
先日、残業で遅くなるといった妻が、私と娘達のために作っておいてくれた「バーモントカレー」(甘口)。箱のレシピどおりに作ったというコレが、なんだか妙にウマいのだ。

物心ついてからの私は、「ディナーカレー」や「ザ・カリー」などの辛いカレーこそがカレーであり、「バーモントカレー」は女・コドモの喰うものだと馬鹿にしていた。これは昔読んだ「包丁人味平」という漫画の中に「カレーは、辛いルー・福神漬・冷たい水が三位一体となった時こそ旨くなるのだ!」といったストーリーがあり、それに大きく影響されたからと思われる。
そんなワケで、子供が産まれてからも、我が家では「大人用の辛いカレー」と「子供用の甘いカレー」を作り分けていたのだった。だが、年を経るにつれて、だんだんそのことが手間になってきたので、妥協点として「バーモントカレー」を作り、大人も子供もそれを食べるようにした。それが、約2年程前のことだった。
四半世紀振りくらいで食べたバーモントカレーのうまさに、私は驚いた。このカレーはまったく辛くないのだが、なんだか実にスタンダードで、奇をてらっていないうまさなのだ。素直においしい。小学生の頃に、調理実習や臨海学校で食べた、あのおいしさだ。西城秀樹が感激するのもよくわかる。やはり、このカレーは永遠のベストセラーであろう。