田舎おじさん 札幌を見る!観る!視る!

私の札幌生活も17年目を迎えました。これまでのスタイルを維持しつつ原点回帰も試み、さらなるバージョンアップを目ざします。

手嶋氏 日本の外交を叱る

2010-10-26 14:30:18 | 講演・講義・フォーラム等
 「市民医療フォーラム2010」で外交評論家の手嶋龍一氏が講演すると知り、会場の札幌市民ホールに駆けつけた

              

 先週末に私が参加した講演会、フォーラムシリーズ第3弾である。

 10月23日(土)「市民医療フォーラム2010」において、手嶋氏が 「国家と暮らしの安全保障~日本の針路を考える~」 と題して講演を行った。
 フォーラムでは札幌市の医師のレポートもあったが、ここでは手嶋氏の講演に絞ってレポートすることにする。

                   

 多岐にわたった手嶋氏の話を私なりに整理してみると次のようになるだろうか?
 日本は第二次世界大戦終結以来、長い間戦乱を経験せずに経済復興を成し遂げて世界第二位の経済大国にのし上がった。(今年中に中国に抜かれる状況だが)そのことと同時に国民皆保険の制度を整備し、世界に冠たる医療大国となった。

 一方、アメリカはこれまで8千万人の人が保険の対象外だった。オバマ現大統領が国民皆保険制度を導入しようとしているが、基本的にアメリカは命を賭して安全や豊かさを得ようとしている。

 これに対して日本は国や国民の安全・安心を他国に頼っていないだろうか?
 今回の尖閣諸島問題でも、クリントン国務長官の発言を受けて簡単に事態を収拾しようと動いた。このような外交の態度では相手を増長させてしまうことに繋がる。対中外交は特に凛とした姿勢、毅然とした態度が必要である。

 国家の安全が脅かされるような情勢では、国民の医療体制云々などということが吹っ飛びかねない。国民の安全・安心を保障するうえでもしっかりした理念と覚悟のもとで外交を展開してほしいものである。
 という内容だったと私はまとめてみた。

 長い間、外交の最前線で取材を続けてきた手嶋氏の言葉だけに説得力がある。
 その話の中でクリントン現国務長官に関する話が面白かった。夫のクリントン氏が大統領職に就いていた時もメディアの間では真の実力者は妻のクリントン氏と見ていたとのエピソードを披露してくれた。

 「凛とした姿勢」、「毅然とした態度」という言葉が印象に残った講演会だった。