シルベスター・スタローンが、「あのロッキーが再び立ち上がる 親友の息子をチャンプにするために…」という魅力的な惹句と共にスクリーンに還ってきた!筋肉の鎧に包まれたパンチがスクリーンいっぱいに炸裂し合う、ボクシング映画に酔いしれた。
私の行動原理は、いつもきわめて単純である。
今回、この「クリード チャンプを継ぐ男」を観ようと思ったのも、今月発行の文藝春秋二月新春号にシルベスター・スタローンのインタビュー記事が載っていたからである。
その中で彼は次のように語っている。
「アドニス・ジョンソン役を演じたマイケル・B・ジョーダンは、一年間かけてボクシングのトレーニングを積んできていた。僕よりもハードなトレーニングをしてきたことは、身体を見てわかったよ。ジムでは本物のボクサー相手に練習をしてきているから、動きも素晴らしかった。プロがつい本気になって、パンチを浴びせてきたからね。マイケルの巧さが頭にきたのさ。それでも、一歩も引かずにマイケル闘っていた。」と…。
※ ロッキーがアドニスのトレーニングでコーチをする場面です。
「これはロッキーなみの面白い映画のようだ!」そう考えた私は、早速新聞の映画欄を確認すると、昨年12月に公開が始まっていたため、すでに上映は一日一回、1月29日には上映終了との告知が出ていた。危うくセーフである。
早速私は一昨日(1月25日)、17時30分上映開始だったシネマフロンティアに赴いた。
(ちなみにユナイテッドシネマの上映開始は21時45分である。これではおじさんが観る時間帯ではない)
さすがに上映終了間近とあって、お客さんはまばらだった。
しかし、映画の方は私の期待を裏切らなかった。
ストーリーはある意味で単純である。愛する妻に先立たれ、孤独に暮らすロッキーの前に現れた若者アドニス。彼はロッキーの最大のライバルであり、親友だったアポロの息子である。アドニスはロッキーにトレーナーをお願いするが、ロッキーはリングに還ることを望まない。しかし、アポロの情熱、才能に打たれて、彼は立場を変えてリングに戻ることを決心する…。
※ 見事に鍛え上げられた主演のマイケル・B・ジョーダンの筋肉美です。スタローンもそれを認めています。
圧巻はやはりアドニスが実力的にははるかに優るチャンピオンとの激闘のシーンである。
フィクションだと判っていながら、その創りの巧さに惹き込まれてしまう。筋肉隆々の腕っぷしを両雄が画面いっぱいに振り廻し、効果音が場内に響き渡る。私はもう画面にくぎ付けである。
映画は「ロッキー」シリーズ同様、続編が期待できるような余韻を残して終わった。
娯楽映画の要素をたっぷりと含んだ「クリード チャンプを継ぐ男」は私にとって満足度の高い一本となった。
なお、「クリード」とは、アドニスの愛称なのだろうが、英語では「信念、信条」の意味もあるようである。