尾白利加川河口 ⇒ 江竜橋 トレッキング実施日 ‘16/12/29
危うく水の中に我が身をさらすところだった! こんなピンチはこのプロジェクトを始めた最初の日の‘14/1/22以来のことだった! 改めて慎重の上にも慎重を期してコトを進めねばならないと肝に銘じた私だった…。
前日の疲れが体全体を覆っていたが、朝8時、宿の主人の車で昨日スノーシューを外した「尾白利加橋」の袂まで送っていただいた。
※ この日スノーシューを付けた「尾白利加橋」の袂です。
8時15分、スノーシューを付け行動を開始した。空は厚い雲に覆われていた。
尾白利加川(おしらりかがわ)沿いを石狩川との合流点目ざして進んだ。尾白利加川は昨日の印象と違いかなりの大きな流れである。
25分かかって尾白利加川が石狩川に注ぐ合流点に達したが、流れが注いでいるのが見えるところはかなり遠かった。そこに至るには尾白利加川に張った氷の上を行かねばならなかったが、危険を避け遠くから眺めるだけにした。
※ 前日は小さな流れだと思っていた尾白利加川はけっこう大きな流れでした。
※ 写真のススキの向こうが合流個所なのですが、氷の上を歩くのは危険と判断し、近づきませんでした。
8時40分、実質的な本日のスタートである。本日のゴールの「江竜橋」を目ざしてのトレッキングを開始した。雪の状態は昨日ほどで良くはなく、くるぶし程度までスノーシューが埋まる状態だった。
石狩川はしばらく国道275号線と並行するような形で進んだ。
途中、雨竜町の雪捨て場に指定されているところがあり、盛んにダンプカーが雪を捨てていた。
※ 雨竜町の雪捨て場のようで、何台ものダンプカーが雪を捨てていました。
河岸のところにスキーのシュプールが見えた。同類の人がいるんだと嬉しくなったが、近寄ってよく見ると、どうやらシカが深雪の中を歩いたために、一見スキーのシュプールのように見えてしまったようだ。
※ スキーのシュプールかと思いましたが、よく見るとシカが通った跡でした。
スノーシューはやや埋まるものの、川沿いの灌木の生え具合はそれほど密ではなく、順調に歩を進めることができた。
10時25分「伏古2号樋門」、10時25分「戸田川樋門」をそれぞれ巻くようにして通過した。少々無理をすれば渡渉できそうなところもあったが、危険はできるだけ回避するようにした。
この頃から大腿部に痛みを感ずるようになってきた。昨日来、スノーシューを上げ続けていることによる影響だと思われる。痛みが出始めると、スピードがガクンと落ちてしまう。
※ 最初に現れた「伏古2号樋門」です。
※ 続いて現れたのが「戸田川樋門」です。
11時20分、大きな流れに遭遇した。とても渡れそうな流れではない。しかたなく、流れに沿って樋門のあるところを目ざした。
ところがこの流れが石狩川と並行するように流れていたため、いくら進んでも樋門は見えなかった。時々川面に目をやるのだが、渡れそうなところは皆無である。
※ 掘割というよりは、もうこれは川でしょう。おそらく川の名前もあるものと思います。
それでもかなり進んだころに、全体が氷に覆われているところも目に付いた。しかし氷が薄く渡れそうではない。
そうしているうち、流れの両端を結ぶようにして木が倒れているのが目に入った。「あるいは渡れるのでは」と思い、近づいてみると何とか行けそうな感じがした。
ストックで確かめながら慎重に、慎重に進んだ。全体の2/3ほど進んだときだった。ズボッと深みにはまった。体全体が木の枝の間に沈んでしまい、体の自由が利かない。どうやら私は木の幹ではなく、枝の部分に乗ってしまい、そこから落ちたようだった。
スノーシューを付けた靴は水面に接していた。なんとか体を幹部分に乗せようとするだが自由が利かない。こうした時に年齢を感じてしまう。若ければもっと身体を縦横に動かせることができたはずだが…。そのうち、靴の中に水が浸み込んでくるのを感じた。これには焦りを感じた。
何度も何度も繰り返し、少しずつ体を動かした末に、なんとか幹部分にしがみついた。どれほどの時間格闘したのだろうか?私にはずいぶん長い時間に感じた。ようやく体勢を立て直し、幹の部分に立ち上がることができた。
そこから前へ進むことはできなかった。私は元来たところを慎重に戻って、心の底からホッとしたのだった。
※ 流れの上(上流)の方では、写真のように水面が凍っていて、一見渡れそうなところもあったのですが…。
※ 流れのかなり上のほうで見つけた立木が横たわって、向こう岸に渡れそうに見えたところです。
※ そこを慎重に渡り始めたところ、全体の半分以上過ぎたところで、私は深みにはまってしまったのです。
私は再びその大きな掘割沿いに樋門があるところまで歩みを進めた。
11時45分、ようやく「南伏古樋門」を通過した。
そして再び石狩川の流れを見ることができたのは12時5分だった。この掘割を通過するためにだけ45分もかかっていた。
※ 結局、掘割を渡ることができず、「南伏古樋門」を迂回して進みました。
私はこのプロジェクトにおいて、絶えず(できるだけ)石狩川の流れを目にしながら進むことを自分に課している。川の流れを目にするためには、川からあまり離れられない。するとそこは必然的に川沿いに密生する灌木地帯を歩かねばならないことになる。
川沿いから少し離れると、木などが生えてないところもあるのだが、それではこのプロジェクトの意味が違ってくると思っているのだ。
※ 河岸の灌木の枝には写真のようなものが下がっているのが時々目に入りました。川が増水した時に枝先に残していったものと思われます。
12時を回ったころ、ちょうど太陽が顔を出し、風が止んだ時間帯があった。
そこで昼食を摂ることにした。昼食とはいっても、この日は例のカステーラと、菓子パン一切れを温かい紅茶で流し込むだけである。
※ 昼食時、腰を下ろすようなところは見当たりません。せめてザックだけでも木の枝に預けて…。
このトレッキングにおける私の昼食(というか携行飲食)の用意を紹介すると…。
北海道名産のカステーラと菓子パン(あるいは調理パン)と、300cc入りの温かい紅茶、それと500cc入りの熱湯をステンレスボトルに入れて携行している。500ccのボトルはポタージュなどのスープやコーヒーを楽しむためのものである。
これらは毎日携行したが、結局500cc入りの熱湯は一度も使うことがなかった。
冬のトレッキング、しかも川沿いには休むところなど全くない。結局昼食といっても空腹をしのぐのが精いっぱいである。雪上で立ったまま、カステーラや菓子パンを流し込むのがせいぜいである。冬季の行動の厳しさを実感するときである。
大腿部の痛みを騙し騙し進み続けること1時間、遠くにこの日のゴールの「江竜橋(こうりゅうばし)」が視界に入ってきた。
橋の近くは、夏期間は公営(町営?)の牧場になっているらしく柵が設けられていた。
※ 遠くに見えるのが「江竜橋」、手前に牧場の柵が見えます。
橋に近付くと、そこは雨竜川と石狩川の合流点が目に入った。このことが翌日の左岸遡行をしなければならない大きな理由なのだが、そのことについては明日説明することにする。
※ ちょうど石狩川と雨竜川が合流する最先端のところです。
※ 「江竜橋」のところでは、向こう側が石狩川、手前側が雨竜川と二つの流れが並行して流れています。
14時10分、「江竜橋」の袂に着き、スノーシューを脱いだ。
※ 江竜橋の袂でこの日のスノーシュートレッキングを終えました。
想定より早く着いたので、雨竜町の入浴施設でまったりすることにした。(ライブレポでは温泉施設と記したが、正式には温泉ではないそうだ)
スノーシューを外してから2キロくらい歩き雨竜町の入浴施設「いきいき館」に向かった。スノーシューを外すと、大腿部の痛みは気にならなかった。
大きな浴槽でゆっくり湯に浸かって疲れを癒し、迎えの車で宿に帰った。
※ 雨竜町の入浴施設「いきいき館」の立派な建物です。入浴施設も立派でした!
この日の歩行数は21,008歩だった。約12.6キロといったところだろうか?
宿にはもう一人の同宿者がおり、その方は常連の方のようだった。宿の主人は話好きの方なのだが、私は疲れていたことと、明日のことを考え早めに失礼させてもらった。