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高齢者には怖~い泌尿器のお話

2017-01-20 16:59:01 | 講演・講義・フォーラム等
 高齢になると泌尿器関係の老化が気になってくる。日本において男性の前立腺がんが急増している状況があるという。そうした状況に対して、検査方法や治療方法が相当に進歩しているというお話を伺った。 

 1月17日(火)午後、「かでる講座 特別医療講演」として「医療法人 北腎会 坂泌尿器科病院」理事長・院長の坂丈敏氏が講演するのを聴いた。演題は「泌尿器の病気治療最前線~高いQOL(生活の質)を目指して~」と題しての話だった。

                  
                  ※ 講演をされた坂丈敏理事長&院長です。

 坂氏のお話は、①過活動膀胱、②前立腺肥大症、③尿路結石症、④前立腺がん、の特に高齢者が陥りがちな四つの症状とその検査法、治療方法についての話だった。

 過活動膀胱は、特に女性多い病気だという。突然トイレに行きたくなったり、我慢できずに漏れてしまったりする症状だそうだ。体操によって症状が改善されることもあるが、他の病気が隠れている場合もあり、専門医の診察をお勧めするということだった。

 前立腺肥大症は男性独特の病気である。症状としては、おしっこが出にくくなったり、おしっこの回数が増えてくることが特徴である。特に就寝中に2度目覚めてトイレに行くようなら要注意とのこと。おおっ!心当たり有りや無しや??。
 治療方法としては、薬物療法と手術療法があるが、内視鏡とレーザーを用いたHoLEPという手術が有効とのことだった。

                    
                    ※ 北腎会では写真のような広報誌を季刊として発行しています。

 尿路結石症は腰や背中に激痛が走り、血尿が出る怖い病気である。原因はさまざまだそうだが、何より速やかに痛みを取ることが重要だという。そりゃそうだ!人間は痛みに弱いからねぇ。私など特に…。
 結石の除去にはいろいろな方法があるという。薬物による自然排石、体外衝撃波砕石術(一時この方法が話題となった)、経尿道的結石砕石術(TUL)、経皮的腎・尿管砕石術(PNL) 、そして最後に開腹手術があるという。
 最近は開腹手術はほとんど行わないそうで、内視鏡を用いたTULとか、PNLが主流とのこと。

 最後に前立腺がんだが、リード文でも紹介したとおり、近年もっとも増加しているがんの一つで、50歳から急速に増加している傾向があるという。前立腺がんは早期に発見し、適切な治療を行えば治るがんであることが強調された。その早期発見のためにPSA検査を年に1回は受けることを勧められた。
 治療方法としては、内分泌療法、手術療法、放射線療法(IMRT)があるということだが、最新機器としてのIMRTについていろいろと説明された。坂病院は最新機器を導入しているということだった。

               
                ※坂病院では前立腺がんの治療に使用している定位放射線治療装置ノバリスという機器です。

 特別医療講演ということで、当初予定になかった講演が坂氏のご厚意で実現したとのことだった。私たち高齢者にとっては怖~い、しかし参考になることが多々あった講演会だった。