田舎おじさん 札幌を見る!観る!視る!

私の札幌生活も17年目を迎えました。これまでのスタイルを維持しつつ原点回帰も試み、さらなるバージョンアップを目ざします。

AINU CULTURAL FESTIVAL 2015 in SAPPORO

2016-01-16 21:40:45 | ステージ & エンターテイメント
 先住民族アイヌが舞い、踊り、歌う、と銘打った「アイヌ文化フェスティバル2015」が札幌市内で開催され参加した。特にアイヌに伝わる口承文芸、古式舞踊には改めて目から鱗の思いを強くした。 

               
           ※ 会場内は写真撮影がNGのため、この頁の写真は全てウェブ上から拝借しました。


 今日(1月16日)の午後、かでる2・7において表記フェスが開催された。
 プログラムは文化フェスに入る前に「アイヌ文化賞」の贈呈式があり、その後に開会された。「アイヌ文化賞」の存在を初めて知ったが、資料によると2009年からアイヌの文化を伝承等に功労のあった方がたくさん表彰されているようだ。
 今回は1人の文化賞、8人の文化奨励賞の贈呈があった。

 私のお目当ての文化フェスティバルの方は、
 (1)口承文芸の豊岡衣伊さん
 (2)音楽演奏のHEAT VOICE(ヒートボイス)
 (3)アイヌ古式舞踊のアイヌサニケ(+ムックリ演奏)

の3組がステージに登場した。

 豊岡衣伊さんは、今年度のアイヌ語弁論大会 大人の部 口承文芸部門で最優秀賞を受賞された方で、その受賞作品と思われる「カララク・トノ・イ・カ・オピュキ(さきぼそ烏が私を助けた)」を披露した。聴いている私には全く理解できず、まるでフランス語か何かを聴いている気分だったが、豊岡さんは情感たっぷりに見事に口承してみせた。

               
               
 二組目のヒートボイスは二人組ユニットのグループである。
 ヒートボイスの二人はアイヌ人でもなければ、アイヌ民謡を奏でるグループでもなく、いわばチャゲアスのようなハーモニーを聴かせるグループである。
 なのに何故アイヌフェスティバルに招請されたかというと、彼らの作曲・歌による「イランカラプテ~あなたの心に…」という曲が、釧路市阿寒町のイメージソングとして公式採用されたことや、アイヌに関連する曲も含めて釧路地方を取り上げた楽曲を数多く制作していることによるようだ。
 彼らは、上記の曲や「トゥカリック」(まりもを意味するアイヌ語)、「鶴の舞い」など、計8曲を披露してくれた。個人的には最初に歌った「ノスタルジア」が良く聴こえた。
 なかなかの実力派とみたが、写真でもお分かりのように少し年齢がいきすぎて、これから大化けということは考えられないように思われる。地元釧路で地道に活動を続けていくグループなのだろう。

               

 三組目は「アイヌサニケ」というアイヌの若者で結成したグループである。“サニケ” にはアイヌ語として何かの意味があるのだろうが、特に説明はなかった。
 このアイヌ古式舞踊の歌と踊りが良かった。女性が歌う歌は哀愁に満ち、踊りはあくまでも素朴、そこには生きることに精一杯(?)だったアイヌたちが、ひと時を憩うという情感がそこに満ち溢れていたように思えたのだ。

               

 以前、アメリカ西部を旅したとき、インディアンの末裔の歌を聴く機会があった。そのとき私は、彼らの歌声を聴きながらアイヌの人たちの歌を想起していた。彼ら先住民が口ずさむ歌には、どこか通底しているものがあるように思えてならない。

 北海道に生まれ、これまでずーっと北海道で暮らしながら、私のアイヌに対する理解度は恥ずかしいほどに低いものだ。遅きに失した感はあるが、これからでも機会あるごとにアイヌのことについて学んでいきたいと思っている。