フルオーケストラではない、各パートごとのアンサンブルの札響を聴くのは初めてだった。私たちには新鮮に聴こえたし、奏者たちもリラックスしていて、楽しめた。新しい札響の魅力を知った思いだった。
3月26日(火)夜、北海道東急会が主催する「札響スプリングコンサート」が札幌コンサートホール(通称:キタラ)の小ホールで開催され、運良く招待券が舞い込んだので鑑賞することができた。
コンサートは大きく、木管アンサンブル、金管アンサンブル、弦楽アンサンブルの三部構成となっていた。
第1部の木管アンサンブルはフルート、オーボエ、クラリネット、ファゴットに、金管のホルン、さらにはピアノが加わった6人編成だった。演奏曲はブーランクの「六重奏曲」だったが、素人の私の耳にはやや難しく感じた一曲だった。面白いな、と思えたのは木管楽器の中に唯一入った金管のホルンの音がよく聴こえてきたことだった。
第2部の金管アンサンブルからは楽しいコンサートになってきた。金管アンサンブルはトランペット(2人)、ホルン、トロンボーン、チューバ、パーカッションのやはり6人編成だった。最初のクレボスの「スピリット・オブ・ブラス」は金管の良さを引き出すにふさわしい一曲だった。続いてアンダーソンの「フィドル・ファドル」はパーカッションの入川奨さんが叩くマリンバにフィーチャーした一曲で、マリンバの名手の演奏はいつ聴いても「スゴイ!」の一言である。さらには若手トランぺッターが吹く「トランペット吹きの子守歌」も耳慣れた一曲でトランペットの良さを感ずることができた。圧巻は金管アンサンブルが最後に映画「ボヘミアンラプソディ」で一般人にまでその名を広めたクイーンを取り上げたことだ。「クイーン名曲集」と銘打って「Bicycle Race」、「Save Me」、「Bohemian Rhapsody」の3曲を演奏したが、私には「Save Me」が編曲の良さもあって最も心に響いた一曲だった。
第3部の弦楽アンサンブルは大編成だった。第1ヴァイオリンが4人、第2ヴァイオリンが3人、ヴィオラ2人、チェロ2人、コントラバス1人の12人編成だった。最初のジャンゴ・ラインハルト作曲の「マイナースイング」は、ヴァイオリンの若手の熊谷勇大さんにフィーチャーした一曲で、熊谷さんの演奏はまるでポップス系の演奏のようにノリノリの演奏スタイルだった。バック演奏に回った他の方々も身体をスイングさせ、楽しそうな演奏ぶりが伝わってきた。最後の曲となったブリテン作曲の「シンプル・シンフォニー」は弦楽の良さを十分に引き出す一曲だった。特に第2楽章では全員が弓をおいて、弦を爪弾くだけの演奏が印象的だった。
それぞれの部で、演奏者のMCも入り、ステージも客席もリラックスした雰囲気で楽しいコンサートとなった。アンコールは(残念ながら曲目がメモできなかった)全員がステージに登場して2曲披露してくれた。
札響はオーケストラで聴くことがもちろん基本であるが、アンサンブルで演奏することによって違う魅力を私たちに伝えてくれることが分かった。これからも機会があれば、アンサンブルでも札響を楽しみたい。
早とちりした話
統一地方選は私の住む札幌でも道知事選、道議会議員選、札幌市長選、札幌市議会議員選が同時に行われる。先日、その選挙の入場券が送られてきた。早々投票を済ませてしまおうと思い、今日期日前投票所になっている中央区役所分館に出かけた。投票所に着いてからある事実が判明した。その事実とは、知事選、市長選は期日前投票が可能だが、道議員選、市議会議員選は投票ができないという。二つの選挙はまだ告示前だったのだ。が~ん。
結局私は知事選と市長選だけの投票を済ませ、道議員選、市議会議員選は他日を期すことにした。早とちりによって二度手間となってしまった。ガックリ……。みなさん早とちりしないでください。