高校の学年でビリだったギャルが1年で偏差値を40上げて慶応大学に現役合格したとして、一躍時の人となったビリギャルこと、小林さやかさんが母親とともに札幌のステージに登場した。明るくポジティブに生きる母娘から学ぶことは多かった。
3月16・17日の両日、サッポロファクトリーアトリウムにおいて「どうしんキッズイベント まなBOX」なるイベントが開催された。このイベントは北海道新聞社が2020年から始まる小学校教育の教育改革に先がけて、教育がどのように変わっていくのかということについて、親子で楽しく学ぼうという趣旨で開催されたもののようである。
イベントでは二日間にわたってさまざまな催しが用意されていたようだが、その第一弾として16日(土)の午前、ビリギャル母娘が「家庭から『教育』を」と題してのトークショーが行われたのを聴きに行ったというわけなのだ。
トークショーにはビリギャルこと小林さやかさんと小林さやかさんのお母さんである橘こころさんが登壇し、フリーアナが二人に質問する形で進められた。
※ サッポロファクトリーアクアリウムステージに登場した小林さやかさんと橘こころさんの親娘です。
ご存知の方も多いと思うが、小林さやかさんは昨年4月から7月までの三か月間、札幌新陽高校でインターンとして在籍していた経験から今回のトークショーに招請されたのではないか、と思われる。
※ ときにはギャル時代を彷彿とさせるキャビキャビした語りが印象的だった小林さやかさんです。
トークショーを聴いていて印象に残ったことは、小林さやかさんが非常に明るい方で、31歳を迎えたということだがその話し方にギャルの面影が残っていたこと、さらには小林さんがお母さんのことを小さいころから「ああちゃん」と呼び、とても仲の良い母娘だという印象を持ったことだ。
1時間のトークショーの中で母娘はたくさんのことを語ってくれたが、母親の橘こころさんが徹底して我が娘を信頼していたことをさまざまな角度から語ってくれた。例えば、高校に入って小林さんがギャルの格好をしだしたとき、こころさんは「あらぁ、可愛いわねぇ~」と発したという。そして「ここをこうしたらもっと可愛いわよ」と言ったそうだ。並みの親にはできない芸当である。一事が万事、こころさんはさやかさんのすることをけっして否定しなかったそうだ。そうした母娘関係の中、さやかさんがいつまでもむちゃをするわけがなかった。
きっかけは塾講師の坪田信貴さんとの出会いだった。坪田氏は心理学を応用し、小林さやかさんをその気にさせ偏差値を40も引き上げた張本人である。小林さんは坪田先生を心の底から信頼し、感謝している語り口だった。
※ ああちゃんがステージに登場した時とはずいぶん印象が違ったため、一枚だけウェブ上から拝借しました。
橘こころさんの夫婦関係は子育ての考え方の違いから完全に破綻していたため、子供たち(3人)の生活費はもちろんのこと、塾にかかった百数十万の費用もこころさんが必死になって作り出したという。こころさんはそのことをけっして苦労話として語らず、むしろ当然というような感じで話されたところにこころさんの凄さが伝わってきた。
小林さやかさんは慶大受験に向けてもちろん非常な努力をしたが、このビリギャル話の最高殊勲選手はなんといってもああちゃんこと橘こころさんであろう。
サプライズはトークショーにこころさんと仲違いをしていた父親が登壇したことだ。さやかさんの慶応大合格がキッカケとなり夫婦の間柄も元のさやに収まったという。父親は男の事情を語っていたが、こころさんには心から感謝しているようだった。
※ サプライズ登場した小林さやかさんの父親です。
我が子を信頼するとはいっても、いざ子どもを育てるとなると自分が理想とする(あるいは思い描く)ように育てたいと思ってしまう。そこをグッとこらえて子育てをしたという橘こころさんのお話は聞いていた多くの親の心に響いたようだ。子育てをはるか昔に終えた私は、現在子育て真っ最中の長男に伝えていければと思っている。
※ 離婚されていない橘こころさんが何故子どもの小林さやかさんと苗字が違うのかについていろいろと調べてみたがはっきりしたことは分からなかった。お分かりの方がいたら教えていただきたい。