【元日経新聞記者】宮崎信行の国会傍聴記

政治ジャーナリスト宮崎信行、50代はドンドン書いていきます。

【4/14】なぜそこまでして・・・75歳まで年金受給年齢を繰り下げる法案が衆議院本会議で審議入り

2020年04月14日 21時08分39秒 | 第201回通常国会(2020年1月から6月)「コロナ感染症」
(14時8分初投稿で、21時10分更新)

[写真]10年前のフジテレビ「百識王」で分かりやすく解説する宮崎信行。

 「元祖・国会クラスタ」の宮崎信行です。新型コロナウイルス感染症の「感染集団」を「クラスター」と呼ぶので、最近はあまり良い印象でなくなってしまいました。

 世の中が騒然とするなか、今国会最大の目玉法案「年金制度改革法案」(201閣法34号)が審議入りしました。

 ●静岡4区の補選がスタート。26日(日)投票。アメリカの選挙制度ならば、知事が亡くなった議員と同じ党から残り任期の議員を任命することになっており、見習ってもいいかもしれません。

 ●船橋利実議員の赤坂宿舎に同居する家族が感染しました。同議員は先週6日(月)の決算行政監視委員会第三分科会で「実は私の子供2人も医療従事者で一人は感染症指定医療機関、もう一人は民間の医療機関につとめています。実は民間で昨日(注・報道では前々日とされる)感染者が出てしまいました。外来を直ちに閉鎖し、病院長さんが院内の除染をするようすぐに指示したが、その医療従事者が職場を辞めてしまった。身の危険を感じたということだが、もともと辞める予定ではあったようだ」と語っていました。各紙報道のうち一部が報じたところでは、保健所は今月1日から調査に入ったようです。船橋議員が質問した時点で「患者5名感染」がPCR検査で判明したところ。北海道の国会議員の同居の娘の東京での勤務先ですから、あくまでも聞いた話でしょう。退職者が続出しているとの情報は、公になる前に、匿名掲示板に書き込まれていました。船橋議員に対して加藤勝信厚労相は「たたかいの最前線でたたかっておられることに感謝したい」とピント外れの答弁で返していますが、いろいろ情報が明らかになっていないので、やむをえないところでしょう。

【衆議院本会議 令和2年2020年4月14日(火)】

 公正取引委員会委員長に官邸官僚の古谷一之さん(昭和53年大蔵省)が賛成多数で後任に同意されました。古谷さんの同期は真砂靖さん、本田悦朗さん、中尾武彦さんら。8年ぶりの交代で、財務省出身者が連続しました。人事官には人事院プロパー、国家公安委員には横畠前内閣法制局長官が同意されました。

 「日本と、UAE、ヨルダン、ASEAN、モロッコ、コートジボワールとの投資協定承認案」(201条約1、2、3、4、5号)が共産党反対、自民党・公明党・野党共同会派・維新の賛成多数で承認され、参議院に送られました。

 採決を終えたところで、半分の議員が退場し、議員会館でテレワーク。

 「年金制度改革法案」(201閣法34号)と「年金GPIF法などの改正案」(201衆法7号)が審議入り。

 加藤厚労相は「60歳から70歳までの受給年齢の選択肢を60歳から75歳まで増やす」「在職老齢年金の支給範囲を拡大する」と趣旨説明。野党共同会派の岡本充功さんが「年金積立金は新型コロナの株価下落で1-3月期に17兆円の損失を出したかもしれない」「1号被保険者の子どもが1歳になるまでは保険料を免除する」などと説明しました。

【衆議院厚生労働委員会 同日】

 一般質疑の後、休憩。この後、「年金制度改革法案」(201閣法34号)、「年金GPIF法など改正案」(201衆法7号)が各々趣旨説明されました。

【衆議院国土交通委員会 同日】

 「白タクを全国で解禁する、持続可能な運送サービスのための一括改正法案」(201閣法20号)。質疑が終わった後に、共産党の高橋千鶴子さんが「白タクの対象や地域の限定をなくして際限ない白タクへの道を開く」として、関連した条文案を削除する修正案を提出。採決の結果、自公立国などの賛成で政府原案通り可決すべきだと決まりました。

【衆議院総務委員会 同日】

「電気通信事業法など改正案」(201閣法28号)が趣旨説明されました。質疑の後、採決。共反対、自民、公明、野党共同会派、維新の賛成多数で可決すべきだと決まりました。

【衆議院経済産業委員会 同日】

「GAFA規制法案」(201閣法23号)と「5G税財政支援法案」(201閣法22号)について各々、参考人質疑をしました。

【参議院農林水産委員会 同日】

 第一種常任委員会で最も少ない定員20人ですが、第一委員会室で開催。ソーシャルディスタンシングを確保。農水委史上初めてでしょう。

 「家畜改良増殖法改正案」(201閣法35号)「家畜遺伝資源不正競争防止法案」(201閣法36号)。全会一致で可決すべきだと決まりました。  

【参議院総務委員会 同日】

 「電波法改正案」(201閣法16号)が趣旨説明されました。質疑は次回。

【参議院法務委員会 同日】

「裁判所職員定員法改正案」(201閣法17号)の趣旨説明。検察定年で「嘘」とされている森まさこ法相はコロナ渦で生きながらえましたが、あさってからは衆議院で検察庁の定年の改正条項が入った法案の審議が待ち構えています。

【参議院外交防衛委員会 同日】

 「防衛省設置法改正案」(201閣法45号)が趣旨説明され、散会しました。

●参議院国土交通委員会は法案審議中でしたが、開催されず。おそらく参議院分館の過密を避けるためと思われます。

●衆議院法務委員会は流会しました。国対委員長が常任委の開催を4つに絞ったため、衆議院分館の過密を避けたと思われます。

【衆議院沖縄及び北方問題に関する特別委員会 同日】

 衛藤晟一大臣の所信的あいさつ。

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[写真]10年前のフジテレビ番組では、Kis-My-Ft2の藤ヶ谷太輔(右端)と宮崎信行(左から2人目)が共演。

[写真]元祖・テレワーク、国会をインターネットで取材する宮崎信行。

[写真]破顔万笑の宮崎信行、フジテレビ番組から。
















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Ⓒ2020年、宮崎信行

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