体長30メートルを超すという伝説の白い巨鯨が捕鯨船を破壊するシーンは圧倒的な迫力で迫ってきた。3D映像がその迫力を一層増して私に迫ってきた。遭難した船員たちは大海を絶望的な思いで漂流する。果たして彼らの運命は?不朽の名作『白鯨』の陰に隠された真実が明らかになる…。
連日の試写会、本日(13日)はその第2弾である。
HTB提供の試写会「白鯨との闘い」は本夕、18時30分から札幌プラザ2・5で上映された。
映画は『白鯨』のメルヴィルが、捕鯨船の船員で最も若かった生き残りのトムから聞き書きする形を取りながら進行する。
物語は1819年、当時はまだ石油が発見されていなく、鯨から採れる鯨油は貴重品だった。そのため一攫千金を夢見る海の男たちは、危険を顧みることなく小さな(当時としては大きかったかもしれないが)捕鯨船に乗り込み、遠洋に出かけていった。
当時の捕鯨は、帆船である母船でさえ30メートル足らず、鯨を捉えるには4~5人乗りの手漕ぎのキャッチャーボートに乗り込み、銛で鯨を打つという原始的な方法である。普通のサイズの鯨でも捕えるのは命がけである。
そのような中で、常識外の巨鯨(白鯨)が彼らの前に出現したのである。
キャッチャーボートなど論外である。いとも簡単に船員たちは海に投げ出されたが、なんとか母船に戻ることができた。
しかし、白鯨は執拗に母船までも攻めてきた。そこで怒りに燃えた一等航海士のオーウェンは銛を白鯨に打ち込んだ。しかし、そのことによって白鯨は母船さえも破壊し、海に沈めてしまったのだ。このシーンの映像は本当に迫力満点だった。
母船を失い、仲間を失った船員たちは、かろうじて残ったキャッチャーボートに乗り、大西洋の海原を絶望的に、漂流を続けるのである。この漂流において、小説『白鯨』では描かれなかった隠された真実があった…。(その部分はネタバレになるので映画に譲ることにする)
※ 主演の一等航海士を演ずるクリス・ヘムズワースです。
鯨、しかも捕鯨ということになると、日本人としてややナーバスになる話題である。映画においては鯨の肉はまったく一顧だにされていないようだ。ひたすら鯨油のみを彼らは目当てにしていた。このあたりの時代背景も興味深い。
ともかく、常識外の巨鯨(マッコウグジラということだ)が画面いっぱいに暴れるさまは迫力満点である。映画館の大画面で体感されることをお勧めする。
1月16日(土)から一般公開とのことだ。2D、3D同時公開だというが、どちらでも十分に迫力を楽しめるだろう。