生省から就職内定をもらいました。

 本人は気付いていないかもしれませんが、通産省はお父さんの会社の所管官庁、厚生省はおばあちゃんの団体の所管官庁です。克也青年は無意識にお父さんの背中とおばあちゃんの背中を追いかけていたのではないでしょうか。

 「どちらに行くべきだろうか。正直なところ、大変に迷った。公のために働くのであれば、年金や福祉の仕事など、厚生省のほうがよりふさわしいだろうか、という思いもあった。しかし、生きた経済や企業を相手にしながら、省内が生き生きしているような実感があって、通産省に決めた。入省は1976年である」(『政権交代』56頁)。


【志ある若者の背中をそっと押す高田家 孫文と岡田さんの意外なつながり】

 岡田さんは2008年7月25日付の訪中報告ブログで、次のようなエピソードを明らかにしています。

 高田家に今からおよそ100年前、のちに中国で辛亥革命(中華民国建国)をなしとげた孫文が泊まったことがあるそうです。孫文を経済的に支援する日本人グループの1人だったとのこと。

 孫文は中国同盟会を1905年8月20日に東京で結成しました。時の東京は日露戦争の勝利が確実で、「坂の上の雲」にのぼったような気持ちでいたころです。この中国同盟会が清王朝を滅ぼし、辛亥革命をなしとげることになります。

 孫文は革命を目指して香港、シンガポールに滞在し、宮崎滔天(宮崎寅蔵)ら支援者の力で日本国内も転々としていました。昨年、胡錦涛・国家主席が来日した際も、日比谷公園内の孫文ゆかりの「松本楼」を訪れました。岡田さんのひいおじいちゃんもそういった孫文の支援者の一人だったようです。

 孫文は高田家に一宿一飯のお礼に「博愛」という書を残しました。岡田さんが代議士になると、孫文の書を高田家の蔵から東京に運び、衆議院議員会館の自室に掲げました。



[写真は孫文が高田家に残した「博愛」の書]

 あの広い中国大陸で辛亥革命をなし遂げた孫文。その背中を押してあげた高田家。高田ちえさんも岡田さんが1988年、通産省を辞めて政治家になると「決めたときには、一生懸命応援をしてもらった」(1月7日付ブログ)。

 高田家には、志ある若者の背中をそっと押してやる思いやりが受け継がれているようです。高田家は養子縁組みした昌也さん、つまり岡田さんの実弟が跡を継いでいます。

 孫文は58年間の生涯で「中国革命の父」となりました。中国人、台湾人、日本人の大多数が偉人だと一致するおそらく唯一の人物ですが、最期は「革命未だならず」と無念さをにじませました。

 
[中華民国時代の北京・天安門にかかる孫文の肖像=1月24日付朝日新聞]

 岡田さんも若く見えますが55歳。狭いこの国で、革命ではなく政権交代をするのは、ずっと簡単なことに思えます。民主党が政権をとり、その政権がいずれ腐り、もう一つの二大政党に政権が再びかわる。そういうプロセスを経て、日本に政権交代可能な二大政党制を確立するには向こう15年間はかかります。岡田さんには「政権交代未だならず」など絶対に許されません。

 私はこの訃報に接するまで、「高田ちえ」さんのお名前も存じ上げませんでした。「政治家・岡田克也」にこれだけ大きな影響を与えた明治女性がいたとは驚くばかり。なぜだかよく分からないけど、「ありがとうございました」と感謝したい気持ちになりました。

 心からご冥福をお祈りします。

[全文引用おわり] 

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