様似町にあるアポイ岳は地殻の下にあるマントルが地表に飛び出して冷えたかんらん岩からなるという特別な山だそうだ。その特殊な自然を保全するため昨年9月、日本で8番目の世界ジオパークに認定されたという。その保全と再生の道は?
2月27日(土)午後、様似町や道新が主催する「アポイ岳フォーラム」が道新センターで開催され参加した。
アポイ岳が低山(810.5m)ながら貴重な高山植物の宝庫だということは微かな知識としては以前からもっていた。それで、いずれ登ることができたら、といった動機からフォーラムに参加してみた。
フォーラムは、基調講演とセッションミーティングの二部構成になっていた。
基調講演は、植物写真家のいがりまさし氏が「超塩基性岩のスミレと野菊」と題するものだった。
セッションフォーラムは、「アポイ岳の保全再生の可能性を探る」と題して、そのことに関わる専門家や実践家が5名登壇して意見を交換するというものだった。
ところが私はフォーラム自体が2時間程度で終わるのだろうと勝手に判断して、その後にスケジュールを組んでいたため、肝心のセッションフォーラムを聞けずじまいになってしまったことが残念だった。しかし、いがり氏の講演からもアポイ岳がいかに貴重な自然かということを伺い、それなりの理解を得ることはできたと思っている。
いがり氏の講演の要旨をレポしてみる。
いがり氏は専門家でないこともあり、かんらん岩が水と作用して蛇紋岩になることも含めて、全てを超塩基性岩と総称して、その性質を語った。
その超塩基性岩の特質は、金属イオンなどを多く含み普通の植物は育ちにくい土質だということ。さらには、風化して崩れやすい性質をもっているとのことだ。
そのため、高木の森林は発達できず、特殊な植物しか生き残ることのできない土質の山がアポイ岳だそうだ。
その特殊な植物とは、他では絶滅してしまったヒダカソウとか、超塩基性岩に適応するために変質してしまったオオバキスミレなどがアポイ岳では見られるそうだ。
そして、いがり氏は自らが追いかけているオオバキスミレの亜種を次々とスライドで見せてくれたが、素人の私にはそれらの違いを明確に見分けることはできなかった。
さらにいがり氏は、専門家でない気楽さからか、大胆な推論を提示した。それは、超塩基性岩地に生える植物は、水分摂取の特別なシステムを備えているのではないか、という推論である。というのも、本州のある地方に「蛇紋岩米」という銘柄の米があり、これがけっこうな味だということから、そうした推論を立ててみたということだ。「蛇紋岩米」を産する地方は、マグネシウム成分が多すぎて稲以外の生育に適さない地であることから、様似も稲作を指向しては?という提案であった。
いがり氏のお話から、様似町のアポイ岳が国内的に見てもかなり特異な山であることを理解することができた。
ただ、ここからは後半のセッションミーティングに関わってくることなのだが、その特異な山に自生する特異な高山植物類が危機に瀕しているということだ。
私は登壇者の中で、アポイ岳のシンボルともいえる「ヒダカソウ」の生育状況を長年調査している北海道立総合研究機構の西川氏の話を聞くことができたのだが、ヒダカソウは大量盗掘や気候変動によって現在危機的状況に瀕しているらしい。
ここまで聞いて、私は会場を後にしたのだが、おそらくそれからアポイ岳の植物を含めて生物や環境の保全、そして再生について語られたものと推測される。
以前から興味を抱いていたアポイ岳であるが、ますます興味を抱いた。
様似には様似山道という古道もあると聞いている。できれば、アポイ岳登山と様似山道トレッキングを抱き合わせた形で行ってみたくなってフォーラムだった…。
2月27日(土)午後、様似町や道新が主催する「アポイ岳フォーラム」が道新センターで開催され参加した。
アポイ岳が低山(810.5m)ながら貴重な高山植物の宝庫だということは微かな知識としては以前からもっていた。それで、いずれ登ることができたら、といった動機からフォーラムに参加してみた。
フォーラムは、基調講演とセッションミーティングの二部構成になっていた。
基調講演は、植物写真家のいがりまさし氏が「超塩基性岩のスミレと野菊」と題するものだった。
セッションフォーラムは、「アポイ岳の保全再生の可能性を探る」と題して、そのことに関わる専門家や実践家が5名登壇して意見を交換するというものだった。
ところが私はフォーラム自体が2時間程度で終わるのだろうと勝手に判断して、その後にスケジュールを組んでいたため、肝心のセッションフォーラムを聞けずじまいになってしまったことが残念だった。しかし、いがり氏の講演からもアポイ岳がいかに貴重な自然かということを伺い、それなりの理解を得ることはできたと思っている。
いがり氏の講演の要旨をレポしてみる。
いがり氏は専門家でないこともあり、かんらん岩が水と作用して蛇紋岩になることも含めて、全てを超塩基性岩と総称して、その性質を語った。
その超塩基性岩の特質は、金属イオンなどを多く含み普通の植物は育ちにくい土質だということ。さらには、風化して崩れやすい性質をもっているとのことだ。
そのため、高木の森林は発達できず、特殊な植物しか生き残ることのできない土質の山がアポイ岳だそうだ。
その特殊な植物とは、他では絶滅してしまったヒダカソウとか、超塩基性岩に適応するために変質してしまったオオバキスミレなどがアポイ岳では見られるそうだ。
そして、いがり氏は自らが追いかけているオオバキスミレの亜種を次々とスライドで見せてくれたが、素人の私にはそれらの違いを明確に見分けることはできなかった。
さらにいがり氏は、専門家でない気楽さからか、大胆な推論を提示した。それは、超塩基性岩地に生える植物は、水分摂取の特別なシステムを備えているのではないか、という推論である。というのも、本州のある地方に「蛇紋岩米」という銘柄の米があり、これがけっこうな味だということから、そうした推論を立ててみたということだ。「蛇紋岩米」を産する地方は、マグネシウム成分が多すぎて稲以外の生育に適さない地であることから、様似も稲作を指向しては?という提案であった。
いがり氏のお話から、様似町のアポイ岳が国内的に見てもかなり特異な山であることを理解することができた。
ただ、ここからは後半のセッションミーティングに関わってくることなのだが、その特異な山に自生する特異な高山植物類が危機に瀕しているということだ。
私は登壇者の中で、アポイ岳のシンボルともいえる「ヒダカソウ」の生育状況を長年調査している北海道立総合研究機構の西川氏の話を聞くことができたのだが、ヒダカソウは大量盗掘や気候変動によって現在危機的状況に瀕しているらしい。
ここまで聞いて、私は会場を後にしたのだが、おそらくそれからアポイ岳の植物を含めて生物や環境の保全、そして再生について語られたものと推測される。
以前から興味を抱いていたアポイ岳であるが、ますます興味を抱いた。
様似には様似山道という古道もあると聞いている。できれば、アポイ岳登山と様似山道トレッキングを抱き合わせた形で行ってみたくなってフォーラムだった…。