バイプレイヤー(脇役)としての地位を確立した感のある北海道出身で「TEAM NACS」の一員である安田顕が初主演する映画である。ストーリーは現実の安田顕のようにさまざまな脇役をこなす役ということで、安田がさまざまな役に扮するところが映画の一つの魅力でもある。
試写会行脚第3弾である。(実は、18日の「ザ・ウォーク」の試写会にも当選していたのだが、先にスケジュールが決まっていたため、この日は断念することにした)
試写会には我が家から会場の「札幌プラザ2・5」まで徒歩で40分くらいかかるが、毎回往復することでけっこうな運動にもなり、一挙両得である。
※ 映画「俳優 亀岡拓次」の主演の安田顕さんと相手役の麻生久美子さんです。
さて映画の方だが、リード文でも触れたように亀岡拓次(安田顕)は映画や舞台でさまざまな役をこなし、制作現場からは重宝される役者だが、特に注目を浴びることもなく、酒浸りの生活を続けている。そうした役どころを描いていくのだが、亀岡の現実の生活のシーンと、役者として演ずるシーンが織り交ざって描かれているため、観る方としてはその峻別をしながら観ることを求められる。
※ 劇中(映画)で亀岡(安田)が演じた数々の役の姿です。
そこで私が感じたことだが、私のようにふだんTVドラマをほとんど観ないものにとっては、監督が描こうとしていることをいま一つ理解できていないなぁ、と思いながらストーリーの進行を見守らざるを得なかった、というのが偽らざる気持である。
亀岡がやくざを演ずること、時代劇を演ずること、舞台を演ずること、等々…に脚本家として、監督として、そのシーンをそこにもってきたことに何か隠されたメッセージがあるのでは、と思うのだが、感性がすっかり鈍ってしまっている私にはそこが感じ取れないのだ。
中年の域に達する亀岡であるが、恋愛話からも遠く、未だ結婚していないのだが、映画の中では実らない恋愛話も織り込まれている。
亀岡が劇中で演ずる数々のシーンが織り込まれるため、どうも印象が散漫になってしまう嫌いがあったことは否めない。特に、舞台のシーンに込められた意味が私には理解できなかったが、シーンとしては長く私が感じ取れないだけだったようだ。
※ 映画の中で、脇を固めた名優たちです。
ということで、私としては「俳優 亀岡拓次」の映画の良さを十分に感じ取れなかったが、
きっと観る人が違えばこの映画の魅力にハマるのではないだろうか、という予感を感ずることはできた。
また、亀岡(=安田)のさまざまな役を演じ分ける役者達者さは見どころの一つでもある。また、スポットの当たらない脇役ぶりを安田が好演しているのも見どころである。
う~ん。私の場合はあと2回くらい観ないとその良さに気付かないのかな?