田舎おじさん 札幌を見る!観る!視る!

私の札幌生活も17年目を迎えました。これまでのスタイルを維持しつつ原点回帰も試み、さらなるバージョンアップを目ざします。

初学び 北大博物館セミナー

2016-01-10 20:07:58 | 大学公開講座
 今年の初学びは、9日(土)に開講した北大総合博物館が主催する「土曜市民セミナー」だった。難解な話に懸命に耳を傾けたのだが、理解度は果たして?? 

               

 昨年の7月から毎月1度、土曜日に開講している「土曜市民セミナー」も今回で第7回目となった。7回目の今回は「日本海は進化のゆりかご ~海藻と貝形虫~」と題して、北大博物館講師の阿部剛史氏が講師を務めた。

 阿部氏の専門は「海藻系統分類学」だという。この学問は「海洋天然物化学」に通ずるものだそうだ。
 そもそも「天然物化学」とは、生物が産生する物質(天然物と呼ばれる)を扱う有機化学の一分野で、天然物の単離、構造決定、合成を扱うことだという。
 ちなみに、昨年ノーベル生理学・医学賞を受賞した大村智北里大学特別栄誉教授は、この分野で新しい微生物(アベルメクチン)を発見し、それから抗寄生虫薬を開発したことがノーベル賞受賞に繋がったと講師の阿部氏は解説してくれた。

          
          ※ 講義をする阿部剛史講師です。

 阿部氏の研究する「海藻系統分類学」というのは、天然物化学の中でも「海洋天然物化学」の分野に属する研究だと説明された。
 ただ、阿部氏の場合はあくまで種を分類することが主たる研究で、それらの物質から新たな化合物などを創り出すということには興味を抱いてはいないようだった。

 さて、ここからが私にはいま一つ理解度が深まらなかった点であるが、つまり阿部氏が研究対象エリアとする日本海がなぜ進化のゆりかごなのか、といういわば主題についてである。
 私が理解した範囲で記せば、氏の研究対象としている海藻の「ウラゾソ」は日本海各地に生息しているという。しかし、地域によってその形状などに違いがあり一見別種のようであるという。しかし、遺伝子を調べてみると同じ物である場合があるそうだ。これは、地球が氷河期を繰り返す中で、小さな海域に閉じ込められて独自の進化をして別種のように見えるものがあるという。この場合は、種としては別種としては取り扱わず、品種の違いとして分類するそうだ。

            
            ※ 阿部氏が研究対象とする海藻の一種ウラゾソです。

 つまり、阿部氏が本講座で言いたかったことを、私なりにかなり大胆に解釈すると、日本海のような海域において幾度かの氷河期を経ることによって、海域によって海が閉ざされ同じ種でも独自の進化をしていることが判明している、と言いたかったのではないかと私は解釈した。
 そのことは貝形虫(カイミジンコと称される動物プランクトンの一種)についても同じことが言えるとした。

 さあ、これで阿部氏の言いたかったことの何分の一をレポートできたのだろうか?まったく自信はない。素養に乏しい私には毎回が頭の体操である。

 今回、徒歩で往復し、講義時間も含めて4時間を要して、道民カレッジの〈教養〉コース1単位をいただいてきた。私にとって貴重な1単位である。
 今年の初学びであったが、今年もこうして難解な講座、そうでない講座、さまざまであるが、機会ある度に受講し“雑学”の幅を広げたいと思っている。