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北大メディア研公開講座「世界の言語と文化」№3

2018-06-23 21:21:29 | 大学公開講座

 東南アジアの国々のヘリテージ(遺産)を研究対象とする講師は、東南アジアの国々の言語事情についても精通している。多様な東南アジアの言語や文化について語った。

 

 6月21日(木)夜、北大メディア研の公開講座「世界の言語と文化」の第3講が行われた。この日は「言語と文化からみる東南アジアの多様性」と題して、北大メディア・コミュニケーション研究院の田代亜紀子准教授が講師を務めた。 

 田代准教授の講義は、東南アジア各国の挨拶の言葉を文字で表示して「何国語か?」と問うことから始まった。私にとっては初めて見るような文字も多く、何国語かなどという質問にはチンプンカンプンであった。 

 

 東南アジア各国では実に多様な言語が存在していることを改めて教えられた。

 また、同じ国の中においても地域によって、あるいは民族によって使われている言葉が違っているという例も話された。

 例えば、シンガポールの国語はマレー語であるが、公用語としてはマレー語、中国語、タミル語、英語が認められているそうだ。

 その他、インドネシアやフィリピンなどは多くの島々から成り立っている国だが、島ごとに、あるいは地域によって実に多彩な言葉が使われているという。

 

 これらの多様な言葉も、大きく東南アジアの大陸部(カンボジア、タイ、ラオス、ミャンマー、ベトナム)と島嶼部(マレーシア、ブルネイ、インドネシア、東ティモール、フィリピン、シンガポール)とである種の共通性が見られるという。それは言語の伝承において、大陸部では記録によって受け継がれている(ストック型)が、島嶼部では口承による伝承(フロー型)が多いという傾向が見られるという。

 

 いずれにしても、ことばの境界と国境は必ずしも一致しないという現実があり、純粋な単一言語の国というのは幻想であるとした。ただ、しばしばナショナリズムのなかである種の統一の動きもみられるとも指摘した。

 東南アジアにおいては、近代国家成立の過程において、一時は植民地化された多くの国があり、やがてそれらが独立を果たす過程の中で、国の言語についてさまざまな働きかけがあったことも事実であるとした。

 

 この回の講座は、私にとってはなかなか難解で、田代氏が話されたことを十分に咀嚼しきれなかったきらいがあるが、概ね記述したような内容だったと理解した。