【元日経新聞記者】宮崎信行の国会傍聴記

政治ジャーナリスト宮崎信行、50代はドンドン書いていきます。

「補正予算案の速やかな成立に野党も協力すべきだ」岡田克也さんが「弟」安住淳国対委員長に呼び水

2020年04月19日 14時04分49秒 | 第201回通常国会(2020年1月から6月)「コロナ感染症」
[写真]安住淳・国会対策委員長と岡田克也さん、きょねん2019年、衆議院第一議員会館内の「立憲民主党C会議室」で、宮崎信行撮影。

 任意政治団体「無所属フォーラム」の代表で、共同会派「立憲民主・国民・社保・無所属フォーラム」に属する衆議院議員、岡田克也さんは、さきほど「補正予算の早期成立に野党も協力すべきだ」としました。メールマガジン・フェイスブックページ・ブログ・ツイッター(引用アドレス)で同じ内容を発信しました。

 岡田さんは「新型コロナウィルス緊急対策を盛り込んだ補正予算案の国会提出が一週間遅れの4月27日となりそうです」とし、政府が野党の提案を拒んだのに連立与党から押し返されて令和2年度第1次補正予算案を組み替えた対応の遅れを批判しました。

 岡田さんは、「中小・小規模事業者を対象とした資金繰り対策(3・8兆円)、新たな給付金制度(2・3兆円)、医療提供体制の整備や治療薬の開発など(1・8兆円)、地方自治体への交付金(1兆円)なども含まれており、一刻も早い予算成立が望まれます」とし、「野党も協力が必要です」と強調しました。

 先週、補正予算案のあす提出を念頭に、安住淳国会対策委員長が、与党の森山裕国対委員長の衆参3日間成立の方針について「審議時間の短縮などとんでもない。徹底的に抗戦する」との趣旨の発言をしました。共産党の穀田恵二・国対委員長も「衆参たった1日の審議で成立させるなどとんでもない」と同調しました。

 しかし、事業者への実質無利子融資となる信用保証協会などの対応が、補正の成立後となっており、事業者が多い選挙区の声などを岡田さんが掬いあげたようです。東日本大震災のときに、与党の幹事長・国対委員長コンビを組み、「兄弟」とも揶揄される、安住委員長が早期成立に舵を切った際に、衆参野党内から反発がでることへの予防線とみられます。


[画像]安住淳衆議院議員の公式ホームページ、きょう現在。

 安住さんは公式ホームページで「時代も変わる、安住も変わる。」としており、鬼軍曹から脱皮した「ニュー安住」の打ち出しを手助けする意向もにじみ出ています。

 [岡田克也さんのSNSから全文引用はじめ]

 新型コロナウィルス緊急対策を盛り込んだ補正予算案の国会提出が一週間遅れの4月27日となりそうです。安倍総理が、限られた世帯30万円の給付を、すべての人に10万円給付に急遽変えたことに伴う予算案の組み替えによるものです。

 そもそも野党は、すべての人々にまとまった金額(10万円)を迅速に給付すべきと強く主張してきました。公明党や自民党の一部にも同様の主張がありました。支給対象を限定すると基準が複雑でわかりにくくなり、不公平感や窓口混乱で時間がかかることが指摘されてきたのです。それに耳を傾けることなく、安倍総理と岸田政調会長の政治主導を演出して30万円案が決まりました。

 それが国民の声に押され、撤回されたのです。政策転換は評価しますが予算案の国会提出が一週間遅れとなりました。中小・小規模事業者を対象とした資金繰り対策(3.8兆円)、同新たな給付金制度(2.3兆円)、医療提供体制の整備や治療薬の開発など(1.8兆円)、地方自治体への交付金(1兆円)なども含まれており、一刻も早い予算成立が望まれます。野党も協力が必要です。

 ただし、最低限の国会における審議は必要です。20兆円を超える予算案を国会のチェックなく成立させる訳にはいかないのです。

 本予算が成立して3週間、政府はもっと早く予算案をつくることができなかったのか、そもそもこの緊急事態の中で、与野党で争点にならない問題については、本予算の修正によってもっと早く措置することができたはずだったのではないか。安倍総理に対して猛省を求めたいと思います。

[全文引用おわり]

以上です。

医師でもある小池晃さん「一週間予算委員会が遅れた与党の責任は重大だ」「中小の固定費どんどん出血している、補償と休業は一体だこれは景気対策ではなく感染症対策だ」

2020年04月19日 10時42分06秒 | 第201回通常国会(2020年1月から6月)「コロナ感染症」
[写真]小池晃さん、4年前2016年7月、東京・北区で、宮崎信行撮影。

 「循環器内科」の医師で、日本共産党書記局長の小池晃さんは、「1週間前に自民党と公明党が閣議決定で決めたことを世論の力でひっくり返したのは画期的なことだ」としながら「遅すぎた判断で1週間予算委員会が遅れた。与党の責任は重大だ」と語りました。

 さきほど令和2年2020年4月19日放送の「NHK日曜討論」で語りました。

 小池さんは、「中小小規模事業所の家賃、光熱費などの固定費がどんどん出血している」と資金循環を血液循環にたとえました。小池さんは「これを収束するまで持続して補償する。これは景気対策ではなく感染症対策なんです。感染拡大を防止するためにどうしても必要なんです。自粛してもらうには補償はセットでなければならない」と語りました。

 政府は4月7日に決定した「令和2年度第1次補正予算案」をあす(20日)に国会に提出し、22日(水)に成立させたい意向でした。しかし、「住民税非課税世帯30万円」を「全国民一律10万円」に急転直下。予算案を撤回のうえ編成替えすること決めました。

 あすの国会は衆参とも開かれません。今週は休戦の見通し。来週から審議入りした場合は、27日(月)、28日(火)の後、29日が祝日で、30日(木)、来月1日(金)が平日になりますので、29日祝日にも国会が開かれることもありそうです。

 安倍晋三首相・麻生太郎副総理はリーマンショック後の定額給付金を引き合いに出していますが、あれは景気対策・需要喚起です。今回は、補償と引き換えに経済を止めるお金で、回転がまったく逆。それを、首相・副総理、財務省主計局、マスコミが理解できなかったのは残念無念。日本には「ゼネラル」(総合的に判断する、軍に例えれば将官にあたる権力エリート)がいないとした、司馬遼太郎さんの歴史分析が再現されているように感じます。小池さんの発言に我が意を得たりと考えました。

 以上です。