いまから約8年前に「オーパ」という名のクルマがトヨタからリリースされたことを、アナタは憶えているだろうか。
全長は当時のカローラよりも10cm以上短いが、ホイールベースは逆に10cm長い。
スペース重視の5人乗り5ドア車だった。
そのスタイルは、まるでフランス車のように前衛的なモノ。
このA-A’ピラーにかけての処理や、インテリアのセンターメーター。そしてコラムシフト!
なんということだろう、トヨタは今から8年も前に、「シトロエンC4ピカソ」を作っていたのだ!
シートアレンジは5ドア車らしく多彩である。
そして、驚くべきは、そのシートのカラーリング!フロントシートはグレーなのに、リヤシートはブラックなのだ。
カタログによると『カラートーンをフロントシートとリヤシートでわけることにより、落ち着いたプライベート感をなにげなく演出する、はじめての空間づくりを試みました』とあるのだが・・・
私個人としては、その試みはあまり成功していなかったように思える。
オーパは、時折トヨタが実験的に放つ、意欲的なコンセプトの5ドア車であった。
私は、時々出てくるトヨタのこの手のクルマが好きである。
しかし、大方の予想通り、やはりこのクルマも売れなかった・・・
このオーパの失敗以降、トヨタからはこういう「ヘン」なクルマは出てこなくなってしまった。
このクルマにも一度試乗して、その広大といわれる室内空間を体験してみたかった。
残念なことである。合掌。