【元日経新聞記者】宮崎信行の国会傍聴記

政治ジャーナリスト宮崎信行、50代はドンドン書いていきます。

【岡田克也】「自粛し過ぎで野党の意見が伝わらないことがないようにしたい」「補正予算は数回で」「法案絞って役所のパンクを避けたい」

2020年04月09日 16時32分08秒 | 第201回通常国会(2020年1月から6月)「コロナ感染症」
[写真]岡田克也さん、きょねん2019年、宮崎信行撮影。

 岡田克也さんは「国会は2日間休会となったが、これからも続けていくことになった。補正予算案も含めて重要な審議があるので、国会をきちんとやっていくのは賛成だ。党内や会派内の会議は自粛ムードだが、自粛し過ぎて野党の意見が伝わらないことがないようにしたい」と語りました。

 きょう令和2年2020年4月9日(木)も定刻通り午後12時05分から、定例記者懇談会を開きました。新型コロナウイルス感染症対策として、いつもより大きい会議室で、ソーシャルディスタンスをとって開かれました。

 岡田さんは東京など7都府県で緊急事態宣言が出たことについて、「特措法に基づいて動くようになったのは一歩前進だ」と語りました。事業規模108兆円の補正予算案について「規模は十分でないという意見は多いと思う。補正は1回では終わらないだろう。私が東日本大震災のときの与党幹事長だったときは、補正を4回組んだ」と強調。当時を振り返り、「まじめすぎたかもしれない」とし、増税はすべきでなかったと反省。公務員・国会議員の給与削減は「今は混乱しているから」と現時点では議題にすべきではないとの見立てを示しました。

 今後審議する法案を絞るべきだとの野党の考え方について「役所が忙しい状況なので法案よりも緊急の補正予算審議を優先すべきなのは明白だ」とし「自民党国対もいろいろな思いで言っているだろうが、役所がパンクしなければいい」とし安住淳国対委員長が促す法案絞り込みを求めました。

 首相の布マスク全戸2枚配布については評価を避け「専門家の意見を聞いたそぶりがない」と指摘。休業要請をめぐって国と都などが対立していることも含めて「総合的な調整は国が行うが、調整不足なのかな」と懸念を示しました。

 このように、岡田さんは元気いっぱいでした。私も歴史的局面での岡田さんの話を記録するのは「必要火急の外出」だと出かけてきました。そのなかで、読者にお伝えしたいことが多い半日でした。


 以下は、岡田さんとは全く別の話になりますし、私もいたって元気です。

 

 緊急事態宣言のねらいは医療リソースの枯渇を避けること。日本医師会の本部=文京区本駒込=に行きましたが、人気がなく緊迫感はまったくありませんでした。もともとそういう組織だから、それはいいのです。



 ここのところ何度も書いている感染症指定医療機関の感染症隔離病棟をのぞいてみました。そのごく一部分の写真。カーテンが引かれたり、開けられたり。看護師が開け閉めしている部屋もあるでしょうが、コロナは95%退院するのですから、患者さん自身がいつもの生活の延長線上で治療生活を送っているのでしょう。すぐに退院できるか。この病棟の40室は先週頃から満床になったようで渡り廊下でつながる一般病棟にも広げているのは既に報道されています。今後は2回陰性の手続きを短くしたり、軽症者にホテルに移ってもらったりするので、ギリギリのタイミングで医療崩壊は避けられました。

 もちろん写真などありませんが、駐車場でご家族60代女性が悲嘆に暮れていました。空を見上げて自省しているようでした。いつでもどこでも病院には悲嘆に暮れたご家族はいます。が、コロナ罹患者の5%は、外から見えない「肺」がみるみる弱ります。家族はショックでしょう。修羅場を経験している私でも、今日見た沈痛な面持ちのご家族の表情は、心に残る類のものでした。やはり、少し違う。

 文京区は9割以上のお店が開いていました。1割の休業しているお店は、社長が土地建物を所有しているところです。その環境だと、家賃がかからず、信用金庫は土地担保の枠内ならいくらでも運転資金を貸してくれるというのが東京の商業です。「都議会自民党」vs「都民ファーストの会」という東京だけの政治対立が起きる底流です。休業補償がないと要請は画に書いた餅。みんな分かっていて「デモ」として9割営業しています。

 今、私たちがやるべきことは、感染しない、イライラして家の外でも内でも怪我しない、葬式をしない、というフェーズにあると思います。

 国会にも範を示してほしいところです。

 以上です。