※ 会場は写真撮影NGのため、このような開催要項を写しました。
昨夜(2月12日)、大会組織委員会及び道新が主催する「2017冬季アジア札幌大会」大会開催1年前記念シンポジウムが道新ホールで行われたので参加した。
シンポジウムは、第1部として、大会PRアンバサダーに就任した長野五輪金メダリストの清水宏保氏と、フィギアスケーターで浅田真央選手の姉として有名な浅田舞氏の二人のトークセッションが行われた。
続く第2部では、前記二人に加え、国際アイスホッケー連盟の副会長で香港人のトーマス・ウー氏、北海道教育大学教授の山本理人氏、全日本ジャンプジュニアチーフコーチの伊藤克彦氏の5人によるパネルディスカッションという構成だった。
第1部のトークセッションは、この日(12日)就任したばかりの大会PRアンバサダー
として二人が今後どれだけ大会の盛り上げ役として活躍してもらえるのか、注目していきたい。
そのトークセッションで印象に残った言葉として、清水氏が「冬季スポーツは、世界に近いスポーツである」と話したことは、北海道の青少年たちに勇気を与える言葉のように思えた。
また、浅田氏が「北海道のフィギアの水準を高めるには、優秀なコーチの育成が欠かせない」と話したが、フィギアの場合はコーチの存在が何より重要だと指摘できるのは選手経験がある浅田氏ならではのアドバイスと思えた。
※ 2017冬季アジア札幌大会の大会エンブレムです。
第2部のパネルディスカッションはより本質的な論議が交換されて興味深かった。
特に興味を抱いたのは、国際アイスホッケー連盟の副会長で香港人のトーマス・ウー氏の登壇である。ちょうど現在、札幌で平昌冬季五輪のアイスホッケーアジア予選大会が開催されていることに伴い来道されたと想像されるのだが、冬季スポーツと無縁とも思われる香港人が国際アイスホッケー連盟の副会長を務めていることに興味を覚えた。
その答えは、彼の発言の中にあった。冬季スポーツには無縁と思われるアジア各国では、現在都市の中心のショッピングモールなどにスケートリンクが次々と建設されているという実態があるとのことだった。そうしたことがアジアの国々に次々とアイスホッケーチームが誕生していることと結びついているという、意外な事実だった。
※ 大会マスコットキャラクターのエゾモンだそうです。
話題は冬季スポーツ愛好者の減少、ひいてはスポーツ選手の減少、そして冬季スポーツの不振に及んだ。
愛好者の減少について、環境、設備が整っている北海道における残念な現象との指摘があった。そのことに対してパネリストがさまざまな角度から原因や対策を述べられた。
原因としては、寒さ、趣味の多様化、指導者減、等々…。
対する対策として、まずは冬季スポーツを体験してみることの大切さを挙げた。その体験してみるための施設の改善を指摘する声もあった。
また、別な意味からはトップ選手の活躍することで、裾野が広がるとする意見もあった。反対にスポーツに打ち込める環境作りの大切さを訴える声もあった。
そして、「2017冬季アジア札幌大会」が冬季スポーツ愛好者の裾野を広げる機会となることを期待する、といったまとめになった。
さて、来年の冬季アジア大会が、関係者が期待するような大会となるであろうか?
私はやや悲観的な見方しかできないのだが、どうだろうか?
清水氏は「アジア大会はオリンピックに次ぐ大きな大会」だと述べた。確かに、冬季スポーツの総合大会という意味では間違ってはいないだろう。しかし、メディアも含めた注目度という点ではどうだろうか?
私は競技によって、選手たちの捉え方に大きな差があるように思えるのだ。日本が現在世界に伍して競っているジャンプ陣などはWCと日程が重なった場合は、WCを優先するのではないだろうか? あるいは、フィギア陣なども一線級を出してこないのでは、などと予想してしまう。
そうならないよう、関係者の努力が望まれる。一般の市民が盛り上がるためには、メディアの存在が大きいように思う。メディアがどれだけ取り上げてくれるか、も含めて関係者が懸命に努力してくれることを望みたい。
私自身は、やはり来年の冬季アジア札幌大会が盛り上がってくれることを望みたいと思っている。そんな中で、これまで観戦したことのない、バイアスロンとか、スケートのショートトラックなどを、この機会に観戦してみたいと思っているのだが…。