【元日経新聞記者】宮崎信行の国会傍聴記

政治ジャーナリスト宮崎信行、50代はドンドン書いていきます。

【4/6】不要不急の決算審査行われる、首相午後5時50分過ぎ、緊急事態宣言と108兆円の経済政策明言

2020年04月06日 18時34分47秒 | 第201回通常国会(2020年1月から6月)「コロナ感染症」
[写真]2年前の2018年に、自民党役員会ののぞむ安倍首相、宮崎信行撮影。

 安倍晋三首相は午後5時50分頃、首相官邸で記者団に対して、(1)GDPの2割にあたる108兆円規模の経済政策パッケージを行い、減収世帯や中小零細企業に現金給付を行う(2)東京、神奈川、埼玉、千葉、大阪、兵庫、福岡の各都府県に緊急事態宣言を行うーーことを明言。あす発表されます。

 これに先立つ、上の以前の写真のように、定例月曜午後5時の、国会内自民党総裁室での自民党役員会で明言しました。

 そんななか、どう見ても、不要不急な決算審査が衆参で行われました。

【衆議院議長 令和2年2020年4月6日(月)】

 大島理森衆議院議長は、森山裕、安住淳両国会対策委員長を呼び、3名で、緊急事態宣言が東京などに出されたときの、国会審議のあり方について、両国対委員長が検討するよう求めました。審議する法案の絞り込みなどを期待した動きと考えられます。

【衆議院議院運営委員会理事会 同日】

 あすの本会議について。密接、密集、密閉など本会議場が「クラスター」になる懸念が出ており、自主的に欠席する議員が出る公算もあります。感染症・伝染病による差別は絶対にいけませんが、この局面で感染・ウイルス陽性となった議員が、次の小選挙区で支持を得られますかね。

【衆議院決算行政監視委員会 同日】

 4つの分科会が開かれ、審議を終えました。これで「平成28年度決算承認案」「平成29年度決算承認案」については、次回、首相ら全閣僚出席の締めくくり質疑をすれば、採決できる状態になりました。

 第三分科会では、厚生労働省所管分野で、自民党の船橋利実さんが質疑。船橋さんは「子2人が医療従事者で、うち1人は感染症指定医療機関に勤めている」とし、辞めてしまう人が出ており、医療崩壊の懸念を示しました。

 既に別エントリーにも書きましたが、保釈された秋元司さんが第三分科会で質問しました。

【参議院決算委員会 同日】

 「平成30年度決算承認案」の審議は3日目(昨年の財務大臣の概要説明含む)となり、省庁別審査1日目となります。まだまだ長い道で、新型コロナウイルス感染症対策のさまたげになりかねない不要不急の審議だと私は考えます。

 省庁別審査1日目は、法務省、財務省、金融庁のほか、日本政策金融公庫も対象で、これについてはタイムリーでした。小西洋之さんは、売上高が激減したホテルの固定資産税の軽減を求め、融資の条件変更を柔軟に対応するよう求めました。小西さんは、風俗営業法により警察が監督する風俗営業従事者への雇用調整助成金排除の動きを「憲法14条違反だ」と問いました。政府は「見直しも含めて検討する」と答弁しました。芳賀道也さんの問いに対して、政府は、「ここ数日でも1日4700人ペースで、外国から日本人が帰国している」と答えました。

 審議に先立ち、「平成29年度決算の参議院の警告決議」への対応を麻生財務大臣が説明。障害者雇用の法定率を公的部門が達成していなかったことについて「反省し、内閣に関係閣僚会議をつくり、厚労省には民間事業者に与えた雇用の検証チームをつくった」とドタバタ劇を振り返りました。審議の最後には、会計検査院長から、この委員会から求められた検査要請への対応の説明がありました。

●あすの予定。

 参議院の第一種常任委員会では「外弁法改正案」「文化観光施設推進法案」などの審議が大詰めとなりますが、そんなに必要でしょうか。農林水産関係の和牛の精液など遺伝子に関する法案は、日本の財産維持のため急いだ方がいいかもしれませんが。

以上です。

保釈から2カ月足らずで、秋元司さんが国会審議に復帰、衆議院決算行政監視委員会

2020年04月06日 14時53分08秒 | 第201回通常国会(2020年1月から6月)「コロナ感染症」
[画像]秋元司さん、2020年4月6日、衆議院インターネット審議中継からスクリーンショット。

 東京地検特捜部に昨年末逮捕され、東京拘置所で年越し。今国会が召集されても拘置が続き、2月12日に保釈された、秋元司・衆議院議員(自民党公認、東京15区)が本格的に国会審議に復帰しました。きょう、令和2年2020年4月6日(月)の衆議院決算行政監視委員会第三分科会で質問に立ちました。

 新型コロナウイルス感染症であすにも東京都などを対象に緊急事態宣言が出る見通しですが、秋元さんは「日本政策金融公庫の無担保無利子融資を迅速にやる必要がある」と問い、日本政策金融公庫の参考人は「本店に限らず、支店でも柔軟に決裁できるようにする。550名のOBOG職員が相談員をし、定期異動を先送りした」と答弁しました。平成28・29年度の決算に関する質疑。第三分科会は経済産業省関連が対象。

 秋元さんは、IRカジノ施設の担当副大臣当時に「500ドットコム」社から便宜を受けた疑いで、捜索され、逮捕。国会議員の逮捕は9年ぶり。二階派のほかに、細田派清和会の議員も事情聴取を受けましたが、逮捕は秋元さんだけ。講演をした際の講演料が50万円のところ、500ドットコム社が副大臣就任を知り、大幅に増額しました。

 報道によると、特捜部はその、もともとの講演の謝礼50万円も賄賂だとして起訴状を書いているようで、それが東京地裁で認定されることがあるのか、私は懐疑的です。また、IRカジノ施設をめぐって参入しているのは、「ラスベガス・サンズ」と「メルコ・リゾーツ・アンド・エンターテインメント」社で、中国のインターネット富くじ会社の「500ドットコム」が工作資金はあるでしょうが、どこまで効果があるのでしょうか。

 いずれにせよ、定年延長された黒川弘務・東京高検検事長を牽制するために、稲田伸夫・検事総長が官邸を挑発しているのでしょう。

 以上です。

[法律の執行状況]改正新型インフルエンザ等対策特別措置法の政府対策本部、あす「新型インフルエンザ等緊急事態宣言」へ、電力子会社を追加する省令、先週末官報に、有事法制・平和安全法制の「事態対処法」でも

2020年04月06日 09時10分45秒 | 法律の執行状況
[写真]安倍首相、3年前の2017年、宮崎信行撮影。

 安倍晋三首相が本部長をつとめる、コロナ特措法(改正新型インフルエンザ等対策特別措置法)にもとづく、政府対策本部が、あすインフルエンザ等緊急事態宣言を発出する見通しとなりました。

 東京、大阪、北海道、埼玉の各都道府県ではないかとみられます。

 改正特措法では、第32条で「全国的かつ急速なまん延により国民生活及び国民経済に莫大な影響を及ぼし、又はそのおそれがあるものとして政令で定める要件に該当する事態」のことを「新型インフルエンザ等緊急事態」としています。首相は期間、区域、概要を定め、国会に報告します。ここで、サラリーマン国会議員や霞が関の官僚の人とくに人質司法をする検察官が頭から抜けていることですが、期間を定めるということは、資本主義経済で絶対に必要なことで、フランス共和国憲法などにも定めがあります。法律では「2年以内」となります。これとは別に同特措法は法律自体が2年間の時限立法(サンセット法)となっています。

 区域内では、市町村対策本部は必ず作らなければならず、市長、副市長、教育長は必ず、消防に関しては、自治体消防がない自治体では、消防団長が必ず入ることになっています。今日時点で知らない消防団長もいるでしょうが、自治体消防がなければ、対策本部に入らなければなりません。

 ところで、改正特措法は指定行政機関に加えて、指定公共機関を定めています。「独立行政法人、日本銀行、日本赤十字社、日本放送協会」(NHK)のほか、「その他の公共的機関及び電気、ガス、輸送、通信その他の公益的事業を営む法人で、政令で定めるものをいう」としています。

 この「電気事業を営む法人」について、先週金曜日の官報特別号外42号、令和2年は、4月3日にして特別号外がすでに42号となっていますが、このなかで、次の12法人が加わりました。

 東京電力リニューアルパワー株式会社、東北電力ネットワーク株式会社、北陸電力送配電株式会社、北海道電力ネットワーク株式会社、電源開発送変電ネットワーク株式会社、中国電力ネットワーク株式会社、中部電力パワーグリッド株式会社、中部電力ミライズ株式会社、四国電力送配電株式会社、九州電力送配電株式会社、関西電力送配電株式会社の12社。

 電力システム改革法の発電、送電、配電会社分離による、送電など子会社ということになります。

 2015年平和安全法制(安保法、戦争法とも表現)で改正が入った、武力攻撃事態及び存立危機事態対処法でも、この補足がありました。先週金曜日です。もともと、刑法の36条など、武力攻撃事態対処法、新型インフルエンザ等対策特措法、存立危機事態を追加する2015年平和安全法制は法文が共通していました。たんにこの機会に、武力攻撃事態及び存立危機事態対処法の政省令を補っただけでしょう。たんに忘れていた、という物の言い方もできるでしょう。

 一方、国会では、衆議院を通過した「文化観光施設推進法案」のように、どうみても、不要不急の法案が審議されています。野党の安住淳国会対策委員長のような議員ばかりならば乗り越えられるでしょうが、与党の森山裕国会対策委員長は立ち止まるべきではないでしょう。きょうの衆議院での決算行政監視委員会の分科会は、今週のテレビ入り決算行政監視委員会の締めくくり質疑(今国会初めての野党の委員長によるテレビ入り審議)の前段階として必要なところもあります。しかし、午後の参議院決算委員会の省庁別審査はまだ1日目であり、省庁別審査など当面延期しても、誰も困りません。

 英国ではジョンソン首相が入院。私の周りでは、春の交通安全運動のテントが張っておらず、都立駒込病院に救急車が今朝も行きました。安住さんは、森山さんに一歩立ち止まれ、と働きかけるべきです。

 以上です。
 




【4/3】参では官邸官僚・古谷一之・副長官補の天上がりで所信聴取、衆ではGAFA新法が審議入り

2020年04月03日 22時07分02秒 | 第201回通常国会(2020年1月から6月)「コロナ感染症」
[画像]古谷一之・内閣官房副長官補、参議院インターネット審議中継をスクリーンショット。

 30万円を1000万世帯に給付することで、自民党総裁の安倍晋三首相と岸田文雄政調会長が合意しました。3兆円程度の追加歳出。2009年の麻生太郎内閣の1・2万円支給は、その後の第45回衆院選で大惨敗したので、麻生財務大臣はやりたくなかったようです。休業補償と営業自粛がセットだということに気付いていない。安倍・麻生・岸田トリオは鈍感。今週は「全5000万世帯に布マスク2枚を日本郵政が配達」が私も驚く大炎上。「マスクより現金」という世論が爆発しかけています。おそらく大企業正社員の収支は2009年よりも安定しているでしょうが、閉鎖的で陰湿な日本人の体質が少しでも変わることを願います。

 そんななか、ダイヤモンド・プリンセス号の対応で防衛省・自衛隊の医官・薬剤官・看護官が一糸乱れぬ活躍。全体を率いたのは、昭和53年(1978年)大蔵省入省で、3人いる内閣官房副長官補のうちの筆頭、古谷一之さんだったとされます。官邸官僚の能吏が、「天上がり」ということで、公正取引委員長に転出することになり、所信聴取がありました。官邸官僚というと、通産省の今井尚哉(昭和57年入省)、佐伯耕三(平成10年入省)両首相秘書官のことですが、財務省出身の古屋さんの栄転で、官邸内での勢力図がまた変動することになります。

【参議院議院運営委員会 令和2年2020年4月3日(金)】

●官邸官僚古谷さん公取委員長に転出へ

 上述の通り、8年ぶりの公正取引委員会委員長交代に向けて、古谷一之候補の所信表明と質疑がありました。現在の杉本和行委員長が昭和49年入省の元財務事務次官で、古谷さんは昭和53年入省、長崎県出身、東大法学部卒業。元国税庁長官になります。

 古谷さんとあわせて、人事院人事官候補として、古屋浩明さん(昭和55年人事院入省)も所信表明し、2人あわせて各党議運委員の質疑を受けました。

【参議院本会議 同日】

 「道路交通法改正案」(201閣法38号参先議が投票総数236、賛成236、反対0の全会一致で可決し、衆議院に送られました

 これに先立ち、新型コロナウイルス感染症の政府対策本部の設置と東京オリパラ延期について、安倍晋三首相が政府報告。代表質問で自民党の石田昌弘さん(日本看護協会組織内)が「小さい声で演説します」と速記者らに気を使いました。

【衆議院本会議 同日】

●GAFA規制法案が審議入り

 検索・動画配信子会社の「グーグル(Google)」、電子商取引・クラウドの「アマゾン(Amazon)」、会員制交流サイト「ファイスブック(Facebook)」、スマホの「アップル(Apple)」のアメリカ本社の巨大IT企業「GAFA」を規制する、独占禁止法などの改正法案が審議入りしました。

 梶山弘志・経済産業大臣が2法案を趣旨説明し、代表質問を受けました。「特定高度情報通信技術活用システムの開発供給及び導入の促進に関する法律案」(201閣法22号)と「特定デジタルプラットホームの透明性及び公平性の向上に関する法律案」(201閣法23号)の2本です。経産相は「5Gやドローンを経済や安全保障に活用する」とともに、「指定者に対して取引を行う中小企業との取引に関して情報提供を求める」などの情報開示を日本政府に求めることに意欲を示しました。

【衆議院経済産業委員会 同日】

  遅れていた、大臣や公取委員長に対する一般質疑がありました。この後、上述の「特定高度情報通信技術活用システムの開発供給及び導入の促進に関する法律案」(201閣法22号)と「特定デジタルプラットホームの透明性及び公平性の向上に関する法律案」(201閣法23号)が趣旨説明され、審議入りしました。

【衆議院安全保障委員会 同日】

●防衛省設置法改正案の吊るしが降りる

  遅れていた、大臣の所信表明に対する質疑がきのうに続いて行われました。この後、政府が1月31日(金)に提出し、きのう4月2日(木)に議長から安保委に付託された「防衛省設置法改正案」(201閣法4号)がようやく趣旨説明され、審議入りしました。

【衆議院法務委員会 同日】

 「裁判所職員定員法改正案」(201閣法17号)が採決されました。討論では、職員の配置換えが概算要求段階から減らされており技能職員の減員が地方の2名しか裁判官がいない支部で影響を与えているとの批判がありました。共産党反対、自民党・公明党・立国社などの賛成多数で可決すべきだと決まりました。

【衆議院国土交通委員会 同日】

 「高齢者・障害者バリアフリー法改正案」(201閣法14号)が全会一致で可決すべきだと決まりました。

【衆議院外務委員会 同日】

 「日本とUAE、ヨルダン、モロッコ、コートジボワールとの投資協定の承認案」(201条約1、2、4、5号)と「日本とASEAN東南アジア諸国連合の包括的経済連携協定の第一改正議定書の承認案」(201条約3号)が趣旨説明され、審議入りしました。

【衆議院厚生労働委員会 同日】

 一般質疑で新型コロナウイルス感染症に対する質問が集中。PCR検査を絞る手法について、先週は賛同する世論があったのに、今週は批判的世論が増えています。国際世論を含めて日本世論が流動的になる究極のグローバル化の渦中にいます。おそらく厚労省の職員はまるっきり自分自身が見えていないでしょう。国会を開き続けて、政府を監視すべきです。

●来週の予定。

 月曜日、4月5日は9時から衆議院で平成28・29年度の決算委員会分科会で各府省庁の審査で午後4時前後まで審議があります。午後1時からは平成30年度決算の参議院決算委員会省庁別(法務省・財務省・金融庁)審査1日目。火曜日は衆議院決算行政監視委員会がテレビ入り審議で、野党議員が委員長をつとめる今国会初めての審議になります。補正予算案編成を見越した政策パッケージも決定されます。

以上です。

【4/2】安倍「全国にマスク2枚配布」が炎上「現金配れ」世論動く、センバツ中止でNHKが本会議中継、道路交通法改正案が参議院で可決、衆議院ではスーパーシティー法案が審議入り

2020年04月02日 18時55分21秒 | 第201回通常国会(2020年1月から6月)「コロナ感染症」
[写真]財務省庁舎の白百合、4年前の2016年3月18日、筆者撮影。

 安倍晋三首相(自民党総裁)への批判が高まりました。昨夜(令和2年2020年4月1日)の「新型コロナウイルス感染症対策本部第25回」での発言が大炎上しました。

 「本日は私も着けておりますが、この布マスクは使い捨てではなく、洗剤を使って洗うことで再利用可能であることから、急激に拡大しているマスク需要に対応する上で極めて有効であると考えております。そして来月にかけて、更に1億枚を確保するめどが立ったことから、来週決定する緊急経済対策に、この布マスクの買上げを盛り込むこととし、全国で5000万余りの世帯全てを対象に、日本郵政の全住所配布のシステムを活用し、一住所あたり2枚ずつ配布することといたします」

 との発言。私もなんで炎上しているのか分からなかったのですが、

 (1)学校休業の再開基準が示されるのではないかと首相発言に興味を持っている人が多かった(2)休業などの一律の現金給付がされない方向性が報道されていたーー

 ことから、マスク2枚ではなく、現金を配れ、という炎上だったようです。

【衆議院本会議 令和2年2020年4月2日(木)】

 きょねんは選抜高校野球が準決勝だったようですが、きょうの本会議の一部はNHK国会中継されました。政府演説、代表質問、首相指名選挙、解散以外で放送されるのは、2012年6月26日の社会保障と税の一体改革関連法採決の与党・民主党の混乱報道以来かもしれません。

 まず、谷畑孝さんの「一身上の都合による辞職」が全会一致で認められました。地元でちやほやされた永年在職表彰議員でも引退はあっさり。

 「家畜改良増殖法改正案」(201閣法35号)と「家畜遺伝資源に係る不正競争防止法案」(201閣法36号)は全会一致で可決し、参議院に送られました。

 この後、「新型インフルエンザ等特措法第15条による対策本部の設置と、東京オリパラ延期に関する政府報告」が安倍首相からなされました。首相は「厚労相から蔓延の恐れが高いとの報告があり政府対策本部を設置した」と説明。代表質問では自民党の小倉将信さんが「志村けんさんが亡くなった」と切り出し言及。立憲民主党の逢坂誠二・政調会長は「10万円を給付し課税対象とすべきだ」と強調しました。8年前の本会議で、給付つき税額控除の検討事項が盛り込まれていたことを、本会議場で騒いでいた元議員は知らないでしょうが、給付つき税額控除のしくみがあれば、戻し税として全世帯への現金給付ができたはずです。とても残念です。

 本会議ではこの後、「スーパーシティー構想導入に向けた国家戦略特区法改正案」(201閣法5号)が北村誠吾・地方創生担当相から趣旨説明され、代表質問されました。北村大臣は「第4次産業革命の技術を使い、スーパーシティー構想を実現するため、未来の生活を引き寄せる最先端サービス間でデータを収集し分析するための基盤を整備するために、自治体などにデータの提供を求めることができる規定などを盛り込んだ」と説明しました。

【参議院内閣委員会 同日】

 「道路交通法改正案」(201閣法38号参先議の法案審査。公明党の高橋光男さんは質疑の冒頭で、「国民のみなさまの中には、新型コロナウイルス対策が最優先事項であるときに、なぜこの法案審議を行うのかと思う人もいるかもしれないが、しかし、私は国民の安心安全な生活を守るという意味では、コロナウイルスも道交法改正も同じ意味であり、あおり運転はわずか一握りの方々によるものだが、そういう事件事故に巻き込まれている人があり、生命や生活を守るうえで待ったなしの課題だ」と意義を強調しました。

 採決前に各党が賛成反対を表明する「討論」はありませんでした。全会一致で可決すべきだと決まりました。参議院先議の内閣提出法案の委員会通過は今国会初。

【参議院法務委員会 同日】

 先の第200回臨時国会から、安住淳国対委員長の体制になりました。先の国会はあわや「内閣提出法案成立率100%」になりかけましたが、森山裕国対委員長率いる与党が会期末に1法案だけ参議院での委員会をわざと見送りました。このため、1法案だけ、参議院先議の形で継続調査法案となっていました。

 「外弁法外国人弁護士による法律の取り扱いに関する特別措置法の改正案」(200閣法12号参先議が趣旨説明され、審議入りしました。

【衆議院安全保障委員会 同日】

 長く開催されなかった、当委員会ですが、ようやく開催されました。しかし、一般質疑は自民党、公明党、維新だけで野党の質疑はありませんでした。一部では「防衛省設置法改正案」(201閣法4号)が審議入りするのではないかとの観測がありましたが、まだ付託すらされていないようで、審議はされませんでした。委員会の冒頭で、渡辺孝一防衛政務官が発言を求め「3月5日の委員会で予算説明をした際に、机上に配布した資料は、読み上げた原稿よりも詳しく記述したものであるとの説明が欠けていた」とわびました。

【参議院国土交通委員会 同日】

 「マンション管理適正化法及びマンション建て替え円滑化法の改正案」(201閣法30号参先議が趣旨説明されました。私は、阪神大震災以外で日本のマンションが決議で建て替えられたことはほとんどないと思うので、立法事実すら疑わしいと思います。

【衆議院総務委員会 同日】

 ほぼ毎年改正法案が出ている、「電波法改正案」(201閣法16号)が審議入りしました。電波利用料の改定など。

【参議院文教科学委員会 同日】

 「文化観光推進法案」(201閣法19号)が趣旨説明。

【参議院農林水産委員会 同日】

 食料・農業・農村基本計画の農相の説明と、それに対する質疑がありました。

【衆議院消費者問題に関する特別委員会 同日】

 一般質疑。

【2幹2国 きのう】

 昨日の、連立与党2党の幹事長、国対委員長会談で、第1次補正予算案を連休前に成立させたい日程感で一致しました。

 以上です。

 

谷畑孝・日本維新の会衆議院議員(73歳)が議員辞職願を提出し政界引退、美延映夫さんが繰り上げ当選へ

2020年04月01日 20時08分50秒 | 第49回衆院選(2021年10月 岸田続投 枝野辞任)
 報道によると、谷畑孝・日本維新の会衆議院議員(大阪14区比例復活)は、さきほど令和2年2020年4月1日(水)、大島理森議長に議員辞職願を提出しました。

 早ければ、あす午後1時の本会議の冒頭で認められる見通し。

 谷畑さんは団塊の世代で73歳。衆議院では当選8期、参議院で当選1回。社会党で初当選し、自民党、日本維新の会を渡り歩きました。政党は渡り歩きましたが、解放同盟の支持は一貫して得ていたと思われます。

 中央選挙管理会は、近く、大阪4区で惜敗率90%だった、美延映夫さんを繰り上げ当選させるとみられます。この選挙区では3名が立候補。自民党の中山泰秀さんが当選。きょねん近畿ブロックの補欠選挙に共産党現職が立候補したことに伴い繰り上げ当選した共産党の清水忠史さん、そして美延さんの立候補者3名が任期中に全員当選したことになります。

 以上です。
 

【4/1】残り会期77日間に、コロナで首相らマスク姿、「MMT」勢い増す、自民・西田さん「金本位制でないから日銀はいくらでも通貨供給できる」に黒田、安倍同調

2020年04月01日 18時23分32秒 | 第201回通常国会(2020年1月から6月)「コロナ感染症」
 第201回通常国会は、73日間をつかい、残り会期77日間。審議入りしていない法案は26本あります。必要なのは復興庁延長法案、政投銀延長法案、そして、地銀と乗り合いバスの独禁法特例法案程度でしょうか。コロナ国会となりましたので、絞り込んでもいいかも。第1次補正予算案(来週閣議決定)、第2次補正予算案(不明)と、その関連法案となります。

 きょう早朝、全国で60足らずの指定感染症医療機関のようすをうかがいにいきました。3週間ぶり。感染症隔離病棟に葉桜。緊迫感はありませんでした。カーテンが開いている部屋もあり、生活感がありました。3週間前と比べてカーテンの開け閉めが目立つので、入院患者の数は増えているのかもしれません。入社式を中止する動きもあるでしょうが、こちらは「新入職員は講堂へ」の張り紙。春ですね。

 ここで、メディアにも出ており、武漢チャーター便の患者の治療(退院)にあたり東京都庁の記者会見にも同席した医師が出勤する姿をお見受けしました。早朝出勤ですが、さほどおつかれではなく、マスクをせずに傘をさして出勤してきました。早番の看護師さんと思われる男女1名ずつも、違う病棟かもしれませんが、さほどおつかれでないようす。入社式をしたり、外ではマスクをしていないのは、知識と態勢があるからで、最も安全なクリーンゾーンで、市井で真似するわけにはいかないでしょう。タクシー運転手さんによると、ここではない病院間を移動した医師はさすがに疲れていて「感染症は開業できないから、もともと専門にする医師が少ない」とのこと。科にかかわらず37度5分の熱がある医師は強制的に休ませるローテーションをとっている病院が多くて、ひっ迫しているのは事実。都知事の対応ですが、キャバクラ・ガールズバーの疫学調査の問題も多いでしょうが、近隣の私立「永寿総合病院」が院内集団感染を出すという呆れ果てる失態をしてしまい、医療リソースの移動のため、週末の東京消防庁救急隊は忙しかったようだ、というような世間話をしました。この先も、我が国は東京で、医療崩壊や感染爆発はないでしょうし、都知事は大袈裟ですが、さはさりながら、油断は絶対に禁物です。政府に私権を制限されるすきを与えないよう、一人一人が同調圧力をかけあって、行動を自粛しましょう。
 

[写真]指定感染症医療機関の4月1日「入社式」のはりがみ、2020年4月1日午前6時半ごろ、宮崎信行撮影。

[写真]指定感染症医療機関の感染症隔離病棟、同。

【参議院決算委員会 令和2年2020年4月1日(水)】

 「平成30年度決算承認案」の全般質疑がありました。

 別エントリーで速報しましたが、首相らはマスク姿で、一部閣僚は副大臣席を使って、距離をとり「ソーシャルディスタンス」をしました。


[画像]マスク姿でソーシャルディスタンスをとる閣僚ら、きょう、参議院インターネット審議中継からスクリーンショット。

 自民党の西田昌司さんは「MMTについて。100年前に金本位制でなくなって、管理通貨制になったから、日本銀行はいくらでも通貨を発行できる」とし、黒田東彦日銀総裁は「委員ご指摘の通りで、日銀が保有する、金など実物資産に制限されない」と答えました。首相らも賛同し、MMT論が一気に加速してきました。

 石破派で、鳥取選挙区(現・島根鳥取合区)初当選の舞立昇治さんは自民党の党是「国土の均衡ある発展」をもじって「国土の不均衡な発展」と語り、山陰の新幹線などのインフラ整備への国費投入を求め、少子化対策で10年間集中的に子育て費用を国が負担するような特例期限を設けるべきだと主張しました。でも、民主党が今世紀初めから言っていたことですよね。石破茂派が自民党総裁になる可能性は再浮上しつつありますが、こういう人たちを受け止めらられる二大政党というものができないか、と私はずっと考えています。

 大門実紀史さんは、芸術家への休業補償を求めました。

 次回は、定例日の4月6日(月)午後1時で、省庁別審査に入っていくと思います。但し、月曜日開催は、会計検査院はいいですが、それ以外の霞が関官僚にも負担をかけることになるとは思います。

【衆議院農林水産委員会 同日】

 基本法にもとづく閣議決定で、きょうから向こう5か年間の「食料・農業・農村基本計画」について、農相が説明しました。令和12年度(2030年度)の食糧自給率をカロリーベースで45%、生産価格ベースで75%に引き上げるという現実的な目標。新型コロナウイルス対策も臨機応変に各所に書き込んだ、現実的な計画となっています。

 参議院ではあす、計画に対する質疑もあると思います。衆議院のこの委員会は次回は8日(水)の午前9時から。「種苗法」はまだ審議入りしていません。

 以上です。

安倍晋三首相らもマスク姿で答弁

2020年04月01日 09時25分20秒 | 第201回通常国会(2020年1月から6月)「コロナ感染症」
[画像]安倍晋三首相、2020年4月1日の参議院インターネット審議中継からスクリーンショット。

 安倍晋三首相らは、マスク姿で答弁。

 新型コロナウイルス感染症「COVID-19」は1月下旬から市中感染していましたが、先週末からの検査で東京など全国で過去最多の1日当たりの新規感染者判明数となっています。

 これを受けて、昨日朝の閣議ではマスクをしていなかった安倍首相も夕方の対策本部会議ではマスク姿に。けさの参議院決算委員会「平成30年度決算承認案・全般質疑」全閣僚出席テレビ入り審議ではマスク姿で登場しました。

 つい先日まで、マスクをしていると本人が病気だとの認識は圧倒的だったため、政治家は常にマスクをできないという認識でした。




 一方、麻生太郎大臣は答弁中にマスクが外れて、自らマスクをとりました。答弁席と質疑者席は、テレビで見るよりもずっと近く2メートル程度、3歩程度しかないのですが、懸念される、飛沫感染の懸念はないでしょう。

 東日本大震災では、翌日から菅直人首相らが、各府省庁の防災服で対応。今回は2月1日に政令が施行されていながら、2か月後からのマスク姿となり、遅い気はします。但し、我が国では、かなり強い発信をしないと、移動の自由に関する自制が効かない面もあるでしょう。

 さて、筆者・宮崎信行はけさ、指定感染症医療機関のようすをうかがいにいきました。偶然、科長先生が傘をさして出勤してきましたが、マスクはしていませんでした。院に入ればすぐに消毒できるということでしょう。感染症隔離病棟も葉桜を見ながら、外から見る限り、緊迫しているようには感じませんでした。こことは関係ありませんが、タクシー運転手さんに聞いたら、某所から某所に医師を運び、感染症は開業などがないため専門的な医師がもともと少なく、今はどこでも体温が37・5度になった医師は勤務させないようにしていることもありひっ迫してはいるとのこと。また、先週後半に台東区の市立病院で院内集団感染があったことで、先週末は、消防庁救急隊の移動が見られたようだ、との認識が一致しました。なので、東京の医療リソースがひっ迫しているのは間違いありません。私は楽観的ですし、知事の発信は大袈裟だと考えますが、油断禁物ですし、しっかり社会を見ていきます。ちなみに、4月1日ですので、「新入職員はこの先の講堂に集まってください」との張り紙もありました。

 以上です。