小樽駅からそれほど離れていないところに緑豊かな自然が残されていた。展望台からは小樽市の中心街、そして小樽港が一望でき、遊歩道の一角には小樽出身のプロレタリア作家の小林多喜二の大きな文学碑も立っていた。
※ 「旭展望台周辺遊歩道」の中の森林の典型的光景です。
6月10日(日)、「小樽自然の村観察会」を終えた私は物足りなさもあったため、場所を変えて「旭展望台周辺遊歩道」でトレッキングを楽しむことにした。
小樽市に不案内な私はナビに従い旭展望台を目ざしたが、導かれたのは旭展望台の麓にある小樽市立西陵中学校のところだった。
※ 私がカーナビで導かれた西陵中学校のところです。
資料によると、「旭展望台周辺遊歩道」は合計18本のコースがあって、その総延長は14kmということだ。
私が歩いたのは、そのうち9号線、13号線、14号線、12号線、10号線、そして再び9号線を通って西陵中学校のところへ戻ってきた。距離としてはそれほどでもない。6~7km程度だろう。
※ 西陵中学校のところかせスタートした遊歩道の様子です。
遊歩道はあまり手を加えず、自然をできるだけそのまま残そうとした遊歩道のように見えた。歩道に砕石が入っているのは歩道維持のためには仕方ないのかもしれないが、それ以外はほとんど人の手が入っていないように見える、そのまま感がいいなぁと思った。
※ 旭展望台まで私はトレッキングで登ってきましたが、車で近くまで来ることのできる道があるようです。
※ 旭展望台から小樽中心街を望んだところです。
観察会の後だったこともあり、ひたすら歩くというよりは、周りの草花に注意を払いながらのトレッキングとなった。
すると、「小樽自然の村」では見ることのできなかったさまざまな山野草を見ることができた。
それらの山野草を並べてみた。
◇オオハナウド
遊歩道に入ってまず目に入ったのが、このオオハナウドの群落だった。背の高いオオハナウドが一面に生えているところに出合った。
◇エンレイソウ
先日の野幌森林公園でも見たエンレイソウが実を付けていた。
◇クルマバソウ
クルマバソウもちょうど花を付けている時期だった。白い小さな花が可愛らしい。
◇マイヅルソウ
マイヅルソウもこの時期が花の時期なのだろう。あちこちで目撃することができた。
◇ミズヒキ
葉に特徴のある模様が入った野草は何というのだろう?と思っていたのだが調べてみるとミズヒキの葉だということが判明した。
◇タニウツギ
今どき桜の花のようなピンク色の花を付けた木が何本が目撃できた。「はたして何だろう?」と思ったのだが、昨日のsakagさんのブログに同じような花の木が載っていて、タニウツギと記されていた。おそらく同じ種だと思われるのだが…。
◇エゾマイマイ
トレッキングの最中に遊歩道の真ん中に現れ、思わず踏んでしまいそうだった。殻の様子からエゾマイマイだろうと思われる。体長が6~7cmの大きなものだった。
◇名前が特定できない山野草
先日の野幌森林公園観察会の時には紹介された種のように思われるのだが、メモできなかった。写真はピントが合っていないが種をお判りの方は教えていただければ幸いです。
続いて、「小林多喜二文学碑」である。この碑は「旭展望台」の近くにあった。私がアクセスしたルートとは違うルートを辿ると、文学碑のところまで車で上がってくることができる位置に建てられていた。「建てられていた」と表記するほど大きな碑である。(高さ4m、幅6mだそうです)
文学碑には大きな顔が象られているが、私は小林多喜二の顔かと思っていたが、そうではなく、漁業労働者の逞しい顔だということだ。小林多喜二の方は、右上に小さなレリーフとして象られていた。
※ 小林多喜二のレリーフは文学碑の片隅に小さく象られていました。
小林多喜二文学碑が建てられている広場の近くには「樺太記念碑」も立てられていた。碑の上部には国境標のレプリカが載せられていた。
「旭展望台周辺遊歩道」の全てを体験したわけではないが、市街地近くにあってなかなか魅力的な遊歩道である。
ただ、分岐点ごとに置かれている案内板が経年劣化して読み取れないものが多かった。是非とも再整備してほしいものである。
その時には再び訪れて、全ルートを踏破してみたいと思った。
※ このようになんとか判読できる案内板もありましたが…。
※ これでは全く判読は不能です。なんとかしてください!小樽市様!
※ 写真のように所によっては野趣溢れるコースもありました。