2010年F1最終戦アブダビGPは、非常に面白いレースだった。なんと、セバスチャン・フェテルがフェルナンド・アロンソを逆転して、ワールドチャンプに!
デビュー当時から輝いていた彼の走り。今年最も速かったのは、間違いなく彼だった。
クラッシュやトラブルで落とした勝利も数多かったが、結果として「速い者が勝つ」というストーリーは、分かりやすくてとても良い。なにか爽快な風が、私の中を吹き抜ける。
現在最も「強い」ドライバーがアロンソであることも、これまた事実だと思う。
フェテルが優勝してもアロンソは4位でワールドチャンプだった。3番グリッドスタートのアロンソが4位を手にするのは、たやすいことに思われた。しかし、分からないのがレースである。
まず、オープニングラップでのシューマッハのクラッシュ→セーフティーカー導入が一つのアヤだった。これ、結構危険な、大惨事と紙一重のクラッシュだった。マイケルが無事でよかった・・・
12周目、リヤタイヤに変調をきたしたウェバーが意外にも早いピットイン。
16周目、それに合わせるかのように、アロンソもタイヤ交換のピットイン。
アロンソはピットアウト後、確かにウェバーを抑えることは出来た。だが、ここでセーフティカー導入時にタイヤ交換していたペトロフの後ろに入ってしまったのが痛かった。このアブダビのヤス・マリーナサーキットは、「ストレートが速いクルマ」を抜くことが困難なレイアウト。ペトロフの駆るルノーのマシンは、直線が速い。
アロンソはウェバーの動きに惑わされずに、通常のタイミングでピットインしていれば、4位は獲れたような気がするのだが・・・また結果として、ウェバーはフェテル戴冠のアシスト役になってしまった。ウェバー自身は、無念だったと思う。
マクラーレンの2台も速かった。そして、フェテルはより速かった。今シーズンの締めくくりにふさわしい、見どころ満載のレースだった。