田舎おじさん 札幌を見る!観る!視る!

私の札幌生活も17年目を迎えました。これまでのスタイルを維持しつつ原点回帰も試み、さらなるバージョンアップを目ざします。

樽前山登山 断念!

2011-08-21 21:04:45 | 北海道低山紀行 & Other
 それは私にとって信じられない光景だった。今朝、札幌は太陽の光が燦々と降り注いでいたのに、札幌都心からわずか30数キロ離れた支笏湖では土砂降りだったとは…。土砂降りの雨を前にして登山の計画は断念するしかなかった…。 

 「なんでやねん」とふだんは使いもしない関西弁が口を突いて出てくる始末だった。
 朝、自宅を出てくるときは眩しいばかりの太陽が照りつけていたのに、車で1時間少々走った支笏湖では土砂降りだった。
 運が悪かった? ついてない? 因果応報? 「わいが何をしたっちゅうねん」…。

 今朝(8月20日)起きると太陽の光が眩しかった。
 ある講座を受講する計画があったのだが、久しく体を動かしていなかった私は講座をキャンセルして、以前から登ってみたいと思っていた「樽前山に登ろう!」と車を走らせた。
 国道453号線を支笏湖に向かって走った。
 支笏湖が近づいてきたころポツポツと来たがまだ登山が出来ないとは思っていなかった。
 しかし、支笏湖畔に着いた頃には本降りとなっていて「これは無理かな?」と思い始めた。それでも登山口まで行ってみようと支笏湖畔を通り越し登山口に向かった。
 雨はますます激しくフロントガラスを叩きつけるように降りつける。

 登山口は樽前山の7合目にあるのだが、5合目のところにあるゲートがすでに閉まっていた。ゲートのところにちょうど樽前山を管理する人たちの車が近づいてきた。「登山道の一部が決壊したので、ここからは立ち入り禁止です」と告げられた。

        
        ※ 5号目のゲートはご覧のように閉じられていました。

 登山が駄目なら、せめて近くにある「苔の洞門」を見てみたいと思い車を走らせた。
 しかし…。
 「苔の洞門」の前のゲートも閉じられていた。
 そしてそこの駐車場は泥水が濁流となって流れていた。これではとても洞門見物というわけにはいかない。
 こちらもあきらめざるを得なかった。

        
     ※ 「苔の洞門」の管理事務所前の駐車場は泥水が川のように流れていました。

 結局、私はなすすべなく帰路につかねばならなかった。
 悔しいことに支笏湖が見えなくあたりまで来ると雨は全く降っていないではないか!
 札幌は朝出たときと同じように青空が広がっていた…。
 走り回った130キロは何だったのか?

 しかしリベンジのための最低限の下調べだけはすることができた。
 近いうちに樽前山にぜひとも登りたいとの思いを強くした。
 「わいはぜったいやるねん」

狸小路の活性化を樽商大生が?

2011-08-20 22:59:33 | 講演・講義・フォーラム等
 小樽商大生が会社を起業して狸小路の活性化のためにさまざまな取り組みを行っているという。小樽商大の近藤ゼミの取り組みを近藤教授自身から聴くことができた。

        

 私は道新ぶんぶんクラブが主催する各種講座の優等生(?)である。
 今日(8月20日)小樽商大の札幌サテライト教室で開催された道新ぶんぶんクラブと小樽商科大学が主催する「時代がよめる経済・ビジネス講座」を受講した。
 講座は「i-VACS(アイバックス)プロジェクトを通して地域の活性化を語る」と題して、プロジェクトを指導する近藤公彦教授から直接話を伺った。

 i-VACS(アイバックス)とは、ゼミの学生が考え出した造語だということであるが、Interactive(双方向)、Visualized(視覚的)、Areal(地域の)、Community(コミュニティ)、Service(サービス)の頭文字を組み合わせた言葉だそうだ。
 その意味するところは、仮想空間と現実空間を結びつけることで、現実の地域(街区)に人の賑わいを取り戻し、地域活性化に貢献しようとするプロジェクトだそうです。

 具体的にはi-VACS株式会社が自社のホームページ上に「狸小路活性化プロジェクト」というサイトを設けて、その中で狸小路の商店街から提供されるクーポンを発行したり、店内の動画を紹介したりとさまざまなコンテンツを提供し、実際に狸小路商店街に足を運んでもらおうとするプロジェクトということだ。

※ 悲しいかなi-VACS株式会社のHPのアドレスを貼り付けることができません。「i-VACS株式会社」と打ち込んだ上で、辿り着いてください。

 プロジェクトはそれだけにとどまらず、レコード店とフラワーショップ を仲介してコラボ企画を立ち上げたり、クラブイベントを実施したりと積極的に狸小路の活性化を試みている。
その中でも、今年で3回目となる「NOMIPON!狸deはしご酒」という狸小路はもちろんのこと、その界隈の飲食店89店の参加を得て、格安クーポンを発行し多くの人たちを狸小路に呼び込もうする取り組みを行っているという。

        

 小樽商大は「実学」を重視しているという。そして、この取り組みは実学そのものである。
 時には机上の空論を振り回す大学の先生に出会うこともあるが、大学で学んだことを実際の場で理論を実践の中で確認してみることは重要なことだと思う。
 小樽商大近藤ゼミの今後のますますの健闘を期待したい。

 ところで「第3回NOMIPON!狸deはしご酒」が明日8月21日~25日まで開催されるという。行ってみたいなぁ~。

ハイジ牧場へ行ってみた…

2011-08-19 23:02:03 | 札幌(圏)探訪
 札幌の近郊長沼町にある「ハイジ牧場」に行ってみた。100ヘクタールの広大な敷地に世界中のさまざまな動物が飼育され触れ合うことができるという。まだまだ暑さが残る一日だったが訪れてみると…。 
 
 8月19日(金)、以前レポートした某団体の福利厚生行事として長沼町に「野外散策」に訪れた。その訪れた先の一つが「ハイジ牧場」だった。(他のところは6月の下見に出かけた際にレポートしているので割愛する。その時の投稿はこちら   )

「ハイジ牧場」とはちょっと耳慣れないのだが、おそらくアニメ「アルプスの少女ハイジ」からヒントを得て、アルプスの牧場をイメージしたネーミングなのだろうと思われる。
 私もまたそうしたイメージを膨らませながらハイジ牧場に向かった。

        
        ※ ハイジ牧場のエントランスなのだが、ちょっとチープな感じがして…

 ハイジ牧場を紹介する次のような一文があった。
「世界中の家畜と様々な動物(約100種、1000頭羽)たちが飼育され、家族連れからカップルまで人気の「牧場動物園」としておなじみのスポットです。100ヘクタールの敷地では動物たちとのふれあいを楽しむことができる他、アーチェリー・迷路・釣堀などの遊戯施設やキャンプ場も完備され、楽しさいっぱいです!」とあった。

        
        ※ このように飼育舎で飼育されている動物と、屋外に放牧されている動物がいました。

 しかし、私には紹介文にあるような楽しいスポットとは残念ながら映らなかった。
 確かに広大な敷地と展望台から広がる光景には見るべきところもあったが…。
 まず謳われているほど動物の種類も数もいなかったように思えた。
 しかも施設全体が少しくたびれているように私の目には映った。
 広大な敷地と多数の動物を飼育するには相当の人員が必要と思われるのだが、見回したところスタッフはそれほど多いとは思われなかった。

        
      ※ 展望台へ向かうメインストリートは高い木に囲まれた一本道でした。

 ハイジ牧場は数々の「牧場体験メニュー」がひとつの売りのようなのだが、「牛の乳搾り体験」、「エサやり体験」、「羊毛加工体験」、「乗馬体験」、「バター作り体験」、「生キャラメル作り体験」…、その他まだまだあるようなのだが、それらが一部を除き全て有料で体験できるということだった。
 私たちは1時間少々の滞在時間だったので体験メニューを体験することもなく、場内を一周するにとどまったためにその魅力を十分体感できなかったということがあるかもしれない。
 また平日だったこともあって親子連れなどが少なく、目立つのはパークゴルフを楽しむ中高年ばかりということが私の印象をより悪くしてしまったのかもしれない。

        
      ※ 展望台から広々とした長沼町を望みました。

 それにしても、こうした娯楽施設、夢のある施設は施設を常に整備し、謳い文句と差がないような施設運営をしてもらいたいものと思った。
 多少お金を要しても親子連れなどには体験メニューなどはきっと人気なのだと思うから…。

        
      ※ 園内を一周する蒸気機関車を模した乗り物です。トラクターで牽引していました。

眠れないのはうつの入り口?

2011-08-18 21:46:58 | 講演・講義・フォーラム等
 札幌医大の齋藤利和教授は言う。「不眠患者の約3割はうつ病だ」と…。道新ぶんぶんクラブと札幌医大主催のすこやかライフ講座を聴いた。


         

 8月18日(木)札幌医大を会場に第2回目の「すこやかライフ講座」が開催された。今回は神経精神医学が専門の齋藤利和教授が「あなたの周りの眠れない人々~不眠と心の科学」と題されての講座だった。

 現代人はさまざまなストレスのためにぐっすりと眠られない人が増えているという。そうでなくても年齢が増すにつれて不眠に陥る人も多いという。そういえば私も若い頃に比べるとぐっすりと眠られることが少なくなってきたように感ずる。
 そして、不眠は心の病を発するアラームであると齋藤氏は指摘する。うつ病、不安障害、認知症などなど…。

        

 話は齋藤氏の専門の「うつ病」の話に移っていった。
 うつ病を疑う身体的症状は頭痛と睡眠障害だということだ。
 また、精神的症状としては「抑うつ気分」と「興味や喜びの喪失」があるという。この二つの症状が2週間以上続くようだとうつ病の疑いがあるという。
 うつ病やうつ状態になる生涯有病率は約2割ということだから、現代人の5人に1人はうつ病に罹る可能性があるということだ。

 さて「睡眠障害」についてだが、眠りたいためにお酒の力を借りることは事態をいっそう深刻化させる場合が多いという。
 眠るために酒を飲む寝酒は徐々に量が増え、そのことが深い睡眠を妨げるという。また飲む量が増え、深酒をすることでアルコールが体外に排出できぬまま翌日を迎えることになってしまうとも指摘した。

 その予防法であるが、単なる睡眠不足であるなら、軽い運動とゆったり入浴が効果的とのこと。
 うつ病の疑いがあるなら、精神科での診断を求めることが大切であると結んだ。

        

 お話が終わって、質問コーナーになったところ会場の何人もの方から不眠や精神的なことでの質問が相次いだ。私が思う以上にこうしたことで悩んでいる人が多いように思った。
 睡眠障害と言わないまでも、ぐっすり眠れることが少なくなってきたと感じている私だが、これはひょっとしてうつの入り口なのか?
 最近眠りが浅くなったと感じているあなたもひょっとして??

札幌Cafe紀行 №76 イタリアン・トマト カフェジュニア

2011-08-17 21:39:15 | 札幌Cafe紀行
 イオン桑園店内にインストアとして開店しているカフェです。カジュアルっぽい雰囲気で買い物に疲れたときなどには気軽に入れるカフェとして重宝しています。

        

 イオン桑園店には多くのレストランやファーストフード店が入っていますが、私が最も利用しているのがこの「イタリアン・トマト カフェジュニア」店です。
 イタリアン・トマトはFCとして全国展開している店のようですが、特に「カフェジュニア」と名乗っているのは、ファーストカジュアルをコンセプトにしているからのようです。

        

 したがってドリンクやフードもリーズナブルな価格設定となっています。例えば、ブレンドコーヒーのミドルサイズは200円というように…。
 この日、私は小腹が空いていたので「BLTサンド」(430円)と「アイスカフェラテ」のミドルサイズ(230円)をオーダーしました。

        

 販売方法はカウンターで注文をし、料金を前払いします。ドリンクはその場で受け取りますが、フード関係はスタッフが席まで運んでくれて、退店する際は自分で後片付けするというセミセルフ方式です。

 BLTサンドはボリュームもあり満足できる美味しさでした。アイスカフェラテはそれなりの味と表現しておきましょう。
 ちなみにBLTとは、ベーコン(Bacon)、レタス(Lettuce)、トマト(Tomato)でできたサンドイッチということで、その頭文字を取った名称のようです。

 店内もなかなかおしゃれで明るく、読書をしている中高年の人がいたりして落ち着いた雰囲気で休むことのできる素敵なカフェです。

              
      
【イタリアン・トマト カフェジュニア データ】
札幌市中央区北8条西14丁目 イオン桑園店内
電  話 011-272-3565
営業時間 9:00~23:00
定休日  不定休(イオン桑園に準ず)
座  席 70席
駐車場  有り(イオン桑園店駐車場)
入店日  ‘11/08/17

サッポロシティジャズ 山木将平

2011-08-16 21:40:04 | ステージ & エンターテイメント
 7月13日から8月23日まで42日間の長期にわたってサッポロシティジャズ2011が開催されている。これまでに比べ私の関心は薄いのだが、唯一アコースティックギタープレイヤーの山木将平のライブに耳を傾けた。

        

 サッポロシティジャズは5年目を迎え、その規模はますます拡大しているということだが、私の関心は当初に比べ薄くなってしまった。
 以前はホワイトロックテントのライブや芸術の森野外ステージに足を運んだが、どうも心の底から楽しめていないことに気付いたからだ。

 それでも表記の山木将平のライブを聴いてみようと思ったのは、拙ブログにしばしばコメントをいただくHN「おなら出ちゃっ太」さんのブログで山木将平の演奏を賞賛していたのを目にしたからだった。その上、何より無料で聴けるライブを発見したからだった。

        

 毎回このサッポロシティジャズの一環として、札幌クロスホテルの前庭でCROSS CITY JAZZ LIVEが開催されている。8月9日の昼、その第一回目のゲストとして山木将平が登場した。
 彼は札幌市内の現役の大学生だということだからセミプロといったところだろうか。しかし、腕前の方は昨年のパークジャズライブコンテストで全国から応募のあった200組の中から優勝を勝ち得たということだから確かな腕前である。
 専門的なことはからきしダメな私だが、オープンチューニングとか特殊奏法を駆使して相当に複雑な音を一台のギターから紡ぎだす。
 そのあたりの山木の演奏の素晴らしさについては、前記「おなら出ちゃっ太」さんのブログを参照してほしい。(そのブログはこちら 

 わずか30分間のライブだったが、彼のギターテクニックの素晴らしさはもちろんのこと、彼自身が作曲したという北海道をイメージしたという伸びやかな音が耳に残った。
 山木将平…、これからどのような音楽ライフを築いてゆくのだろうか…。

        

映画 51 コクリコ坂から

2011-08-15 21:28:03 | 映画観賞・感想

 久しぶりに映画を観てみようと思った。特別アニメが好きなわけではないし、スタジオジプリの作品に興味があるわけでもなかった。ただ、今話題の作品を観てみようと思ったときにスタジオジプリのアニメ「コクリコ坂から」があった。映画は私が期待していた以上に楽しめた。

          

 映画「コクリコ坂から」は現在札幌では3館で上映されている。私は今月末で閉館が決まっている「札幌東宝プラザ」で観ることにした。
 15日(月)13時35分上映開始の部で観たが、やはり観客は少なかった。他のシネコンの2館はそれなりに集客しているのではないだろうか、などと思っていた。

 映画は1963(昭和38)年の横浜の港が見える丘と高校が舞台だった。ストーリーは高校の学園紛争と高校生同士の純愛を描いたものだった。
 1963年というと私自身も高校生、田舎と都会の違い、高校で紛争など経験しなかったものの、同時代を高校生として過ごした懐かしさが蘇ってきた。

       
   ※ 「コクリコ坂から」の主人公の 松崎海と 風間俊です。

 そしてその時代を活写するスダジオジプリの絵の確かさである。実写以上にまだまだ洗練されていない活気あふれる横浜の街を描き出している。また、高校の部活棟「カルチェラタン」の描写も力が入っている。

 そしてストーリーの終盤に意外な展開が待っていた。人により好みは分かれるかもしれないが、私には「意外な終末を用意してくれていたなぁ」という思いが強い。

 映画のレビュー欄に次のようなコメントがあった。
 「この映画はオールウェイズ 三丁目の夕日と同じで、対象が1950年~60年代を知っている人間、つまり60歳以上じゃないと楽しめない気がする。あとは60年代に興味がある人間とか …。少なくとも子供向けでは決してない」
 私もそう感ずる。アニメ作品とはいえ子どもにその良さは分からないであろう。

 私には主題歌の「さよならの夏~コクリコ坂から~」を歌う手嶌葵の歌がとても心地よく耳をくすぐった。

        

 なお、「コクリコ」とは、フランス語で「ひなげし(虞美人草)」という意味だそうである。


長谷部誠著「心を整える」

2011-08-14 22:47:07 | 本・感想

 プロサッカー選手長谷部誠は言う。「心は鍛えるものではなく、整えるものだ。いかなる時も安定した心を備えることが、常に力と結果を出せる秘訣だ」と…。サッカー選手として成功した原因を、抑制が効いていながら隠すことなく自分を語る好著だった。 

          

 サッカーWC南ア大会の決勝トーナメント一回戦で日本がPK戦の末パラグァイに惜敗した直後、ゲームキャップテンだった長谷部選手はマイクに向かって「本当に熱い応援ありがとうございました。応援が力になったので感謝しています。ほとんどの選手がJリーグでプレーしているので、Jリーグにも足を運んで盛り上げてもらいたいです」と話した。
 自分はドイツでプレーをしていて、Jリーグの選手ではないのに自分を育ててくれたJリーグの隆盛を願って話したこの言葉にグッときたのを覚えている。
 そんな長谷部選手が著した「心を整える」という著書の販売数が100部を突破したと報道されていた。

 私は本の書評的なことをブログに取り上げることをこれまで控えてきた。それは自分の本の読み方に自信がなく、稚拙な感想を披瀝することを恐れていたからだった。
 そんな自分への禁を破り、敢えてこの本を紹介してみたい。

 長谷部選手は冒頭でこう言います。
「僕には突出したテクニックがあるわけでもないですし、試合を決定づけるフリーキックを得意にしているわけでもありません。監督やサッカー関係者からしてみたら、評価しづらい選手です。でも、僕は生き残ってきました」
 こうした書き出しから、自分がプロの世界でなぜ生き残ってくることができたのか、ということについて自己分析しています。それはこの著書の副題に~勝利をたぐり寄せるための56の習慣~として述べられています。
 プロサッカー選手という華やかな世界に身をおきながら、長谷部選手はストイックに自分自身を律していることがこの本から伺えます。

 56の全てを紹介することはもちろんできませんが、たとえば「意識して心を鎮める時間を作る」、「マイナス発言をしない」、「遅刻は絶対しない」、「迷ったときは難しい道を選ぶ」などなどです。
 長谷部選手が本書の中で言っていることはけっして難しいことではないのですが、彼はそうしたことを誠実に果たしているようです。

 長谷部選手の人柄、そして長谷部選手が周りからどう見られているか。それを物語るエピソードが描かれている部分を原文のまま紹介します。
 それは南アWCの直前に岡田監督からゲームキャップテンに指名されたときのエピソードです。

 「ひょっとしたら自分がキャプテンマークを返せば、逆にチームはまとまるかもしれない……」
 そう考えた僕は部屋の受話器を取った。
 「監督、今から部屋にうかがってもいいですか?」
 僕は息を整えて、自分の部屋を出た。
 監督の部屋のドアをノックすると、「おう」と声がして、ドアを開けてくれた。部屋は選手の部屋よりも少し広かった。ソファがL字に置かれていて、応接のスペースがあった。監督はソファに腰を下ろし、話を切り出した。
 「話って何だ。何かあったのか?」
 僕は言った。
 「今、僕がゲームキャプテンをやるのは、チームに与える影響が大きすぎると思います。キャプテンを辞退させてもらえないでしょうか」
 岡田監督は、一瞬驚いた顔をしたが、すぐにいつもの柔和な表情に戻った。
 「何だ、オマエも意外にまわりに気を遣っているんだな。分かった。この件は一旦オレに預からせてくれ」
 「ありがとうございます。ただ、どんな結論になろうと監督の決定に従います」
 このあと岡田監督は(中澤)佑二さんを部屋に呼び、話し合いの場を持った。詳しい話は分からない。僕は自分の部屋に戻り、電話が鳴るのをひたすら待った。

 「ハセベ、今来られるか?」
 2人の会談が終わると、岡田監督は再び僕を呼びだした、
 じっと目を見つめ、真剣な表情で監督は言った。
 「やはりゲームキャプテンはオマエにやってもらう。オマエは誰とでも分け隔てなく話せるし、独特の明るさがある。何か特別なことをやろうとしなくていい。今までやっていたとおり、普通に振舞ってくれ」
 監督の決定に従うと言っていた以上、もう反論の余地はない。
 「分かりました」
 僕は覚悟を決め、自分にできることをやろうと思った。のちに監督からはこうも言われた。
 「オマエは声を出すことでも、プレーでもチームを前に進めることができる。自分なりのリーダーシップでみんなを引っ張ってくれ」

 このエピソードに長谷部選手がなぜ日本代表チームのキャップテンを任せられたかがよく表れていると思います。

          

 誠実でひたむきな姿勢、それを隠そうともしないナイスガイ(古い表現かな?)長谷部選手の著書が100万部も売れたというが、彼の生き方、考え方が多くの人たちから受け入れられたということだと思います。私もまた彼の生き方、考え方に共感を覚えるとともに、自分の生き方、考え方を反省する良い機会となりました。

 プレーも人柄も堅実で、チームメートからの信頼が篤い長谷部選手は9月から始まるブラジルWC予選でもきっとキャップテンマークを腕に巻いてピッチに現れるでしょう。


札幌Cafe紀行 №75 珈琲工房 サカイ

2011-08-13 17:48:53 | 札幌Cafe紀行
 札幌都心にあるにもかかわらずとりすましたところがなく、親しみやすい雰囲気を感じさせ、いわゆる喫茶店といった感じの店でした。 

 珈琲工房サカイは大通6丁目に位置している。大通6丁目というと札幌の真ん中といってもよい立地である。
 東京ドーム札幌ホテルであった講演会の帰りに友人と立ち寄った。

          

 店内に入ると落ち着いた色調のテーブルや椅子が並んでいたが、やや雑然とした感じも否めない店内だった。
 特別大きいとも思えない店だったがスタッフが3人もいたのが印象的だった。

          

 私がオーダーしたのは、前回のCafe紀行で訪れた「坂東珈琲」で気に入った「コーヒーゼリー」(460円)にした。
 コーヒーゼリーの上にアイスクリームが載っていて苦味と甘味がほど良くマッチした味だった。

          

 この店は珈琲工房を名乗るとおり、自家焙煎のコーヒーを対供することはもちろんのこと、水出しコーヒーのダッチコーヒーを販売していた。(1000ml 630円)
 そのダッチコーヒーだが、通信販売もしているようなのだ。
 その梱包作業をカウンター席に梱包材などを広げて作業をしていたが、そうしたところをお客の見ているところでするのはどうしたものか、とちょっと気になった。

          
          ※ 店内でも販売されていたダッチコーヒーです。

 私自身は確認できなかったが、ブレンドコーヒー(410円)はおかわりが自由ということだ。コーヒー自体も場所からいうと決して高くない上、おかわり自由とは良心的な店のようである。

【珈琲工房 サカイ データ】
札幌市中央区大通西6丁目 クリーンビル1F
電  話 011-222-6263
営業時間 月~金 8:00~18:30
     土   8:30~17:00
定休日  日・祝日・ゴールデンウィーク・年末年始
座  席 40席
駐車場  なし
入店日  ‘11/08/09

改めてサッカー日韓戦を振り返る

2011-08-12 22:55:53 | スポーツ & スポーツ観戦
 それにしても胸のすくような一戦だった。日本代表戦はほとんどがテレビ観戦の私だが(生で観戦したのは過去3回)、あれほどの快勝を生で観戦できたのは本当に幸運だった。あの一戦を改めて振り返ってみたい。

 振り返るとは言っても、素人の私が戦術的なことなどを論じたとしても笑止千万であろう。戦略・戦術的なことは専門家に任せることにして、素人の私は当日現場に立ち会った者として周辺情報的なことをレポートしょう。

        
     ※ これはU23の試合前なのだが、熱烈サポーター席には日の丸が掲げられた。

太志(ふとし)って誰だ?
 国際試合においては国家が歌われたり、吹奏されたりする。今回は両国とも歌い手がアカペラで歌った。
 韓国はテノール歌手が聞き覚えのある韓国国家を朗々と謳い上げた。
 さて、日本は?と思っていると「日本国国歌は太志さんが歌います」とアナウンスは告げた。「太志って誰だ?」…。会場は一種ざわめいたが私には知らない顔がオーロラビジョンに現れた。
 正直言ってガッカリしてしまった。キーを高く設定しまったためか、高い音などはようやく絞り出している印象で、全体的にも何の感動も与えてくれなかった。
 帰宅して調べてみると、ロックバンドのアクアタイムスのボーカルということだったが、おそらく一部のロックファン以外には知られていない存在ではなかったのか。
 傑作だったのは、その後の試合開始前に急死した松田直樹選手を追悼して会場全体が黙祷する場面があった。会場全体が静まり返る中、ドームの天井付近の席から微かに君が代を歌う声が聞こえてきた。隣の席にいた婦人たちが「さっきの歌手より上手いね」と話していたが、私もそうだと思った…。

        
        ※ 「なでしこジャパン」フィバーに沸く日本国内である。試合前なでし
         こジャパンの佐々木監督が挨拶した。

本田圭佑 キングオブジャパン?
 会場のオーロラビジョンに日本選手団のパスが到着した様子が映し出された。
 バスから降りる選手団の最後は本田圭佑選手だった。実はこの最後に降りるというのは歴代の日本代表においては、その時のチームの核となる選手が担うそうなのだ。
 確かに試合においても本田選手はチームの核として存在していた。彼は常にボールがあるところに現れ、チームの攻撃・防御をコントロールしていたように映った。
 また、内田選手が絶好のシュートチャンスをポストに当ててミスしてしまった場面では内田選手の尻を軽く蹴るような仕草をするところにもチームの核として風格を漂わせていた。
 南アWC前はその言動に眉をひそめたこともあった私だが、今では彼の言動も落ち着きを感じさせ、名実ともに日本チームの核として欠かせない存在になったようだ。

        
        ※ これは貴重な(?)ワンショット!遠藤選手がコーナーキックを蹴った
         瞬間です。ボールが空中に浮いているのが見えますか?        

李選手のゴールが見たかった!
 李忠成選手にとって今回の日韓戦は特別な思いでピッチに立ったはずだった。 というのも彼は在日韓国人4世として生まれ、一時は韓国代表も目ざした選手である。しかしU19韓国代表候補の合宿に呼ばれたときに屈辱的な思いを味わったという。
 その李選手が北京五輪を機に日本国籍を獲得し、日本代表まで上りつめ対韓国戦の先発メンバーとして出場したのだ。
 ゴール前で激しく動き回り、チームに貢献しながらゴールも貪欲に狙うというプレースタイルに共感を覚える。
 今回の日韓戦では李選手の高さのあるヘッドが決まったかに思えたが相手GKに好捕されてしまった。
 しかし、交代枠の多い親善試合で最後までワントップとして使われたということは、ザック監督としてはWC予選のワントップは李選手でいく、という表れではなかったのかと思っている。するとまた、あのアジアカップ決勝のような鮮やかな李選手のシュートが見られそうである。

        
        ※ 試合前、ドームの外ではこうした代表選手の写真の前で写真を撮
         っている人が多く見受けられた。       

会場内はキリン一色!? 
 会場に入ってしばらくしたとき、いつもの札幌ドームとは違うことに気付いた。
 いつもはドーム独特の天井からたくさんの広告幕が下がっているのだが、それが一つも見えない。さらには壁に描かれている広告も全て黒幕で覆われているのだ。
 広告として目に入るのはキリンに関係したものだけである。(一部「朝日新聞」の広告があったが)
 キリンがサッカー日本代表のオフィシャルサプライヤーであることは知っていた。
 このことは日本代表の試合に関してはチームの戦略・戦術以外のことに関しては全てをキリンに委ねているということのようだ。(詳しくは分からないが、新たなことを発見した思いだ。)
 そういえば、いつも頻繁に現れるビールの売り子が全く姿を現さなかった。札幌ドームのビールの売り子はサッポロビール専属の売り子だということだった。
 きっとビールを飲みながら観戦しようとしていた人にとってはアテが外れた日韓戦だったかもしれない…。

        
        ※ ご覧のようにいつもは天井から下がっている広告が一つも見えません。

日本代表のサッカーはやはり楽しい!
 流れるようなパス交換、一つの意思を感じさせる連動性、素早い身のこなし…、日本人の特性を最大限に発揮した姿を日本代表には見てとれる。その上、対戦相手が外国チームとなることで日本全体が一つになっているような思いを感じなから観戦できるということは何にもまして楽しい!
 その日本代表がブラジルWC(2014開催)出場を懸けてのアジア予選がいよいよ始まる。9月の対北朝鮮戦から2013年まで長きにわたり日本代表の戦いを楽しむことができる。
 手に汗しながら、テレビの前で声援を送ることにしたい。

        
        ※ 試合後に選手たちは「がんばろう ニッポン!」の幕を掲げながら
         場内を一周した。